3月15日（土）J2 第2節 熊本 vs 草津（15:00KICK OFF/熊本）
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　開幕戦で共に黒星を喫した熊本と草津が、今季初勝利を目指してぶつかり合う。熊本にとってはホーム開幕ゲームであり、愛媛を相手に見せた可能性を、どう結果に結びつけるかが問われる試合。一方の草津も、新参チームを相手に２敗目となれば、今後の展開に大きく影響しかねない。お互いに連敗は避けたいチーム同士、注目の一戦となる。

　開幕戦後の会見で「前半は、やろうとしていることができて手応えを感じた」と池谷監督が話したように、今シーズンを通して掲げる『積極的な守備からの攻撃』という基本的な戦い方は、今節も変わらない。 ２トップと両ワイドを含めた前線でのプレッシャーに、ボランチの福王が絡んでボールを奪い、両サイドバックも加わって少ないタッチでゴール前までボールを運ぶ。
しかし前節では、後半に入って運動量が落ちるのと合わせてアグレッシブな姿勢は陰を潜め、チェックが後手に回った事で、愛媛に流れを引き戻された。また、13本ものシュートを放ちながら、枠に飛んだのは高橋の1点のみに終わり、ペースを握りながらも先制点を奪えなかった事が響いた。
「連敗はしたくない」（MF小森田）というのが、選手たち共通の思いだろう。特に決定的チャンスに絡みながらゴールを奪えなかったFW中山は、「勝敗に直結するところで決められずに悔しい」と話し、ホームでのファーストゲームで地元ファンに存在感をアピールしたいところだ。

　その思いは、対する草津にとっても同じ。浮上のきっかけをつかむためにも落とせない一戦だ。特に、広島を相手に互角の展開を見せた中盤はJ2でも屈指。ベテランの鳥居塚が出場停止とは言え、司令塔としてゲームを作る島田と、視野の広い熊林の新加入コンビ、さらには熊本DF上村と共にアトランタ五輪に出場したボランチの秋葉忠宏など、攻守ともにクセのあるプレーヤーが揃う。熊本としては、マッチアップするであろう両サイドのMF車と西森、そして小森田らが、ここをどう抑えるかが鍵になる。また島田に関しては、左足のFKも脅威となるだけに、ゴール前での不要なファウルにも気をつける必要がある。
　チームとしても、植木監督が「進退をかけて臨む」というシーズン。 広島戦でも見せたような積極的なプレスからの早い攻撃は、監督の思いに応えたいという選手達のモチベーションの高さの証明でもあり、熊本
が目指すサッカーと重なる。

　その意味では、お互いにアグレッシブなサッカーを志向するチーム同士のガチンコ勝負。先制点がポイントになることは間違いないが、１ゴールで勝負が決まるとは思えない。つまりは、点の取り合いという、ファンにとってこの上なく見応えのあるゲームになるはずだ。
　ホーム開幕戦と言えば、チームが発足した2005年の九州リーグでの試合が思い出される。今思えば、あの後半ロスタイムの逆転ゴールが、そしてその瞬間に多くのファンの胸に刻まれた感動が、熊本をJの舞台にまで押し上げたと言っていい。
　あの日の歓喜を再び――。記念すべき、熊本で初めての「ホームチームのJ初戦」。果たして、90分の激闘の末に笑うのはどちらか。

以上


2008.03.13 Reported by 井芹貴志