3月7日(土) 2009 J2リーグ戦 第1節
徳島 0 - 0 東京V (14:04/鳴門大塚/9,334人)
☆顔写真クイズ|勝敗予想ゲーム
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差す日の光には確かに春の柔らかさが感じられたものの、やはりまだ3月に入ったばかり。スタジアムを彩った旗を揺らす少し強めの風は未だ肌に冷たく絶好の観戦日和というわけではなかった。しかし、この開幕戦に詰めかけた観衆は9,334人─。もちろんそのほとんどがホーム徳島のファン・サポーターだが、昨季まで3年連続最下位と不振を極めたチームとは言え、おそらく今季の変革を誰もが感じているのだろう。ホーム開幕戦新記録となったこの数字は、そのまま2009年の徳島にかけられた期待値と言って間違いない。
そしてゲームへと目を移せば、いろんな意味で開幕戦らしい一戦だったと言える。そう思えるまず1つ目は何より両者の見せた高い集中力。いよいよ迎えたこの日だけに、ピッチ上の選手たちには期するものがあったに違いない。90分を通して全く切れなかったそれが、緊迫感に満ちた雰囲気をいっそう強くしていた。また両チーム選手たちのミスの少ないプレーもそう。緊張による硬さがある中でも個々が引き締まったプレーを行えたのは、紛れもなくこの戦いに向けて整えてきた技術とコンディショニングの賜物で、さすがのシーズン初戦と言っていいだろう。
ただ、このミスの少ないプレーは裏返せばお互いが手堅く戦った結果とも言える。決して消極的というものではないが、リスクを冒す場面が少なかったことは事実だ。きっと選手たちの負けられないという気持ちが無意識に作用したのだろう、「もっと前でボールを奪って速攻を仕掛けたかった(美濃部直彦監督)」「積極的に戦おうとは思っていた(高木琢也監督)」という両指揮官の意図と実際の展開は異なるものとなった。が、これも開幕戦らしさ。さらにそのことを差し引いても、前記のような集中と精度の高いプレーから、この一戦はスコアレスドローながら総じて両チームが高いポテンシャルを感じさせた見応えある戦いだったと言っていい。
とは言え、内容を少し掘り下げれば、徳島、東京Vそれぞれ組織としての出来に関しては違いがあったように思われる。
まず徳島だが、こちらは「勝点は1だが満足できる」と美濃部監督が試合後語ったようにチームとしても及第点のパフォーマンスを見せた。大方の予想と異なる4-4-2システムの中で倉貫一毅、徳重隆明らMF陣がポジションチェンジをしながら効果的に前線へと絡み、グループでのパスワークでもワンタッチを多用して随所に見事な冴えを披露。FW羽地登志晃が逃した2度の決定機については悔やまれるが、攻撃面での連係には大きな可能性をうかがわせた。加えて守備はよりいっそうの出来。新加入選手ばかりで構成されたDFラインながらセンターバック三木隆司を中心に密なコミュニケーションで安定感を失わなかった。
逆に東京Vは、守りこそ土屋征夫がリードし固さを維持しながら、高木監督の「徳島の守りを最後まで崩せなかった」という言葉通り、攻めの形において解決を見い出せないままとなってしまった。トップの平本一樹にロングフィードを送り込んでも孤立させることが多く形を作り切れず、早くも次への課題を抱えたことは否めない。が、そんな中でも今季のチームの武器となり得る部分がハッキリ見えたのは収穫だろう。徳島DF陣を時折混乱に陥れたMF河野広貴のドリブル。きっと今季、相手に脅威を与える存在となるはずだ。
こうして2009シーズンもついに熱戦の火ぶたが切って落とされた。これから51節まで長く厳しい戦いが続くJ2。様々なヒーローやドラマが生まれることを期待して見守っていきたいと思う。
以上
2009.03.07 Reported by 松下英樹
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