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【J2:第5節 水戸 vs 熊本】プレビュー:水戸、4連勝なるか!?「冷静沈着にラインを統率する“プロフェッサー”」鈴木和裕が鍵を握る。(09.03.28)

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3月29日(日)J2 第5節 水戸 vs 熊本(13:00KICK OFF/水戸
スカパー!生中継 Ch181 12:50〜(解説:菅野将晃、実況:山下末則、リポーター:佐藤愛美)
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 それは開幕3日前の出来事だった。愛媛との開幕戦に向け、紅白戦で最終調整を行った水戸だが、そこでレギュラー組はサブ組に3失点を喫してしまった。すべてサイドを簡単に破られてのもので、これからというときにチーム内に不安が走ることとなったのだ。練習後、サブ組のセンターバックに入っていた鈴木和裕はレギュラー組のDFライン4人(保崎淳、大和田真史、中村英之、小澤雄希)を集め、守備の仕方をアドバイス。途中からはホワイトボードを持ち出して、入念に守り方の確認を行った。最初は5人だった輪にどんどん人が加わっていき、最後は10人以上の選手が鈴木の言葉に耳を傾けた。その光景を眺めていた木山隆之監督は「ところどころ何を言っているか聞いたけど、カズ(鈴木)は僕の言いたいことをみんなに伝えてくれているようですね。頼りになる選手ですよ」と鈴木の存在の大きさを語った。

 昨年も同様の出来事があった。チームが不調にあえいでいるときにサブ組に入っていた鈴木がレギュラー組のDFラインを集めてアドバイスを送り、その後チームは息を吹き返したのであった。それは決して簡単にできることではない。プロとしてサブ組に入るということは、生活の危機でもある。選手生命を賭してポジションを奪い返そうと必死になるのが普通だ。しかし、鈴木は違った。「もちろん試合に出たいです。でも、出ていないときには出ている選手に勝ってもらうしかない。サブ組に入って分かることもある。そこで気づいたことを伝えることがチームにとってプラスになると思う」と語るのである。どんなに自らが苦しくても鈴木はフォア・ザ・チームの精神を貫いた。その姿勢がチームにとって大きな力へとなっていった。

 開幕戦こそ敗れてしまったが、第2節以降鈴木が右サイドバックとして起用されると、チームは安定感を取り戻し、3連勝をおさめた。「カズさんが入ると声を出してくれるので、守備が落ち着く。カズさんの存在は大きい」(大和田)と選手たちが口を揃えるように、絶大な信頼を得ている鈴木が最終ラインにいることで中盤の選手たちは自由に動けるようになっているのだ。パスミスも多いが、水戸の攻撃サッカーを支える縁の下の力持ち的な存在と言えよう。

 鈴木なくして前節の勝利もなかった。30分に中村が負傷退場。急遽鈴木がセンターバックに回り、保崎を右サイドバックに投入して対応。急造フォーメーションとなったものの、ディフェンスラインに混乱の様子はなく、落ち着いた守備でチームに安定をもたらした。突如センターバックを務めることとなった鈴木だったが、「こういうときのためにどこでもやれるようにしておかないといけない」とベテランらしい平然な表情を見せ、それどころか、「自分のことよりも保崎に落ち着いてプレーさせることを心がけた」という。「保崎は愛媛戦で動きがよくなくて自信を失っていた。だから自信を持ってプレーさせようと思った」と語った。それに対し、保崎は「カズさんと一緒にやるのははじめてだけど、隣でずっと声を出してくれたので安心してできましたね。愛媛戦よりも安定したプレーができたと思います」と自信に満ちた表情を見せた。自分だけでなく、周囲にしっかり目を配れる。彼のようなベテランがいることで、若い選手たちが伸び伸びプレーすることができているのだ。

 今節も鈴木が鍵を握る。前節中村が負傷し、今節は欠場。「(センターバックを)加藤(広樹)にしようか、鈴木にしようか迷っている」と木山監督は頭を悩ませている。いずれにせよ、鈴木が保崎や加藤といった若い選手をカバーする役割を担うこととなる。水戸の目指す攻撃的なサッカーをするためにも最終ラインの安定は不可欠なだけに、鈴木がいかに安定をもたらすかが勝負の分かれ目になることだろう。

 また、チームは3連勝と好調を見せているが、好事魔多し。もう一度気持ちを締めなおして試合に入らないといけない。こんなときこそ、経験豊富な鈴木がチーム内に平常心をもたらしてくれることに期待したい。「特別なことでなく、やってきたことを出せば結果はついてくる。自分たちのサッカーをすれば勝てると信じて戦うだけ」。その思いをどれだけの選手が胸に抱いて試合に挑めるか。そこが勝負のポイントとなるだろう。

 対する熊本もベテランの藤田俊哉の存在が際立っている。チームの目指すポゼッションサッカーの中心として君臨。正確な技術だけでなく、試合の流れを読んだ的を得たプレーをすることによって、チームに落ち着きを与えている。前節も愛媛に先制を許すものの、藤田を中心に慌てずに主導権を握り返し、ドローに持ち込んだ。かつて数々の栄光を手にした藤田の存在によりチームは自信を持てるようになっている。それが昨季との最も大きな違いだ。昨季の水戸との対戦成績は2敗1分。内容では完敗を喫しているだけに、今年最初の対戦で昨年の屈辱を払拭したいところ。水戸のプレス対藤田を中心とした熊本のパスワーク。その構図で試合は進んでいくこととなるだろう。

 アグレッシブな戦いを繰り広げる両チームだけに激しい試合展開が予想される。そのなかで鈴木和裕と藤田俊哉という2人のいぶし銀がどう輝くか。この試合最大の見所となる。

以上

2009.03.28 Reported by 佐藤拓也
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