４月２９日、担当クラブである草津はアウェイ徳島戦だったが、どうしても観たい試合がありＪ１の試合会場へ足を運んだ。そのカードは、大宮対山形。Ｊ２からＪ１へ昇格し大健闘を魅せている山形と、石原直樹、藤田祥史というＪ２を代表するストライカーが加入した大宮。Ｊ２ファンにとっては、たまらない試合だ。

　ご存知の通り、ゲームはアウェイ山形が３対０で勝利を収めた。山形のひたむきなプレーと小林伸二監督の的確な戦術。その戦いぶりは本当に見事だった。長谷川悠は昨年よりも泥臭いＦＷに成長していたし、北村知隆や秋葉勝などＪ２で成長した選手もＪ１のピッチを楽しむかのように駆けていた。試合では、山形の選手たちが繰り出すタックルと、攻守における体の入れ方が強く印象に残った。その部分において戦力で勝るＪ１他クラブとの差を詰めている気がした。

　今季３ゴールを決めている大宮・石原は、早い時間帯にチームが２点のビハインドを背負ったことで前線にスペースがなくなり苦しんだ。だが前半、後半にそれぞれ決定機を迎えるなど特長は発揮していた。後半に放った決定的なシュートは、昨季までＣ大阪だった古橋達弥にゴールライン上でブロックされた。Ｊ２で活躍した選手同士の戦いは実に面白かった。

　昨季までＪ２でプレーしていた選手がＪ１の舞台で戦うことは、Ｊ２クラブや選手、そしてサポーターたちに大きな勇気を与えている。Ｊ２で結果を残したチーム、選手だけがＪ１行きのチケットを手にすることができる。自分が担当している草津からは期限付き移籍だった選手を除いて、Ｊ１へと旅立ったプレーヤーはまだ輩出できていない。草津の選手たちが近い将来Ｊ１でプレーする姿を思い浮かべながらＮＡＣＫ５スタジアムを後にした。

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2009.05.01 Reported by 伊藤寿学