5月24日(日) 2009 J1リーグ戦 第13節
磐田 2 - 1 名古屋 (15:03/ヤマハ/15,632人)
得点者:83' 那須大亮(磐田)、85' 成岡翔(磐田)、88' ダヴィ(名古屋)
スカパー!再放送 Ch308 5/26(火)15:00〜(解説:福西崇史、実況:八塚浩)
☆勝敗予想ゲーム
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“伏兵”という言い方は彼らには失礼かもしれない。だが、主力選手に疲労やケガが目立ってきた中、今まで点を取っていなかった選手や新たに入った選手が勝利に大きく貢献したことは、今の磐田にとっては本当に大きな収穫だった。
磐田のスタメンは、ケガで欠場した茶野隆行の代わりに大井健太郎が入った他は、リーグ戦前節の川崎F戦と同じ。名古屋のほうは、玉田圭司の先発復帰が期待されたが、今回はとりあえずベンチスタートとなって、巻佑樹とダヴィの2トップ。右サイドバックには、田中隼磨ではなく竹内彬が入ったが、それ以外はいつものメンバーという形でスタート。システムはどちらも4-4-2でがっぷり四つという中で、立ち上がりから自分たちのサッカーを見せたのはホームの磐田だった。
今年の磐田の良いときは、DF4人、MF4人、FW2人で作る3ラインの間隔をコンパクトに保ち、相手に縦パスを入れる隙間を与えないまま、前からプレッシャーをかけていく。この試合でも、立ち上がりはそうした状況を作り、速攻主体ではあるが良い形の攻撃も見せた。
それに対しては名古屋のほうは、磐田にバランス良く守られてなかなか効果的な縦パスを入れることができず、自分たちのリズムでボールを回すことができない。ダヴィと巻も下がってクサビを受けるタイプではないため、いったん磐田に守備をセットされると、パスの出し所がなく、結局は前線のツインタワーに向けてロングボールを蹴るというパターンが多くなった。
それは、名古屋としては不本意な攻撃だが、磐田にとってはイヤな形だった。ロングボールで屈強な2人に競り負けてしまうと、どうしてもDFラインが下がって3ラインの間隔が広がり、セカンドボールも拾われやすくなって、押しこまれる展開になりやすい。序盤は、粘り強く競ってセカンドボールもよく拾っていたが、ロングボール攻勢が徐々にボディブローのように効いてきて、ラインがじりじりと下がってしまう時間も多くなった。そんな中で、名古屋の左サイドバック・阿部翔平のアーリークロスが巻に正確に通り、磐田ゴールを脅かす場面を何度か作った。
だが、前半をトータルで見れば、やはり磐田のほうがゲームをコントロールし、チャンスも多く作った。31分には、イ・グノの左クロスが逆サイドでフリーになった前田遼一に通ってシュート。これはDFにブロックされたが、そのこぼれ球をつないで攻め上がった山本康裕が右からクロスを入れる。そこから中央で西紀寛がヘディングシュートするが、これはクロスバーに当たってゴールを決めきることはできなかった。
ただ、その時クロスを蹴った後の山本康に小川佳純がスライディングタックルし、キック後に着地した右足に激しく衝突。レッドカードになってもおかしくないほど危険なプレーで(小川にはイエローカード)、磐田の心臓である山本康が右足首を痛めて負傷退場になってしまう。そこに代わって35分に投入されたのが、10番の成岡翔。その成岡と小川が、後に試合結果を大きく左右することになるのは、ある意味で非常にサッカーらしいドラマだった。
後半も、初めは前半とそれほど変わらない流れとなり、7分にはジウシーニョの左クロスから上田康太が惜しいボレーシュートを放つなど、磐田が先にチャンスを作った。だが、10分に満を持して玉田が投入(←中村直志)されたあたりから流れが変わり始める。トップではなく左MFとして入った玉田は、磐田の守備ブロックの隙間に動いてパスを受け、確実にキープしてから味方につなぎ、チームのリズムを作っていく。磐田の前からのプレッシャーが緩んできたこともあって、名古屋のパスがよく回るようになり、15分を過ぎたあたりからは名古屋がボールを支配する展開になっていた。
そうなると必然的に名古屋のセットプレーも増えてくる。高さという意味では完全に名古屋が上回っていたため、磐田は何とか身体を寄せて耐え続けるしかなかった。押しこまれてDFラインを上げることができず、カウンター攻撃も思うようにできず、磐田にとっては我慢の時間が続いた。
しかし、36分に小川が2枚目のイエローカードを受けて退場になったことで、流れは再び大きく変わる。これで攻撃の回数が増えた磐田が38分にCKを獲得し、その右CKの2次攻撃から上田が左クロス。これをファーサイドの成岡が頭で折り返すと、そのボールがバーに当たり、跳ね返ったところから那須が思い切りよく左足でシュート。「まさか(初ゴールが)左足とは思わなかった」と言う那須の移籍後初ゴールが豪快に決まり、磐田が待望の先制点を奪った。
その後、DFを1枚減らして(阿部→杉本恵太)リスクをかけて攻めてきた名古屋に対して、磐田はカウンターで対抗。40分にはカウンターで太田吉彰が持ち上がり、中に切れ込んでフリーの成岡にパス。そこで成岡が迷いなく左足を振り抜くと、強烈なミドルシュートが左ポストぎりぎりに決まって、磐田が貴重な追加点。実に成岡らしい正確で速いシュートは、日本代表GK楢崎にも止めようがなかった。
しかし、43分には玉田の左FKからダヴィがヘディングシュートを決めて、ようやく一矢報いる。その後も、名古屋が必死に攻めこんで、44分の玉田のシュート、アディショナルタイムでのダヴィのヘッド(玉田の右FKから)などで決定機を作るが、ここは日本代表から漏れたGK川口能活が意地のビッグセーブ。2-1のまま追加の4分が経過して、磐田が大きな自信となるホーム4連勝を飾った。
名古屋陣営としては、攻撃面で物足りなさを感じたゲームだっただろうが、それ以上に光ったのは磐田守備陣の頑張りだ。久しぶりのリーグ戦での先発で気合いの入っていた大井にとっても大きなアピールとなったし、ケガ上がりの上田も、運動量が増えて守備でも大きく貢献。茶野に代わってキャプテンマークを巻いた那須は、細かいラインの上げ下げで見事に守備を統率しただけでなく、自ら先制点を決めてマン・オブ・ザ・マッチに選出。そして急きょ出番が訪れた成岡は、それまで蓄えてきた力を存分に発揮して1ゴール1アシスト。
主力にケガ人が出て、イ・グノも疲労で切れがもうひとつだった中、その他にチームを活性化する選手が何人も現われてきたことは、柳下正明監督にとっても磐田サポーターにとっても本当に心強かったことだろう。
以上
J’s GOALニュース
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