7月25日(土) 2009 J2リーグ戦 第30節
札幌 4 - 2 岡山 (14:03/札幌厚別/5,742人)
得点者:30' キリノ(札幌)、33' 西大伍(札幌)、53' 西野晃平(岡山)、60' 西大伍(札幌)、67' 保坂一成(岡山)、89' 上原慎也(札幌)
スカパー!再放送 Ch185 7/27(月)15:30〜(解説:平川弘、実況:岡崎和久、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:岡本博憲)
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「点の取り合い、打ち合いのゲームはウチの力では難しいのかなと思いました」。岡山の手塚聡監督はこのように試合を振り返った。
立ち上がりから岡山陣内でボールが動く時間の多い、つまり札幌がボールを保持して攻める局面の目立つ展開だった。上里一将、宮澤裕樹で組む守備的MFから両サイドあるいは2トップにボールが配球され、攻撃の起点をあらゆるエリアで作ることができていた。しかし、起点は作れてもそこから効果的な決定機までなかなか持ち込むことができないというのがこの日の札幌だった。
「前半から、今までやってきたことがひとつもできていなかったと思います」と札幌の石崎信弘監督は自らのチームを厳しく評価した。だが、その背景には岡山の頑張りもあったと言えるだろう。
敵地に乗り込んだ岡山は、攻撃こそ前線の青木孝太がほとんどボールに絡めなかったり、後方からのつなぎも必要以上に丁寧なものになってしまいチャンスを作れなかった。しかし、守備に関しては4−4−2のフォーメーションでしっかりとオーガナイズし、絶え間ないハードワークとゾーンディフェンスでスペースを埋め、札幌の持ち味であるスピーディなパスワークを封じたのである。
ただ、要所にプレーレベルの差が表れた。30分にキリノに見事なボレーを叩き込み、その3分後には相手GKのロングキックを岡山DF陣が対応を誤ったところを西大伍が決め札幌が2−0のスコアでリードして後半へと折り返した。
こうして進んだゲーム展開のなかで、注目すべき部分は後半にあった。
「試合運びの部分でまだまだ問題があった」と石崎監督が振り返ったように、後半の札幌はサッカーのセオリーとは異なる様相を見せる。岡山が選手交代によって中盤をボックス型からダイヤモンド型へと変更し、そうして発生したトップ下の選手に対して上里、宮澤という攻撃の好きな守備的MFがうまく守備ができなかったという部分はあるが、問題としては、本来であれば全体のラインを若干低めに設定して守備の意識を高め、2点のビハインドを追う相手が前がかりになったところをカウンターで仕留める、というのがリードしている側のセオリーだろう。だが、この後半では2点のリードを持つ札幌が岡山のカウンターを受けるという、珍しい局面が何度かあった。そして札幌はミスから失点してしまい、前半でほぼ勝負を決めていたはずのゲームを打ち合いへと持ち込まれてしまったのである。
結果として途中出場の上原慎也が勝負を決めるゴールを挙げて4−2のスコアで勝利したものの、札幌のゲーム運びには、セオリーに準じて考えれば若干の逸脱があった印象が残る。
ただ、やはりそのスタイルこそが現在の札幌が身につけようとしているプレースタイルなのだろう。「勝っている局面でも前に行く姿勢を見せたかった」とは、得点者である上原の弁。常に主導権を奪いながらゲームを進める。そのスタイルを体で覚えながらリーグを進めているのが今シーズンの札幌だ。リードがあるからといって簡単には守備的にならず、可能な限り自分達で勝負を決めるという戦い方を石崎監督は若いチームに注入している様子である。
もうひとつの考え方もできる。前半は2−0のスコアで折り返したが、それではまだセーフティリードになっていないと考えたのかもしれない。それで後半も、セオリーとは若干逸脱しながらも、前がかりになったと予想することもできる。
いずれにせよ、勝ちながらもまた、この日も札幌はサッカーの難しさを教えられた印象だ。内容の良い試合をしてチャンスをたくさん演出した試合では決定力を欠き、逆に、監督が不満足に感じた試合内容の時はFW陣がゴールを重ねるのだから。やはりサッカーというのは難しい。そして同時に、そういう試合を重ねてこそ、理想と現実との妥協点は見出されていくのだろう。
一方の岡山だが、敗れはしたものの収穫の大きな試合ではなかっただろうか。冒頭の手塚監督のコメントのように、現時点では確かに点の取り合いになると厳しいことは間違いない。だが、それでも2−0のスコアから粘りを見せて2得点を挙げてたのだから、今後につながるはず。ぎこちなさはありながらも、自分達でしっかりと攻撃を組み立てようとする意図は感じたし、90分間を通じてハードワークは継続されていた。コンディション的にも厳しい試合だったろうが、そういう試合を通じて、チームというのは強化されていくのである。
リーグ戦はまだまだ先が長い。それだけ、伸びシロも長いということだ。
以上
2009.07.26 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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