アビスパ福岡は8月28日、アビスパ福岡U-18所属で、U-18日本代表候補の吉原正人(17)の来季トップチームへの昇格を内定し、仮契約を締結したと発表した( /jsgoal_archive/official/fukuoka/00088397.html )。身長187センチ、体重76キロと恵まれた体格を持つ大型FWは、既に2種選手としてトップチームに登録されて練習に参加しているが、晴れて来シーズンから、あこがれのプロ選手としての生活をスタートさせることになる。
吉原がサッカーを始めたのは小学校の時。兄の影響を受けてのことだった。当初は地元のクラブである今宿SCに所属していたが、もっと強いチームでプレーしたいという希望から、小学校4年生の時にセレクションを受けてアビスパ福岡U-12に加入。以降、アビスパ一筋で育ってきた。U-15日本代表に選出されてからは、年代別代表キャンプや、海外遠征にたびたび招集されているほか、今シーズンの九州プリンスリーグでは9試合で13ゴールを挙げて得点王に輝くなど広く注目を集めている。田部和良GMも「日本代表レベルの選手に育ってほしい。クラブとしてもスケールの大きな選手に育てたい」と話し、期待を寄せる。
大型FWながら、高い足元の技術と、ターンの素早さ、しなやかなプレーなど、柔らかさに長けた選手。今年の3月には単身でフランスリーグのボルドーに練習参加し、競り合いの中での強さや、倒れない強さも身につけつつある。反面、めぐまれた高さを活かしきれておらず、ヘディングの強さを磨くことが課題とされている。
さて、仮契約を終えて本社ロビーに出てきたところを、さっそくつかまえて即席インタビュー。プロとしての第一歩を踏み出すことになった心境を次のように話してくれた。
「仮契約を結んで、いよいよプロでやれるんだなと実感しています。プロになるのが目標だったので嬉しいです。これも、今まで自分を支えてくれたみなさんのお陰です。1日でも早くトップの一員としてレベルファイブスタジアムで活躍して、これまでの恩返しをしたいと思っています。応援、よろしくお願いします」
公式戦での眼光鋭い表情とは打って変わって、初めての取材に、照れくさそうに笑顔を浮かべて答える姿が初々しい。
現在、トップチームには田中佑昌、大山恭平、鈴木惇、笠川永太ら、アビスパ福岡U-18出身者が4人在籍しているが、ユース時代には彼らのプレーを励みにし、「あのくらいやらないとプロにはなれない」と自らに厳しさを課してトレーニングを積んできた。これからは、そんな先輩たちと同じ土俵でポジション争いをすることになる。同時に、自分がそうであったように、ユース所属の選手たちの身近な目標にもなる。
「後輩たちにとっての励みになればいいと思うし、早く試合にも出たいです。そのためにも、自分の力でポジションを勝ちとらなければいけない」。そう話す表情には、一瞬、笑顔が消えたように見えた。
中学校の時にプロを意識するようになってから6年。吉原は周りの人たちに支えられながら、自分の力でプロ契約を勝ち取った。しかし、それは何かを得たことを意味しないし、何かを保証するものでもない。仮契約は、ただスタートラインに立ったということしか意味しない。「好きな選手はティエリ・アンリ。目標とするのはフェルナンド・トーレス。将来は日本代表でプレーしたいです」と話す夢を叶える方法は、今まで以上に自分を厳しく律し、たゆまない努力を積み重ねていく以外にない。「本人も話してあるが、ユース年代の代表選手に選ばれても、その後、成長できなかった選手はたくさんいる。U-20W杯に出場し、そこでゴールを挙げても、Jリーグにいられなくなることもある。しっかりと自覚をもって日々の生活に取り組むことが大事」とは田部GMの弁。ここからが本当の勝負だ。
まだ、あどけなさが残る表情が男の顔に、そして勝負師の顔に変わった時、吉原はプロ選手としての本当の資格を得ることになる。その時が1日も早くやって来ることを願っている。
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2009.09.01 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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将来を嘱望される大型FWも、表情にはまだあどけなさが残る。厳しさを自分の力で乗り越えた時、本当の意味でのプロとしての資格を得る。













