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【J2日記】栃木:北国へと旅立つ、エース(09.12.18)

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(C)大塚秀毅

昨晩、宇都宮市内では初雪が観測された

(C)大塚秀毅

自主トレに顔を出した河原和寿選手。練習後にチームメイトとサポーターに別れの挨拶をしていた

ゴールを決めた後の、かめはめ波も揺りかごダンスのパフォーマンスも、来季は見られなくなる。チーム総得点38の約3割に当たる13ゴールを決めた、自他共に認める栃木SCのエース・河原和寿が期限付き移籍元のアルビレックス新潟への復帰を決意した。

「栃木と新潟以外にも興味を持ってくれたクラブはあったが、最終的に栃木と新潟に絞り、両チームをフラットに見て今回のことを考えた。栃木への感謝の気持ちは強いが、新潟にも4年間在籍していて恩返ししたいという思いが強かった。J1のチームで、上のカテゴリーでプレーしたい気持ちも強かった」

「自分のことよりもサポーターのために残りたかった」と偽らざる心情を吐露した河原の、栃木への愛着は強かった。契約交渉が始まる前には、こう言っていた。「契約期間が終わるから『じゃあ新潟に帰ります』、とは簡単に言えない」。それだけ栃木で過ごした1年間は濃密なもので、河原自身も成長を実感していた。

プロ5年目。出場機会を求めて栃木へ移籍してきたが、周囲から期待されたゴールを決めるまでは時間を要した。今季の初ゴールは4月26日、10節のヴァンフォーレ甲府戦。開幕から1ヶ月半も経過していた。「1点を取るまで自分の中でプレッシャーは大きかった」と、河原はゴールを期待される「助っ人」としてのプレッシャーに苦しんでいたが、「1点を取ってからは気持ちに余裕が生まれ、自信を持ってプレーできるようになった」。新潟では途中出場が多く、自信が持てなかった。FWにはエジミウソン(浦和)など得点力のある選手がいたことで、誰かが点を取ってくれるだろう、といった甘えがあった。

しかし、FWからサイドハーフへのコンバートも奏功し、点が取れるようになった今季はガラリと意識が変わった。「このチームのエースは自分なんだ」。そう河原は自分自身に言い聞かせ、「なんとしてでも点を取って結果に繋げたい」とゴールに貪欲になった。「明らかに自分の中で新潟時代と比べて気持ちが変化した。新潟時代は『勝つためにプレーしたい』とコメントしていたが、栃木では『勝つためにゴールを決めたい』とコメントするようになった」。エースとしての自覚が芽生えた。20代前半で内面を変化させることができたのは、最大の収穫だった。

栃木への移籍に迷いがなかったわけではないが、「サッカーができれば幸せ。環境にこだわりはなかった。潰れるか、潰れないかは自分の努力次第。今年1年間は自分の中でチャレンジしたが、本当にまとめていい経験ができた。移籍してきて良かったと思っている」と、得たものは少なくなかった。19試合も勝利に見放されても、サポーターは見放さなかった。声を嗄らして応援を続けてくれた。今季ほどサポーターに支えられ、パワーをもらっていることを強く感じたシーズンはなかった。栃木へ残る選択肢も十分に考えられた。でも、「サッカー選手として常に上を目指す気持ち」と正直に向き合った結果、新潟復帰の決断を下すに至った。栃木か、新潟か。大きく気持ちが揺れ動いていた河原だが、ひとつ区切りが付いたことで今は新たなチャレンジへ向けてワクワクしているという。

「新潟は監督が黒崎さんに替わり、皆が(スタメン獲得へ向けて)横一線なので楽しみ。成長した姿をトレーニングからアピールして、自分の存在を大きくしていきたい。J1の舞台でも今年試合に出られた経験を活かし、力を発揮できるようにしたい」

栃木には「新潟には帰れない」という思いで、片道切符のつもりで来た。でも、河原は結果を残したことで新潟への帰りの切符と自信を掴んだ。昨晩、宇都宮市内には短時間ながら雪が降った。それは河原からサポーターに、「新潟で頑張ります」という別れの挨拶だったのかもしれない。

「これでバイバイではなく、これからも応援してほしい。新潟に復帰するという選択をしたことで残念な思いをした人がいると思う。その人達のためにもJ1で活躍するのが自分の役目だと思っている。新潟には遊びに来てほしいし、試合を観に来てほしい。話す機会があれば、思い出話ができればいいですね」

エースはそう言い残し、北国へと旅立った。新潟市内は12月としては24年ぶりの大雪だそうだ。

以上

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2009.12.18 Reported by 大塚秀毅
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