4月4日(日) 2010 J2リーグ戦 第5節
岐阜 3 - 0 札幌 (13:03/長良川/5,133人)
得点者:52' 西川優大(岐阜)、83' 嶋田正吾(岐阜)、90'+4 西川優大(岐阜)
スカパー!再放送 Ch183 4/6(火)06:00〜(解説:大野聖吾、実況:堂野浩久、リポーター:松井秀)
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スタメン表を見ると、MF橋本卓の名前はなく、ボランチには菅和範と田中秀人が入り、左のアウトサイドに永芳卓磨が、2トップの一角には嶋田正吾を起用した。
この試合、これらの起用がずばり的中した。特に右の西川優大と左の永芳のコンビはこの試合の出来を大きく左右した。これまでの試合、岐阜はゾーンディフェンスばかりに意識が行き過ぎてしまったために、ボールを奪ってからのテンポアップや、高い位置で奪うという。精度の高いカウンターを繰り出すための大事な要素が徹底されていなかった。
しかし、この試合はこの重要な要素がしっかりと盛り込まれていた。「2トップとの距離がずっと遠かったので、なるべく2トップの近い位置でプレーしようとした。卓磨は引いて受けるタイプなので、僕が2トップに近づいてバランスをとった」と西川が語ったように、永芳はチームナンバーワンの技術を誇り、彼が中盤でボールを受けることで、そこからのつなぎのパスで中盤でリズムを作り出すと、西川が中に絞り気味にプレーをして、嶋田と2シャドーのようになる形で、バイタルエリアで起点を作った。
立ち上がり15分間こそ、3連敗中とあって慎重な試合運びとなったのか、DFラインとMFラインが引き気味になってしまっており、この試合も攻撃面で難しい試合になるのではと感じた。実際に13分に、岐阜がショートカウンターを繰り出すが、嶋田の飛び出しに二列目以降が付いてこず、結局嶋田は枚数が揃ったDFに対し、切り替えしからバックパスをせざるを得なかったシーンがあった。
しかし、こうしたシーンはこれ以降一切見られなくなった。立ち上がりの危険な時間帯をやり過ごしたことで、徐々に低かったラインも高くなり、前述したように西川と永芳、嶋田が微妙にポジション修正を図り、岐阜の攻撃の起点は次第に高くなっていった。
双方がチャンスを作りながらも決められず、迎えた後半。前半からの攻撃が一気に効力を発揮する。52分、岐阜は左サイドでFKを得ると、永芳のキックを中央で西川がどんぴ者ヘッドで合わせ、ついに均衡を破る。
これで勢いづいた岐阜は、FW佐藤洸一を頂点に、嶋田、西川、永芳がうまく連動し、バイタルエリアにギャップを作り出すと、菅が積極果敢に飛び出してきては、攻撃に厚みをもたらした。83分には左CKから相手DFがヘッドでクリアしたこぼれを、嶋田が目の覚めるようなダイレクトボレーで、ゴール右下隅に突き刺し2-0と引き離す。さらに後半ロスタイムには、DF石川直樹の負傷で一人少なくなった札幌に対し、カウンターから西川がトドメの3点目を決めて勝負あり。3連敗中、4試合で3ゴールだった岐阜が、3-0というスコアで札幌を下し、ついに連敗をストップさせた。
一方の札幌は、15分にMF藤田征也がGKとの1対1をポストに当ててしまったり、交代カードを使い切った後に石川直樹が負傷退場するなどの不運があった。しかし、岐阜の中盤に対し、本来は攻撃的なボランチの宮澤裕樹が守備に忙殺され、アンカーとしてなかなか前に行けず、攻撃に厚みを加えられなかった。
彼が攻撃的な特徴を出せたのは32分のシーンのみ。このときは左サイドを突破したキリノのマイナスの折り返しに、中盤の底から猛烈なダッシュでバイタルエリアに入り込み、地を這うようなミドルシュートを放ち、あわやというシーンを演出した。
岐阜としたら、このシーンが多くなると非常に脅威だっただけに、宮澤をゴールから遠ざけられたことは、この試合において非常に大きなことであった。
攻撃は最大の防御。ゾーンディフェンスはあくまでのベースであり、すべてではない。そのベースの部分にプラスアルファしていくことで、よりチーム力は高まっていく。この試合の岐阜はそれが出来ていた。
「とにかく3連敗のなか、選手が危機感を持って頑張った結果だと思います。健闘を讃えたいし、感謝したい」(倉田安治監督)
新しい指揮官の下、昨年までとは違った、新しいものを取り入れようとすることで、苦しみ、チーム内でもズレが生じ始めていた時期だけに、この勝利は何よりも大きな意味を持つ。
今やっていることを浸透させ、土台にする作業と、そこにプラスアルファを付ける個々の意識の高さ。この2つが平行して行われてこそ、大きな発展につながる。この勝利を無駄にしないためにも、次以降はここで得た教訓を生かしていかなければ意味がない。
ローマは1日にしてならずだが、小さな発展は1日にして成しうる。
次なる試合、4月11日のアウェイの福岡戦も、小さな発展の1日になることを切に願う。
以上
2010.04.05 Reported by 安藤隆人













