10月3日(日) 2010 J2リーグ戦 第29節
岐阜 2 - 1 徳島 (18:03/長良川球/2,326人)
得点者:13' 津田知宏(徳島)、43' 嶋田正吾(岐阜)、76' 押谷祐樹(岐阜)
スカパー!再放送 Ch183 10/4(月)深01:00〜
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激しい雨が降る長良川メドウが、静まり静まり返った。
MF倉貫一毅がゴール前へのふわっとしたボールを上げる。一瞬、岐阜の選手の動きがぴたりと止まり、ボールはGK村尾龍矢とディフェンダーの間へ落ちる。そのボールにFW津田知宏がすばやく反応し、ゴールに押し込む。13分、岐阜はGKとDFの連携ミスから、津田の今季14得点目となる先制ゴールを許した。
以前の岐阜であれば、この後崩れ、立て続けに失点し、立て直せないまま敗れることが多かった。「ミスで失点し悪い流れだったが、その後(気持ちが)切れずにプレーを続けたことが大きい」と倉田安治監督が語ったように、ミスを引きずることなく、「1−0なら、後半巻き返せると思っていた」(嶋田正吾)と自信を持って自分たちのプレーを続けた姿に、メンタル面での成長を感じさせた。
43分、ゴール正面でMF西川優大が放ったミドルシュートがポストに当たる。跳ね返りに田中秀人が詰めるも、一度はGK日野優に弾かれるが、そこに嶋田が詰めてゴールに押し込む。「シュートのリアクションには常に行くように意識しているので、いいところにこぼれてきてよかった」と嶋田。ボランチで先発した田中もこの日は積極的に攻撃に参加。再三ゴール前に顔を出し、攻守にわたりチームを助けた。
ホームでの戦いに絶対的な自信を持つ岐阜は、前半のうちに同点に追いついたことで勢いを増す。しかし、51分には押谷祐樹、59分には佐藤洸一が決定的なシュートを放つも、一昨年まで岐阜のゴールを守っていた徳島のGK日野の好セーブに阻まれ、ゴールを割るには至らない。
「徳島がパワープレーを仕掛けてきて、センターバックに負担がかかっていたので、守備を安定させるため川島眞也を入れ、押谷をトップにおいて突破を狙う役割に変えた」という倉田監督の采配が当たり、76分ついに、右サイドの西川からのボールに押谷が右足で合わせ、逆転ゴールを奪う。倉田監督は自身の采配より「プレーヤーの成長が一番うれしい」と逆転勝利を収めた選手の成長を喜んだ。
逆転を許した徳島は、78分FWドゥグラスを、82分佐藤晃大を立て続けに投入し、パワープレーで岐阜のゴール前に迫まるが、岐阜のディフェンス陣が体を張って防ぎ、岐阜がホーム4連勝を飾った。
「サポーターがいい雰囲気を作ってくれるので、とてもやりやすい」(押谷)。ホームでは、5月の柏戦(12節)で敗れて以降、これで8試合負けなし。今日の試合は、ホームでの自信に加え、前節アウェイで引き分けたことで、選手も、そしてチームとしても、一歩前進したことを確かに感じさせてくれる試合だった。
一方敗れた徳島はこれで3連敗。FW津田が再三岐阜のディフェンスラインの裏を狙う動きを見せるも、それを生かすことが出来なかった。高い能力を持っている選手が多いだけに、チームとしてどう戦うか、どう得点を取るのか、チームとしての戦い方を明確にし、立て直しをはかることが急がれる。
岐阜は順位を9位に上げたが、「次のアウェイが大事」と選手は口をそろえる。苦手のアウェイが2試合続く岐阜は、ここでどれだけ勝ち点を積み上げられるかが、真の成長のバロメーターとなる。
徳島は次週天皇杯3回戦で浦和と対戦する。J1チームとの対戦となるが、リーグでの悪い流れを断ち切るためにも、重要な試合になるだろう。
以上
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