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目下、絶好調とも言える北九州だが、「過小評価しすぎると成長は止まるし、過大評価をすれば驕りや油断になる」と三浦泰年監督。ホーム2連戦の2試合目。京都に劇的な勝ち方をしたあとだけに「こういう試合が大事」と引き締めている。
この試合で注目したいのが長野聡とレオナルドだ。長野はFW転向後のゴールはまだないが「FWとしての動きはできてきている。試合ごとにできてきているのが分かる」と自身の成長に手応え。セットプレーやクロスからのヘディングを得意とし27日の練習後も「点を取りたい」とゴールへの強い意識を話してくれたが、前戦を張る長身選手としての役目も織り込み済みだ。「潰れてイケ（池元友樹）やレオ（レオナルド）が取ってくれればいいと思う」。勝利を自分の足で近づけられれば最高だが、周りを引き立てることでも存在感を示しつつある。
その長野からのボールを受けることもあるのがレオナルド。前節・京都戦は途中出場ながらもアディショナルタイムで劇的なゴールを決めた。レオナルドは「試合の途中から出るのは難しいメンタリティだが、いい準備ができていてフィットすることができている」と話す。レオナルドの武器はドリブル。北九州が前半からパス主体のしっかりとした組み立てで相手を揺さぶることができていると、途中から入る強力なドリブラーは試合をひと味もふた味も変えてくれる強力なアクセントになる。「富山に対してはぴりぴり動かさないとすぐに囲まれてしまう」。今節も前を向いて走り続ける。
一方の富山は前節、草津に2-3で敗れている。セットプレーから足助翔が2得点を挙げたが、FC東京、京都を苦しめた守備陣が草津の明確な攻撃を止めることができなかった。しかし安間貴義監督が挑戦を続ける3-3-3-1の成熟度は増してきているようにもみえる。組織された守備、数的優位をすぐに作り出す選手の連動はやはり脅威だ。また、北九州のセンターバック・宮本亨は、福岡でともにプレーした経験がある黒部光昭の個の力にも警戒する。「ヘディングが強いしポストプレーもうまい。それでいてシュートも積極的に打ってくる。やるからには負けたくない」。
今節も富山としては3-3-3-1をぶれずに続け、相手を走らせながら決定機を少しずつ作っていきたい。北九州は上述した長野とレオナルドのゴールへの意識が生むアグレッシブなプレーに注目したい。また今節は雨が予想されているだけに、濡れたピッチで北九州の繋ぐサッカーがどこまでできるかも楽しみなところ。ゴール前にボールが集まる展開もおもしろいが、双方の真価が発揮されたパスサッカーの応酬となる見応えのある試合も期待したい。
以上
2011.05.28 Reported by 上田真之介
