6月5日、韓国・大田市にある大田W杯スタジアムでの国際親善試合「It's Daejeon 国際サッカー大会」に札幌が出場した。昨年末に札幌市と大田市が姉妹都市提携の調印をした縁での参加である。地元のKリーグチーム、大田シチズンとの対戦だ。
この「It's Daejeon 国際サッカー大会」は地元新聞社の主催により数年前から毎年行われており、過去にはJリーグの神戸の他に、アルヘンチノス・ジュニアーズ(アルゼンチン)、バスコ・ダ・ガマ、インテルナシオナル(ともにブラジル)という南米の名門チームも参加している。試合当日の式典前には札幌の矢萩竹美社長がハングル表記で作成された札幌市の観光マップを大田市の関係者に配るなどし、プロサッカーを通じて両市の距離を近づけていた。
札幌は前日にリーグ戦(対大分 ○1−0)を行っていたため、その試合で先発出場しなかった選手らに、U−18所属選手を加えた顔ぶれでの遠征となった。
試合開始前には花火が鳴ったり、日韓両国の国家が演奏されたりと様々な演出で盛り上げられた。そして筆者が驚いたのはスタジアムの熱気だ。主催者発表で3万7千人が詰めかけた大田W杯スタジアムは、大田がチャンスやピンチを迎えるたびに大きく沸いた。記者席に陣取った地元メディアも声を発して試合展開に一喜一憂。サッカー専用スタジアムであるため、そうした声はダイレクトにピッチ上に届いたはず。その雰囲気はもはや親善試合ではなく、真剣勝負そのもの。札幌の若い選手たちには非常に大きな経験となったはずである。
さて、試合のほうであるが、札幌はアウェイながらも立ち上がりからアグレッシブに仕掛けていく。前線の中山雅史をターゲットにして、岡本賢明、横野純貴といった選手がフォロー。中盤の底でブルーノと前寛之(U−18所属)がパスを散らし、右サイドバックの小山内貴哉がタイミングよく何度もオーバーラップを仕掛けていく。22分に生まれた先制点は、攻め上がった小山内がフワリと上げたクロスに横野が頭で合わせ、それがポストに当たった跳ね返りを上原慎也が押し込んだものだ。
大田のほうはベストメンバーと言っていい顔ぶれで、2トップと3トップの中間のような布陣。昨年途中に仙台でプレーしていた長身のパク ソンホが高い位置でスピードを生かして走り回り、この選手とワグネル、ハン ジェウンとの連係で敵陣に迫る戦い方だ。29分にはその連係を生かした崩しでPKを獲得し、パク ソンホが決めて同点に追いついている。
2−1のスコアで折り返した後半は、地元での勝利を目指す大田が積極的に攻め込んでくる展開に。北京五輪代表候補にもなっていたファン フンヒやキム ジュヒョンら攻撃的な選手を投入し、同点だけでなく、逆転を目指して札幌ゴールへと襲い掛かる。特に80分以降は大田が猛攻をしかけ、札幌は自陣ゴール前に釘づけにされる局面も増えていたが、チーム全員が粘り強い守備で応対。アディショナルタイムにはスタンドからの「大田シチズン!」の大コールが響き、札幌ベンチは選手やスタッフが総立ちでピッチ上の選手を励ます。なかにはレフェリーにタイムアップを促す叫びも。もはや親善試合とは思えない、総力戦のムードがそこにはあった。
そしてタイムアップ。札幌がクラブ初の国際親善試合を2−1の勝利で飾った。試合後には再び多数の花火が打ち上げられ、大田の夜は更けていったのであった。
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2011.06.10 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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試合が行われたのは大田W杯競技場。02年の日韓W杯、05年の東アジア選手権で使われたサッカー専用スタジアムだ。普段は大田シチズンのホームスタジアムとなっている。
選手入場時。地元の子供たちと一緒に入場し、整列。報道陣もたくさん詰めかけており、多くのフラッシュがたかれていた。
札幌のクラブマスコット「ドーレくん」も遠征。ハーフタイムには大田シチズンのマスコットとともに、センターサークルでダンスをしてスタジアムを盛り上げた。
日韓両国の国旗とともに、札幌、大田両クラブのフラッグが掲げられた。
昨年途中まで札幌でプレーし、現在はKリーグ・全北現代に在籍しているチョウ・ソンファン選手が応援に駆け付けてくれた。













