6月5日の京都戦で2−1の勝利を収め、4試合目にしてJ2昇格後のホーム初勝利を収めた鳥取だが、同じ日、もう一つの「初」があった。DF森英次郎が後半に交代で出場し、J2デビューを飾ったのだ。
桐蔭学園高−順天堂大を経て2009年に鳥取入り。1年目こそJFL22試合に出場して主力として活躍したが、昨季はケガもあって4試合に激減。今季も激しさを増したポジション争いで後塵を拝し、控えにも入れない苦しい状況が続いていた。
しかし、控え組の練習試合などで徐々にスタッフの評価を高め、京都戦で今季初のベンチ入り。迎えた64分、左サイドバックで先発した奥山泰裕が負傷でプレー続行が不可能となり、そのまま交代で同じポジションに入った。鳥取でのポジションは左サイドバックだが、最近はボランチなどでプレーすることが多く、左サイドバックは久しぶり。出場する際の心境を、「途中から出るとしたら中盤かな、と思っていましたけど、やるしかない、という感じでした」と振り返る。
チームは1−0でリードしており、マッチアップするドゥトラが再三仕掛けてくるドリブル突破に懸命に対応。何度か抜かれる場面はあったが、周囲のフォローもあってしのいだ。その後に1点を加えた鳥取は、反撃を終了間際の1点に抑えて逃げ切り。初勝利に沸く、とりぎんバードスタジアムのピッチで、森もチームメイトとともに勝利の喜びをかみ締めた。
昨年までは鳥取でのプレーと並行して、アルバイトもしていた苦労人。そうとは知らずに働いている店を訪れた岡野雅行が驚いた、というエピソードもあるが、今季からはプレーに専念している。流れを変えるための交代は少ないポジションながらも、アクシデントによってチャンスがめぐってきたのは、定位置争いで少しでも上を目指し、努力を重ねる姿勢が実った結果。松田岳夫監督も「最近やっていないポジションで、しかも急な出番という状況だったけど、よく頑張ってくれた」と評価した。
「ドゥトラに何回かやられたのは反省材料ですけど、第一歩になったかな、という感じ。チームが勝てたので、本当によかったです」
岡野や服部年宏、小針清允、喜多靖など、経験豊富なベテランが多い一方で、Jリーグ経験の少ない中堅どころが多い鳥取。そのうちの一人である森のデビューは、ほかのレギュラー以外の選手に勇気を与え、チームの活性化をもたらすものになるだろう。
以上
★【J2日記】のバックナンバーはこちら
2011.06.10 Reported by 石倉利英













