スカパー!生中継 Ch363 後07:00〜
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「『疲れた』なんて言っていられない。工藤(壮人)、林(陵平)、ホジェル……良いFWが控えている。マリノス戦でゴールを決めたからといって次の試合に出られる保証もない」
そう語る北嶋秀朗の表情には真剣さが増したような気がした。前節、横浜FMに完勝し、あらゆるメディアから「柏は本当に強い」と捲し立てられても、北嶋はそれどころではないと言わんばかりに「ポジション争いが激しい」と言い、そして「まだまだ課題は多い。もっと完成度を高めないといけない」と貪欲な姿勢を示す。
まず、柏にとって気になるのは近藤直也の怪我の具合だが、13日のトレーニングでは近藤は全体練習に参加しており、磐田戦メンバー入りの可能性は高い。仮に近藤が欠場する場合でも、横浜FM戦で見事に代役を務めた橋本和で目途は立っている。U-22日本代表の遠征のためチームを離れた酒井宏樹の穴も、村上佑介が「チャンスなので必死です。モチベーションは高い」と意欲的だ。
対する磐田には、現在の順位が示すとおり戦い方に安定感がある。第11節の仙台戦こそ複数失点を喫したものの、その他の試合は1失点以下に抑え、前節の名古屋戦も敗れたとはいえ守備そのものが破綻していないことは、「守備に関しては前後半共に非常に落ち着きを持ってプレーできた」という柳下正明監督の言葉にも表れている。その一方で、名古屋戦における攻撃面は若干淡白な部分も見られた。ただ2年連続Jリーグ得点王の前田遼一に加え、柏の選手の多くが「警戒すべき選手」には“新10番”山田大記と日本有数のサイドバック・駒野友一の名を挙げており、左右から繰り出すサイドアタックはJリーグでも高水準の破壊力を有すると見てよい。柏にすればダブルボランチ、大谷秀和、栗澤僚一がサイドをサポートしつつ、最終ラインと連動した守備で磐田の攻撃に網を張りたいところだ。
ただ、磐田はU-22日本代表で山崎亮平、山本康裕という主力2選手を欠く。ジウシーニョ、荒田智之、菅沼実らが控えているため、顔ぶれを見た限りでは戦力的には事欠かないと思われるが、ここでひとつの見どころとして考えられる点は、柏が酒井、磐田が山本を欠き、双方とも右サイドがこれまでとは異なる組み合わせになるということにある。したがって、右サイドで付け入る隙を作らせないか、逆に右サイドに綻びが発生した場合は対峙するそれぞれの左サイド、柏なら大津祐樹、ジョルジ ワグネル、磐田は山田、パク チュホが、相手の右サイドを突いていけるか、柏、磐田ともに共通したポイントになりえる。
そして、柏がリーグ戦とカップ戦で喫した2つの敗戦は、相手が自陣に守備ブロックを作り、守備に重きを置いて終盤まで失点せずに耐え凌ぎ、カウンターを仕掛ける、あるいはセットプレーで一瞬の隙を突いたものだった。それを踏まえても、当然磐田はスカウティングによって柏に勝つ最善の策を見定めているだろう。前述したように磐田は安定した守備力を持ち、なおかつ場所は柏のホームとなれば、リアクション色の強いサッカーで日立台に乗り込んでくることは想像に容易い。横浜FM戦では、鮮やかな攻撃で相手の守備をこじ開けたが、ブロック攻略に苦戦すれば第9節の山形戦、ヤマザキナビスコカップの仙台戦と同じ結果になりかねない。
両者の勝点差は9。上位戦線に踏みとどまるためにも、磐田は勝点3を挙げて連敗は避けたいはず。ただ柏は目下4試合連続完封中、リーグ戦ではホーム全勝である。しかも先制点を奪った試合は6戦全勝。サックスブルーの軍団はこの圧倒的数字を残す日立台の陥落を目論むが、これを退け、太陽王はさらなる高みへ駆け昇ることができるか。
以上
2011.06.14 Reported by 鈴木潤













