「本当はメンバーが固定できてシーズンを戦えるチームが強いんでしょうが、ここでは残念ながら、それはできない。やりくりしながら今いるメンバーでベストを尽くして勝つことを考える。これまで(試合に)出ていない選手にとってはチャンスだし」
就任当初からポジティブな発言しか口にしたことのない田坂和昭監督だが、リーグ終盤戦に入り故障者が相次ぎ、頭を悩ませている。無理もない、内田昴輔、阪田章裕に加え井上裕大が右足関節骨折で長期離脱。内転筋を痛めている西弘則ら5人も中軽症のケガを負い、選手選考の選択の余地が限られているのだから。
そのなかで明るい話題といえば、小手川宏基に出場のメドがついたことだろう。前節の愛媛戦ではピッチに立つことはなかったが、1年8カ月ぶりに公式戦の場に姿を現した。昨日の練習試合では先発出場し、約80分プレーした。「手応え…わかんない。あくまでも練習試合なんで」と口数は少なかったが、静かに闘志を燃やしている。
昨年4月25日の北九州戦で左足首を骨折。当初の診断は全治6カ月であったが、長引いた。ユースの頃からともにプレーした井上裕大や清武弘嗣(C大阪)が活躍する姿を見て、焦りや不安で心が揺れ動いた。なかなか完治しない症状に苛立ったこともあった。「そんな気持ちは何度もあって覚えていない」と吐き捨てるように言い放った言葉が、長く厳しかったリバビリ生活を物語っている。
「サッカー選手にとってサッカーができないのが一番辛い。だか、それを経験し、乗り越えた選手はひと回り大きくなって帰ってくる」と語る田坂監督。昨季まで出場機会に恵まれなかった前田俊介や、積極的なコンバートで土岐田洸などを再生させた指揮官が、もがき苦しんだ小手川にどんな舞台を用意し、復活劇を演出してくれるのか楽しみだ。
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2011.11.01 Reported by 柚野真也













