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【J1:第34節 大宮 vs 甲府】レポート:『大量得点縛り』で難しい戦いを強いられた甲府。『大宮の魂』がラストダンスを勝利で飾る。(11.12.04)

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12月3日(土) 2011 J1リーグ戦 第34節
大宮 3 - 1 甲府 (15:33/NACK/10,628人)
得点者:13' 石原直樹(大宮)、25' 井澤惇(甲府)、29' 東慶悟(大宮)、47' 東慶悟(大宮)
スカパー!再放送 Ch308 12/4(日)後06:00〜
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リーグ戦は後の試合になればなるほど、イーブンな条件で戦うことが難しくなる。優勝争いや残留争いといった状況に加え、積み上げた勝点、得失点差といった数字が、その試合においての純粋な勝ち負け以上の意味を持ってくるからだ。ともにどうしても負けられない理由があった。大宮は今季ホームで1勝しかできていなかったし、J1昇格以来のチームの功労者であり今季限りでチームを去る藤本主税を、勝って送り出したかった。甲府は、浦和が負け(できれば大敗し)、なおかつ自分たちが大量得点して勝ち、14点の得失点差を引っくり返さなければ残留できない。勝ちたい切迫感はより甲府にあったが、条件が厳しすぎたことが、この試合の勝敗に大きく影響した。

大宮は戦前から、「甲府は前からガンガン来るはず」(橋本早十)、「ハーフナー マイクのターゲットプレーから、セカンドを拾っての攻めに警戒」(鈴木淳監督)と、甲府が初っ端からパワープレー気味に攻めてくるとイメージしていた。ところがフタを空けてみると、少なくとも前半はハーフナーめがけてのロングボールなどほとんどなかった。いつもはボランチを務める山本英臣をCBに回し、ボランチには保坂を起用して、「ボールを保有してイニシアティブを取って」(佐久間悟監督)ゲームを進めようとした。大量得点という目的を追う以上、半ば偶然頼みのロングボールで1点や2点奪っても仕方がなく、主導権を握って『守備練習対攻撃練習』のような試合にする必要があったわけだ。

それが裏目に出たとは言わないが、ポゼッションしてゲームを進めるにしても、14点のプレッシャーは大きかった。2列目から前はマイボールになると前線に張り付いてしまい、ボールの出しどころがなく、戸惑ったように低い位置でボールを回す場面が目立った。とにかく早く点をとらなければという焦りが無理なプレーにつながり、無理がミスを生んで、13分に低い位置でボールを奪われ、電光石火のカウンターで石原直樹に先制ゴールを決められる。25分に縦パスをハーフナーが落とし、井澤が技ありのループで一時は追いつくが、その4分後、早いリスタートからのカウンターで、長い距離をオーバーラップした杉山 新が絶妙なクロスを東 慶悟の頭に合わせ、再び大宮が勝ち越した。

甲府は後半から冨田大介をCBに入れ、山本をボランチに上げて守備の安定を図るが、47分にまたしても自陣ペナルティエリアから無理につなごうとし、ダニエルが石原直樹にボールを奪われ、村上和弘、渡邉大剛とつないで最後は東がこの日2点目のゴールを決めて突き離す。さすがにこの時点で、甲府も主導権を握っての大量得点は諦めたように見えた。それでもせめてこの試合での勝利を目指し、ハーフナーめがけてのロングボールに着手。双方すさまじいカウンターの応酬となり、甲府はハーフナーとパウリーニョの計27得点コンビ、大宮も途中出場した藤本主税にボールを集める。60分辺りから、「誰より君に恋してる/どんな奴らより君を愛してる/何も恐れず戦え/俺たちがついている」と、甲府サポーターは声量を落とさず必死で歌い続けたが、ゴールを揺らすことができないまま、甲府の2度目のJ1挑戦は1年で幕を閉じた。

大宮担当記者ながら、イーブンな条件で戦わせたかったというのが正直なところ。甲府がもしどこかで勝点1でも積めていれば、甲府は純粋にこの試合で勝つことだけに集中できるため、また違う戦い方を選択しただろうし、違う結果になったかもしれない。藤本と冨田(大宮→甲府)、杉山(甲府→大宮)と石原克哉という、親友同士が違うユニフォームを着て戦った試合であり、試合後に彼らがユニフォームを交換している姿にグッときただけに、その思いはなおさら強い。

ともあれ大宮は、勝点42の13位でシーズンを終えた。J1が18チームになった2005年以来、ホームでたった2勝で残留というのは記録にない(2009年の千葉、柏。2010年のF東京、湘南といずれも降格している)。例年通りの『下(残留争い)でハラハラドキドキ』に、今年はホームで勝てないストレスまで加わったが、最終節をホームで勝って終われたことで、セレモニーでは誰もが笑顔だった。塚本泰史、杉山新、藤本主税のチームを去る3人も、涙と笑顔でサポーターに別れを告げた。

精神的支柱としてチームを引っ張ってきた『大宮の魂』は、「大宮の11番はオレにしか似合わへんけど、誰かに託します。毎年のようにこの場で『上の順位でハラハラドキドキさせる』と言ってきたけど、それはみんなに託します」と、声を震わせた。去っていった者たちが、そこでプレーしていたことを誇りに思えるようなチームになることだけが、彼らの思いに応える唯一の方法に違いない。
J1昇格から7年、大宮にとって確実に一つの時代が終わった。雨上がりの夜空に、背番号11へのコールがいつまでも響いていた。

以上

2011.12.04 Reported by 芥川和久
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