今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2日記】北九州:引退の重光貴葵選手にインタビュー。最後の健康話は「その枠、譲ります」(11.12.05)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

写真=2010/06/06vs甲府戦より

2度のJ2昇格を味わった男が現役を引退する。「初めてサッカーをした北九州でユニフォームを脱ぐことができる」。重光貴葵、28歳。北九州市小倉南区出身。紳士でひたむきな姿勢は誰からも慕われ、シゲ、シゲさんと誰もが声を掛けていた。
北九州のシーズン報告会が行われた12月4日、花束を抱えたまま質問に応じてくれた。再びピッチに帰ってきてほしいという思いを胸にしながら、その1問1答を書いていきたい。

ただ、話題ホルダーの重光貴葵選手なので、途中からおかしな方向に行ってしまうことを、まずご容赦ください。


◇家族の温かい言葉

Q:おつかれさまでした。いまどんな心境ですか。
「北九州に戻ってきてチームとともに成長することができました。初めてサッカーをした北九州でユニフォームを脱ぐことができるのは、うれしいことだと思っています」

Q:28歳での引退。家族にはどう伝えましたか。
「自分がしっかり定まっていればついていくと言ってくれました。それで決断できた。一番身近で支えてくれたのが家族。妻であり子ども。『よくやったんじゃない』と言う言葉をもらって、迷いはなくなりました」


◇2度のJ2昇格を経験
※重光選手は2008年に岡山のJ2昇格を支え、2009年には北九州の昇格にも貢献した。

Q:JFLからJ2へ、岡山と北九州で2度の昇格を経験することになりました。
「地域リーグからJFLへの昇格もあるし、2度もJ昇格が経験できたのも誰もができることではない。プロとしての厳しさ、本質も教えられました。岡山では昇格が決まった翌日に出ることになり、次がないという底辺も経験しました。激動のサッカー人生だったと思います。これを『いい経験』で終わらせてはいけない。それをいかして、これからの人たちに伝えていきたいですね」

Q:引退後、どういうことをしていきたいですか。
「サッカーが好きなので、セカンドキャリアもサッカーに携わっていきたい。経験してきたことを次の世代に伝えていきたいです」

Q:重光選手のようなプロ選手を、また北九州市から輩出したいですね。
「いや、自分のようなプレーヤーは育てたくないですよ(笑) 自分に何が足りなかったかが分かるので、自分とは違うプレーヤーを育てたいですね」

Q:育てた選手が本城のピッチに立つかもしれない。
「本城でサッカー。僕らの子どものころには考えられなかったことですよね。あの頃はJSLが年に1試合あるくらい。JSLって何っていう感じで縁遠かった。それが毎週末にサッカーが行われるようになって、非日常が日常になった。今の子どもたちはそういう意味では恵まれていると思います。それを目指せる人を育てたいですね」


◇「枠」を譲ります

Q:さて、ここで話は変わって引退というしんみりした話から・・・
「しんみりしてましたか? この話(笑)」

Q:ええ(笑) あの、重光選手といえば、健康。野菜ジュースを作ったり、梅干しのクエン酸だったり、健康志向の話題をたくさん提供してくれました。

「いやぁ、もうその枠は譲ります。健康志向の人、誰かいるかなぁ(笑) まぁ、新しい選手に譲ります」

Q:(笑) 少しゆっくりして、次の目標に向かっていってくださいね。
「ゆっくりというか、あまりゆっくりはできないかもしれませんが、不安もないわけではないけれど、これからはやりたいことへの準備期間としてがんばりたいと思います」

Q:ありがとうございました。おつかれさまでした。


次の道へと歩み出す重光貴葵選手。これからは「重光選手」ではなく「重光さん」と呼ぶことになるのだろう。一抹の寂しさ、いや、一抹以上の寂しさを覚えるが、北九州市が育てた郷土の誇りとして、ニューウェーブとギラヴァンツのユニフォームを着て本城のピッチに立っていた日をしっかりと胸に焼き付けておきたい。
ありがとう、重光選手。

以上

【J2日記】のバックナンバーはこちら

2011.12.05 Reported by 上田真之介
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/15(月) 00:00 ハイライト:FC大阪vs宮崎【J2昇格プレーオフ 決勝】