●ジョルジーニョ監督(鹿島):
Q:今日は攻撃でも守備でも、選手が自信を持ってプレーしているように見えたのですが、もしそうだとすればどの辺に要因があると思いますか?
「ひとつは当然ながら監督が代われば、そして、僕の場合は日本を長く離れていたので、日本人選手に対して持っていたイメージと日々接することでだんだんその選手がこういう時に使えるとか、戦える状態になってきているのかとか、まだもう少し時間が必要なのかとか、それとも今はベンチ外にして準備させた方がいいとか、いろんな見極めに時間が必要でした。また、なおかつ、彼らも僕がどういうことを求めているのか理解するのには時間を要すると考えていました。ここまでで敗戦がありましたけど、内容的にはすべてが悪いと考えてはいませんでしたし、選手たちもそういう風なことで捉えていたと思います。徐々に、こういう状況ではこういうプレーや判断をして欲しいということが浸透し、完璧な判断ではないですけど、僕はより良い判断を求めていて、選手たちも少しずつそれを理解できるようになってきたのではないかと思います。
当然ながら、少しずつともにプレーすることで、やるべきことや機能的なところがお互いにわかるようになってきたので、自然とそういった自信が深まっていると思います。また、勝つことによってその自信も高まり、チームとしての機能的な部分についても良い方向に働いていると思います。
ただ、今日のスコアだけで、5-0だからといって完璧な試合をしていたのかといえばそうではなくて、まだ課題となる部分がいくつかあります。とはいえ、カウンターを仕掛ける時にチームとしてスピードを上げて、正確なパス交換のなかで相手ゴール前までたどり着く、あるいは相手の守備が整っているところで慌てずにボールをまわしながらスキを探し出すということが、いい形で出来ていたので、サッカーを楽しむ者としては見応えや見る楽しみが多くの部分であったのではないかと思っています」
Q:大迫選手が2ゴールに絡んだと思いますが、大迫選手への評価をお願いします。
「今日のような試合のなかで大迫選手だけを評価するのはちょっと難しい部分があると思います。他の選手の頑張りで得点が生まれたことを考えなくてはいけないと思います。ただ、今日の試合だけでなく他の試合でも、彼はうちにとって必要不可欠な選手であるし、これまでの試合ではなかなか点が入らずストレスがたまっていた部分があったので、ぜひとも点を取って欲しいという気持ちでおりました。点を決めることで肩の荷が下りるので、FWにとっては点を取るのが一番いいクスリなので、それができたことは非常に良かったと思います。連敗したり、引き分けたりしたなかでもFW陣は得点するチャンスが何度かありました。その時は入りませんでしたが、ここ最近はしっかり決めるようになっているので良かったと思います。彼はポストプレーだったり、攻撃の部分で皆さんの目に多く付くかもしれませんけれど、もうひとつは守備の部分で相手の選手からボールを奪取することです。あれだけの良い守備意識や犠牲心を持って取り組めるFWというのはなかなかいないわけであって、それはアントラーズというチームにとってもプラスです。今後は、日本サッカー界にとっても大きな大きな貢献をするようになるのではないかと、僕は考えています」
Q:今日の試合での、守備の勝利への貢献度、チーム全体の守備について、お願いします。
「全体的には非常に守備の役割や機能は良かったのではないかと思います。ただ、強いていえば前半でちょっと戸惑いがいろいろとあった部分がありました。ひとつはガンバさんが、9番のラフィーニャ選手と20番の佐藤選手をセンターバックのところに押しつけて、そこでボールスピードを上げてサイドに散らしてきました。特に左のサイドに入ったところで、うちのサイドバックが出るタイミングに戸惑ってしまって、そうすると中盤の3枚がスライドをすばやくしていかなければきつくなるところがありました。それを90分続けると、苦しくなってくるので、多少のリスクを背負ってでも、特にガンバの4番の藤春選手はスピードを持っている選手ですので、彼がフリーでボールを持って攻撃参加すると苦しい状況や展開になってしまうので、そこのスライドと、誰が高い位置でひとつ前のところで掴むのか、というところが重要でした。あとはガンバの遠藤選手も頭を使って、中盤の底というよりはボランチからひとつ前に押し上げて、スペースを作って17番の明神選手がボールを散らしてという形を狙っていました。そこでドゥトラ選手に、もう少し7番の遠藤選手を柴崎選手か小笠原選手に任せて、17番の明神選手を掴むように、と指示しました。そこを掴めば展開することを限定することができる。それが後半、うまくはまったのではないかと思います。ですので、チームとしては前半に戸惑った部分はあったのですが、ハーフタイムでうまく修正できたのではないかと思います」
Q:5-0で勝ったが完璧な試合ではないという言葉があったのですが、今抱えている課題はなんでしょうか?
「詳細な部分は内部で解決する問題であって、外部に話をする必要はないと思います。ただ、一部は先ほども話したとおり、中盤とDFラインのスライドのところだと思います。アプローチのタイミングと、スライドをどういう風にするのかということです。ただ、完璧なチームというのは世の中には存在しません。皆さんもご存知のようにバルセロナがふたつの大きな重要な戦いで敗退してしまったことを見れば、あれだけの高い質と能力を揃えているチームであっても完璧はありません。サッカーはつねに、その繰り返しであるし、まさに今回連勝して大差で勝ったからといって、なにかが変わる必要性があるのかといえば、まったくありません。逆に地に足をつけて謙虚さを忘れず、お互いを尊重しあって取り組み続ける。要するに、今までやってきたことをまた継続しなければなりません。初心を忘れてはいけないということが、まず僕らがやらなければいけないことで、それをやり続けることを全員で心がけたいと思います」
Q:今日の試合、5点を取ったということもそうですが、ドゥトラ選手を初めて先発で使うということも試して勝利という結果も出ましたし、中田選手もベンチに戻ってきました。歯車も噛み合ってきたと思いますが、追撃態勢は整ったと思っていいでしょうか?
「いろんな歯車が噛み合うようにはなってきました。ただ、なにかを成し遂げたわけではありません。数字としては1分4敗しているわけです。やっと3連勝したというだけであって、今節で順位をどれだけあげたのかはわかりません。ただ、34節でいちばん上に立つ、という目標は連敗してるときでも僕は言い続けたわけですし、そこを目指して戦い続けるだけです。いま、チームとして山村選手と岩政選手が非常にすばらしいパフォーマンスを見せていて、中田選手も復帰してきましたし、昌子選手もいます。彼は必要な時にチームを手助けしてくれた選手でもあります。チームとしては、いろんな歯車や選手が復帰してくることは喜ばしいことです。僕はうちのメディカルスタッフ、トレーナーを含めて全体に感謝の言葉を述べたいと思います。彼らのおかげでうちはいま、怪我人ゼロという状況です。当然ながらフィジカル部門もあります。要は、僕はつねにいろんな部署が融合して、ひとつの目標に取り組んでいくことを要求しています。それぞれの部署でそれぞれに取り組んで、その成果がひとつひとつの形や積み重ね、勝利に繋がっていると思いますし、それがうまくできていると思います。まだ、下の順位にいるというのは間違いないことだと思いますし、トップに立つとかなにかができるという錯覚を起こす状況でもないと思います。いまはひとつひとつ、謙虚さを忘れず、地に足をつけて、進むべき道や取り組むべき課題をしっかりやるべき時期だと思います」
以上













