●奥野僚右監督(山形):
「今日のゲームというのは、相手チームがいいチームだということで楽しみにしてました。そのなかで、自分たちは前半から主導権を握ろうとプレーをしていたわけですけれども、自分たちがやろうとしていることはかなりできたんじゃないかなと思っています。前半で得点を奪いたかったんですが、得点の機会、チャンスというものも数多くつくれましたし、後半に入ってからもその手を緩めることなくチャンスをつくっていって、58分に小林君の得点。小林君はそろそろ得点をするんじゃないかという感じもしてました。そういったところで今日はいつもと違った人がゴールを挙げてよろこびをサポーターのみなさんと分かち合えた。そんなに気負いはなかったわけですけれども、この21節というものは「県民応援デー」ということで、県民の皆様とともに歩むモンテディオ山形というものを、本当に注目されるなかで『こういうチームなんだよ』と伝えたい部分を表現できたんじゃないかなと思います。そして1点先取してからというものは、やはり全員の意思統一がなされていた部分がとてもよかったと思います。そして、形で言うところの、自分たちがブロックをつくったなかで奪って、相手の隙を突くという戦い方、それも全員が意思統一をしたうえで、最後の終了のホイッスルがなるまで粘り強くピッチで表現できたんじゃないかなと思っております。この勝利をきっかけに、また一段、自分たちのステップが上がったと認識しています。これからも一つずつ、目の前の試合に向かって取り組んでいきたいと思っております」
Q:監督のなかでは最終順位以外は気になさらないと思いますが、リーグ戦の折り返しで首位に立てたということについては、どう思いますか?
「あ、そうなんですか。あまり何も……。他会場の結果というものをあまり気にしてないもので、今初めて耳にしましたけれども、これも選手たちがやってきたものがひとつの形として、一巡が終わったところで一番勝点を多く奪っていると。そういうところ、選手たちを誇りに思いますね。ですから、これから折り返していくわけで2巡目の戦いが始まるわけですが、1回戦った相手ともう1回戦うということで、とても楽しみな試合が数多くあると思います。そういう数多くある試合のなかでも、自分たちのいろんな部分をもっと表現できて、また最終42節が終わったときに笑顔でよろこべるように、これからもひとつずつ取り組んでいきたいと思います。ちょっと驚きましたね。ありがとうございます」
Q:今日は前半から相手のブロックを崩すためにポゼッションをして攻撃したと思いますが、そこで意識したことはありますか?
「結局は、自分たちのチームが当初スローガンに掲げてましたように、連動・連携・連結と。結局、どう連動して、どういうふうに攻撃も守備も連動・連結させていくかということだと思うんですね。結局、攻撃と守備というのは表裏一体の部分がありまして、攻撃しながらも守備の準備も怠らずに相手の攻撃の芽を摘むという作業が、また次への攻撃に動き、その守備への意識で、たとえばプレスバック、戻って挟み込む作業をしたときに、次の攻撃の第一歩だという形で、スペースを自分たちでつくり出す。守備をしながらも、じつは奪った瞬間には攻撃の第一歩が先に踏み出せてるんだよというところの動き出しと、ポジションチェンジも含めての出入りですね。そういった連携は非常によかったと思いますね。ただひとつ、多少攻め急ぐ部分があったもので、その攻め急ぐ部分を、行く部分とコントロールする部分、ていねいにする部分と行ってしまう部分、そこを選手たちが感じながら、ここは行く部分だというところでは選手たちは行ってくれましたし、ここはみんなで一息つこう、そういう部分の意思統一がだいぶできてきたんじゃないかなというふうに前半から感じていました」
Q:今日は小林前監督との対戦でしたが、何か特別な思いなどはありましたか?
「僕の場合は、監督として対戦するのはもちろん初めてですし、(鹿島の)コーチのときに対戦させていただいたわけですけれども、選手たちは直々に指導を受け、ともに戦ってきたというところがありますから、特別な思いを持っていた選手もいると思います。でもそれ以上に、いま自分たちのある姿というものを、チームとして表現しようという部分を非常にモンテディオの選手たちに感じました。ですから、前監督がされてきたということの継続にいまのモンテディオ山形というチームがあるわけですから、そういう部分では本当に非常に感謝をしておりますし、選手が成長する姿を自分たちで表現できたのではないかなと認識しております。難しい質問ですね(笑)。ありがとうございます」
Q:今日は「県民応援デー」でしたが、改めてピッチレベルで応援の印象と、そのサポーターにどんなサッカーを見せていきたいかという意気込みの部分をお願いします。
「本当に今日は多くの方に観に来ていただいて、いろんな形で注目していただいて、またメディアの方にも盛り上げていただきましたし、とってもやり甲斐のある舞台というものを周りの方たちにつくっていただいたなと、本当に感謝の気持ちがあります。それと同時に、これから自分たちが見せていく姿というのは、『サッカーというのはこんなに奥深くておもしろいんだ』と。勝つこともあれば、相手が勝つこともあります。そういったなかでも、自分たちが観に来たら、『あ、こういうサッカーの一面も観れるんだ』『こういう楽しさもあるんだ』というもの、奥深さというものを表現できるように、また明日からというものに取り組んでいきたいなと思っております。そして、『俺、ちょっとサッカーにハマっちゃったな』みたいな方をもっと多く、もっとそういったファミリーを増やしていければ最高です」
Q:山崎選手の代わりにフォワードを任された秋葉選手ですが、今日はどういう動きを期待していましたか?
「これ(公式記録)を見る限りでは、センターフォワードみたいな感じですね。あまりメンバー表に関しては僕は確認してないんですけれども、彼には特に、経験もあって、試合を見る戦術眼にも長けている選手ですから、本当に任せるところは多かったですね。いままでも、いろんなポジションを経験してます。当然、ボランチのところをやったこともあるし、サイドハーフも経験あるし、アンカーもありますし、トップ下の部分も経験がある。その経験をこのグループのなかで活かしてもらえればなという発想で、そういった前めのポジション。でも、守備のときにはグループで守ろうという役割がありますから、そこの献身的な動きを非常によくしてくれました。ですから、何の心配もせず送り出したしだいです」
Q:いまの秋葉選手の話ですから、かなり状況によってはいろんなポジションをこなしていますが、そのあたりは、選手たちの判断だったのか、監督から何らかの指示があったのか。
「非常にいい、難しい質問されますね(笑)。僕はどちらかというと、あまりこれまで具体的なところを選手たちには話していません。そのなかで、表現として言うなら、『宮阪君の前にいてくれ』と。そういう表現ですね。だから例えば、ホワイトボードでマグネットを動かすときにしても、そんなに前に置くわけでもなく、後ろにベタッと置くわけでもなく、適当な場所に置いて表現してるわけですけれども、そういったものを本当に柔軟に、彼だけでなく周りの選手も含めてグループが、本当に理解してくれている。それは、今回たまたまそういうケースですけれども、彼らの持っているポテンシャルと柔軟性と発想、アイディアの豊かさ、そういった部分でバランスが取れているんじゃないか。そういう部分をもっともっと引き出してあげれれば、いい部分が表現できるんじゃないかなと思います」
以上













