●手倉森誠監督(仙台):
「まず、試合の感想より先に、久しぶりにサポーターの勝利の歌が聞けたことに感動したし、ホッとしています。
ゲームに関しては、今日は『仙台の強さを示そう』という話をしました。リーグ戦がここからだという気持ちを強めて、コレクティブにプレーすること、今シーズンにやってきた攻撃的な守備と主導権を握って仕掛けるというところをやり続けることでした。
序盤は、グラウンドの硬さに少しパススピードが速くなって、ファーストタッチが浮いたりしてなかなかリズムを作れなかった。それで1点を失った後、あれは長谷川選手の絶妙なタイミングで打たれたシュートで脱帽だったと思います。その後で、相手のサイドでの中列を起点とすることを徹底したことで1点を取れたことで、今週に練習したことに対しての自信というところも芽生えたし、後半はいけるな、と。そして逆転勝ちできました。
『今日勝てれば、追撃態勢が整う』という話もしていたとおり、いよいよ久しぶりの勝点3を味わって、『ここからは仙台の強さを…今日も示せたかもしれないけれど、次からも示し続けなければならない』という話を選手たちとしてきました。浮かれずに、気を引き締めて、また次に準備していきたいと思います」
Q:「中列を起点とすることを徹底した」ということですが、もう少し詳しく教えてください。
「カルリーニョス選手が、本来はボランチですがああやってサイドに置いているということと、渡邉大剛選手の守備のくせというところはテクニカルスタッフのスカウティングで分析して、トレーニングにそれを生かしました。彼らの背後で、彼らの背中をいかに取れるか、取れれば最終ユニットをまた破れる、と。そうなったときにいかに最終ラインと競争できるかというところの話もトレーニングの中でしています。あとはそこをしっかり起点にした後にサイドに広げることで、サイドバックが今度は引き出せます。そうなればセンターバックとサイドバックの間をフリーランニングできれば、もっと深い位置を取れるという話も準備してきたとおりだったので、それができたということです」
Q:手倉森監督は2004年に今日対戦したベルデニック監督のもとでコーチでしたが、今日に対戦した大宮には「ベルデニック監督らしさ」はあったでしょうか? また、試合後に握手されていたときに、どのような言葉をかけていましたか?
「まずベルデニックさんは、早く前に(ボールを)預けたいと、よく『Look Top』という言葉を使って指導している。早めに入れてくるそのタイミングを見逃すな、という準備はしていました。案の定、長谷川選手のゴールは早くそこに入れてきて生まれたゴールだったと思うし、ビルディングアップからのボールは、横パスからのワンタッチで入れたいというのがベルデニックさんのサッカーで、そうなったときには背後のコースをまず切るように、というところが、うちは徹底できたと思います。
試合前に『こうやって対戦できることをうれしく思う』と自分も話をしたし、ベルデニック監督もそう言ってくれました。一応、『結婚して子供が2人生まれた』という話もさせてもらって(笑)…『おお』って、驚いてました。あとひとつは、去年の3月11日の震災があったときに、いち早く個人で義援金を送ってくれたのがベルデニックさんだったのが今日わかったので、すごくありがたい話だと思いました。
今日は本当に、選手も、関口、中原、梁らが成長を示せたというところでは、良かったと思います」
Q:首位の広島が負けて、浦和が勝って、上位が勝点2差に詰まりました。この状態を受けて、今後どう戦っていきますか?
「そういうシチュエーションを願っていました。自分としては願えば叶うものだなというふうに、終わってから感じているし。でも、本当に混戦だと思います。自分たちのサッカーをやり続けられるか、そういった上位対決のプレッシャーに負けずにスタイルを貫き通すチームが、最後の最後に抜け出すと思っています。9月中旬には直接対決があるし、そこまでは広島の1つ下でもいいなと思っています。捉えるのは、そこでいいと思っています」
以上
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