前節、東京Vから今季初勝利を挙げた愛媛は、その試合で決勝点を叩き出した河原和寿をワントップに据えてスタート。今季初の連勝を目指した。対する岐阜は山形、湘南戦の連敗を止めるべくニンジニアスタジアムに乗り込んできた。どちらのチームも昨季から大きくメンバーが変わっており、勝つことが自信を深める最大の薬。そのためにも勝点3が欲しかった一戦だった。
しかし、キックオフの笛が鳴ると、どちらかと言えば両者ともに目立ったのが守備面での集中力の高さ。その点で良く言えば、愛媛も岐阜もボールホルダーに対するアプローチは強く、最後まで組織でしっかりと守り抜いた。その一方で物足りなかったのはフィニッシュでの迫力やアイデア、そして勝負を決めるプレーの正確さ。何度もゴールに迫った前節のホーム東京V戦に比べると、得点が動かなかったことを差し引いてもゴールへ向かう形という点では両者ともに物足りなさが残った。
その中でも、これまでよりつないでゴールを目指すことを意識した岐阜は2列目の高地系治や太田圭輔が絡み、難波宏明がサイドに流れてナザリトへクロスを送り込むなど少しずつ狙いを出していった。しかし、90分を通じて愛媛のゴールを脅かす回数は限られたものになった。一方の愛媛も本来であれば最終ラインからパスをつないでゴールを目指したかったが、この試合ではロングボールやカウンターが主体。林堂眞は「長いボールを使うということはノーリスクでいくために必要だが、それとビルドアップすることを使い分ける、それをもっとやらないと」と反省したが、この試合ではリスクを避けるプレーが目立ち、普段のパスをつなぐスタイルは影を潜めた。「前と後ろの考えがチグハグだった」と石丸清隆監督も指摘をしたが、長いボールを入れても高さのない前線では競り勝つことができず、展開力のあるボランチ原川力がボールをさばく場面も限られてしまった。
こうして互いに攻撃では窮屈な感じが抜け切れなかったが、チャンスはあった。岐阜なら後半開始数分のプレーだ。まず、最初はコーナーキック。三都主アレサンドロの正確なボールがナザリトの頭にピタリと合った。これは愛媛のGK児玉剛がかろうじてかき出すと、直後には難波のクロスに再びナザリト。このヘディングは林堂が懸命のクリア。愛媛は難を逃れると、試合終盤にチャンスを迎えた。まず、後半27分には堀米勇輝のスルーパスに表原玄太が抜け出しラストパス。途中出場、渡辺亮太のシュートがGK川口能活に阻まれると、直後の波状攻撃から原川が放ったシュートも川口の好セーブにゴールを割ることができず。さらに終了間際には再び両チームにチャンスが訪れたが、最後まで得点が生まれることはなかった。
その結果として愛媛も岐阜も勝点1を積み重ね、無失点で試合を終えたことに関して収穫がなかったわけではない。しかし、両チームの選手が口を揃えたように、今後は負けを引き分けに、引き分けの試合を勝ちにできるかどうかが上位進出への鍵。その点で、これからはこの試合のような展開でも勝点3を積み重ねるたくましさを身につけなければ、上のステージを目指すことはできないだろう。
以上
2014.03.31 Reported by 近藤義博
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