4月26日に始まったゴールデンウィーク期間中の連戦の4戦目。首位湘南を除くと混戦になっていたJ2の中で、連戦を上位進出のジャンプ台にしたかった横浜FCと京都にとって、それぞれ1勝2敗(勝点3)、京都は1勝1分1敗(勝点4)と、本当の意味での「ゴールデン」ウイークになっているわけではない。この間の対戦相手で、両チームに共通しているのは、首位の湘南に完敗した直後に讃岐に勝点3を挙げていること。両チームとも湘南の強さは身に染みたのではないかと思うが、その敗戦をバネにして勝点3をコンスタントに取れるチームになることがこれからの戦いには重要。この対戦は、これからの中盤戦に向けて、上向きになれるかどうかの大きな試金石となる。
とはいえ、横浜FCは第10節の讃岐戦(4月29日@丸亀)での粘りの勝利を、前節の北九州戦(5月3日@本城)につなげることができなかった。野上結貴の先制点までの流れと前半戦のゲームコントロールは良かったが、風下になった後半に、ワイドな攻撃を加えた北九州の勢いを受けてしまい、本来狙いとするゲームの支配という部分で良いところが出せなかった。だからこそ、横浜FCにとってこの試合での大きな課題は、流れを読んだプレーの選択だろう。前節の試合後に南雄太が「相手は後半は前から来て圧力を掛けていたが、相手の裏を取る動きとか、そういうのが足りなかった」と述べたように、試合の状況に応じて、相手がかけてきたリスクをうまく利用するような賢さが重要になる。また、選手が口を揃えたのは「2点目をとる勢い」。「あまり勝てていないこともあって、1点目が入ってそれを守りに入る気持ちがあったかもしれない。畳み掛けるようにしないといけない」(小池純輝)というように、相手のいやがる時間で積極的に出ることも課題だ。
そして、サッカーそのもの以上に横浜FCにとって渇望されるのは、ホーム、そして聖地のニッパツ三ツ沢競技場での「勝点3」だ。これまでのニッパツ三ツ沢球技場での成績は満足できるものでは決してない。今シーズンは1勝1分3敗。J2でのすべてのホームゲーム(ニッパ球以外の開催も含む)の通算成績は91勝66分108敗。2001年のJ2参入以降、J2リーグ戦でホームで勝ち越したシーズンは、2006年(15勝5分4敗:J2優勝)、2008年(5勝12分4敗:10位)、2010年(10勝2分6敗:6位)、2012年(9勝4分8敗:4位)の4シーズンだけ。最終順位を見ても躍進した年はしっかりホームで勝っていることがわかる。文字通りの我が家(ホーム)として相手を圧倒できるか。2012年の山口素弘監督就任1年目の躍進も、最初はアウェイ8連勝で始まったが、ホームの勝率が上がることでプレーオフ圏内を確実にしていった。山口監督になってから京都戦は3勝1敗と分が良い。横浜FCにとっては、この京都戦をそのきっかけにしたい。
そのニッパツ三ツ沢球技場でアウェイでの勝3と上位進出の足がかりを虎視眈々と狙う京都は、バドゥ監督に代わり、昨年までの細かくパスをつないでいくサッカーに自由度が加わった。陽気な受け答えをする監督の性格がそのまま反映されている感じすらする。湘南戦では、湘南の中盤での厳しいチェックに苦しんだが、ハーフタイムでの4−3−3のシステム変更で攻撃の糸口を作った。そして、前節の讃岐戦(5月3日@西京極)において、その4−3−3のシステムが威力を発揮する。5バックを引く讃岐を押し込み、切り替えのところで鋭さを発揮。わずかなスペースとタイミングを見逃さない大黒将志の特徴を引き出した。京都のストロングポイントは、何と言ってもJ2得点ランキングトップの大黒。かつて横浜FCに在籍していただけに、サポーターにはその嫌らしさは刻まれているはずだが、その鋭い嗅覚は、90分間脅威になる。また、守備においても、非常に高いラインをとり、こまめにラインコントロールを行う。このラインコントロールがはまると京都の良さがさらに引き出されていく。横浜FCにとっては、長いボールを織り交ぜて京都のペースを崩していくことも必要となるだろう。
連戦の疲れは当然残っていると思われるが、その中でもコンパクトな陣形でパスを大事につないでいくサッカーの激突になることは間違いない。そして、この対戦はいつも局面のプレーも激しさが増す。京都の大黒、三平和司が躍動すれば、横浜FCもスピードスターの黒津勝、コンダクター寺田紳一が京都のスキを伺う。両チームの選手の特徴をいかに引き出すか。グループワークとしての11人の意思統一、そして選手の後押しをするサポーターの声援が勝敗を左右するだろう。
この試合はファミリーJoinデイズとして、様々なイベントが開催される。好天に恵まれたこのゴールデンウィークの最後の良い思い出を作るためにも、ぜひニッパツ三ツ沢球技場に足を運んでいただきたい。
以上
2014.05.05 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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