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【J1:第34節 浦和 vs 名古屋】レポート:最悪のエンディングを迎えた浦和。名古屋はレジェンドを笑顔で送り出せた。(14.12.07)

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これ以上ない悔しい結末だった。浦和は最終節で名古屋に1ー2で敗れた。結果的に勝点62で並んでいたG大阪が徳島とスコアレスドローに終わった。浦和は勝っていれば逆転優勝できていただけに、一層歯痒い終焉となってしまった。

滑り出しは理想的だった。浦和は最初の攻撃でCKを得ると、柏木陽介の蹴ったボールを盟友・槙野智章がヘッド。ボールはクロスバーに当たってゴールラインを割り、浦和は欲しかった先制点を開始2分で手に入れた。

この試合に勝つことだけに集中して臨んだ浦和は、リスクをあまり負わずにボールを回して主導権を握った。4−4−2の布陣を敷く名古屋は、全体的にコンパクトに守りながらも2トップが浦和のDFラインにある程度のプレッシャーをかける構えを見せた。それに対して浦和は阿部勇樹と青木拓矢のボランチが2枚とも最終ラインに落ちることで、相手のFW2枚に対して阿部、青木、那須大亮の3枚でボールを安全にキープした。

後方に人数を割き、パスの捌き役となるアンカーポジションに人もいなかったため、高いエリアでパスをつなぐのは難しかったが、ボールを支配することで名古屋の攻撃機会を減少させることはできていた。

この日は運にも恵まれていた。開始10分に小川佳純に鋭いミドルシュートを撃たれたがクロスバーに助けられ、35分にも矢田旭のミドルがバーに直撃し、辛くも失点を免れていた。52分には名古屋守備陣の大黒柱である田中マルクス闘莉王が負傷交代。「闘莉王が離脱してからかなりの時間帯で押し込まれていました」とは名古屋・西野朗監督の弁だが、ボランチのダニルソンを急遽センターバックに下げて対処した名古屋に対し、浦和は優位に立てていた。

風は浦和に吹いていた。だが、それを生かせずに時間を消費していくと、名古屋も黙ったままではいなかった。72分、田口泰士のCKから矢野貴章がヘッド、これはGK西川周作に超人的な反応で弾かれたものの、こぼれ球にいち早く反応した牟田雄祐が押し込んだ。

浦和はすぐさま青木に代えてマルシオ リシャルデスを投入。勝ち越しを狙って攻勢を強めようとするが、逆にカウンターから危険な場面を作られる回数も増えた。85分には川又堅碁にゴールを割られたがオフサイドで辛くも難を逃れた。幸運の女神はまだ浦和の味方だった。

そんななか、ペトロヴィッチ監督が86分に動いた。不整脈によりG大阪戦と鳥栖戦の2試合で実戦から離れていた鈴木啓太を投入。だが、この采配が裏目に出てしまう。投入から3分後の89分、最後列でボールを持った鈴木が右足アウトで出した縦パスが松田力にカットされると、即時のカウンターから永井謙佑に痛恨の2点目を決められてしまった。

練習には参加していたものの実戦から遠ざかって試合勘に不安を残し、コンディションも万全ではないなか、逆転優勝に向かってテンションが高くなっている試合に途中から入るという非常に難しい状況で投入された鈴木を責めるのは酷な話だ。全体が前がかりになっていたことで周囲のサポートもなかった。ただ、あまりに痛い失点だった。

せめて試合には勝って坪井慶介を笑顔で送り出す。そう意気込んで臨んだ名古屋戦だったが、浦和はなにもかも思い通りにはならなかった。一方、名古屋は今季限りで引退する中村直志を気分よく送り出すことができた。絶望に沈む埼玉スタジアムの一角で、名古屋サポーターだけが明るくチームを称えていた。同じ空間のなかで両者の明暗は残酷なまでに分かれていた。

「いやぁ、優勝できなかったぁ」。

坪井は最後まで坪井慶介だった。埼玉スタジアムでの最後の取材対応、坪井はいつものように笑顔だった。決して重苦しい雰囲気にならないように明るく振舞っていたが、最後の帰り際に発したその言葉には万感の思いが詰まっているように感じられた。だが、それを笑顔でさらっと漏らしていたのは、なんとも彼らしい所作だった。

苦しい時こそ笑顔を絶やさず、常に明るい。誰に対しても優しいが、他の誰よりも自分に対しては厳しい。まさにプロの鑑のような選手だ。浦和での日々には終止符が打たれるが、また新たな挑戦が始まる。おそらく、いや間違いなく、新天地でも人懐っこい笑顔と朗らかな性格で太陽のように周囲を明るく、暖かくしてくれるはずだ。これまでがずっとそうだったように。

以上

2014.12.07 Reported by 神谷正明
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