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佐藤 寿人の視点:改めて浮かび上がった武藤と大迫の存在感。首位通過を実現するも、攻撃の形はまだ見えず【ACL 傑志vs神戸】

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2022年5月2日(月) 13:25

佐藤 寿人の視点:改めて浮かび上がった武藤と大迫の存在感。首位通過を実現するも、攻撃の形はまだ見えず【ACL 傑志vs神戸】

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佐藤 寿人の視点:改めて浮かび上がった武藤と大迫の存在感。首位通過を実現するも、攻撃の形はまだ見えず【ACL 傑志vs神戸】
この大会で神戸が難しかったのは、結果とチーム作りの両立を目指さなければいけなかったこと。Jリーグで結果が出ていない以上、ロティーナ監督はいろんなことを試す必要があったと思います

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、グループステージの6試合を総括する。

試合前に突破が決まっていたと言っても、神戸には1位で通過しなければいけないという想いがあったと思います。しかも神戸が中4日だったのに対し、傑志は中2日で、メンバーも1人しか代えていなかった。モチベーションの高さは感じましたが、コンディション的には厳しかったはずです。そんな相手に対して押し込まれる時間は長かったですし、シュート数も上回られてしまった。2-2で引き分け、首位通過を決めたとはいえ、神戸としてはとうてい満足のいかない試合だったと思います。

本来であればもっとボールを速く動かして、相手を疲弊させる狙いがあったはず。でも実際は相手の前線の選手に上手く監視されてしまって、ボールが上手く回りませんでした。

もちろん神戸とすれば、結果を求める一方で、新体制に変わったことでスタイルを構築する段階でもあったと思います。ロティーナ監督にもいろんな選手を見極めておきたいという想いもあったはずです。

象徴的なのは、経験の少ない日高(光揮)をアンカーに置いたこと。その狙いはロティーナ監督にしか分かりませんが、いろんな選択肢があるなかで彼を起用したことは、今後を見据えたものであることは間違いないでしょう。結果的にアンカーのところでいい形で受けられなかったことも、ボールが上手く回らなかった原因になりました。

その意味では、攻撃がスムーズに進むような形をあえてとっていなかったとも言えます。スムーズに進めていこうと思えば、配置や人選は違ったはずですから。ロティーナ監督はいろんなものを見たいところもあって今日のメンバーを選んだと思いますから、ある程度難しくなってしまうところは致し方なかったのかなとも思います。

この大会で神戸が難しかったのは、結果とチーム作りの両立を目指さなければいけなかったこと。Jリーグで結果が出ていない以上、ロティーナ監督はいろんなことを試す必要があったと思います。

そんななかで、改めて浮かび上がったのが武藤(嘉紀)と大迫(勇也)の2人がチームにとって欠かせないピースであるということです。この試合でも2人がピッチに立ってから、明らかに流れが変わりましたから。

逆に言えば、2人が出ていない時のチームとしての形がまだ見えないということ。強いチームは人が入れ替わっても、チームとしてやることは大枠として変わらないものですが、2人の存在によって劇的に変わってしまうところが、まだまだチームを作り上げている段階にあるのかなと感じました。

形が見えない中でも、先制点のPKにつながった崩しなど、いいシーンもありました。あの場面では山口(蛍)が自分の持ち場を離れ、大外を回って動くことで、相手の背中を取ることができました。ブロックを崩すには、誰かが相手のポジションを動かすための判断をすることが大事になってきます。もっともそれが個人の判断なのか、チームで共有されているものなのか。前者であればやはり属人的になってしまうので、チームとして同じ絵を描けるようになることが、今後につながっていくと思います。

結果的に土壇場で追いつかれて引き分けに終わってしまいました。CKからの失点でしたが、セットプレーをパーフェクトに抑えるのは難しいこと。やはり失点よりも試合を通して攻撃の形を作れなかったところの方が、今日の課題だったと思います。

とはいえ、引き分けでもいい状況のなかで、しっかりと勝点を取り、首位で通過できたことは評価できるポイントです。グループステージの4試合を振り返れば、いいプレーもあったし、もっと上手くできたところもあった。そこをどう捉えて、次につなげていくかがJリーグ、あるいはノックアウトステージに向けた神戸の重要なテーマとなると思います。

特にチェンライ戦では上手くいかなかったことが多かったと思います。なぜ上手くいかなかったのかは、選手も肌感覚で感じているはずで、ロティーナ監督としても、誰と誰を組み合わせればいい絵が描けるのか、あるいはそれぞれの選手の適材適所を判断する4試合になったでしょう。

グループ突破という目標を目指しながら、チームを構築する期間を過ごせたのは神戸にとって良かったと思います。もちろん(アンドレス)イニエスタが不在だったことも含め、チーム作りはまだまだ途中の段階。その成否はこれからのJリーグの戦いで判断されていくことになるでしょう。

ノックアウトステージは8月に開催されます。もちろんJリーグで結果を出すことが最優先ですが、ACLで勝ち上がることも視野に入れながら、これからのリーグ戦でチームを成熟させていくはずです。

ノックアウトステージではグループリーグで対戦した相手とは間違いなくレベルが変わってきます(※ラウンド16のカードが発表され、神戸は横浜FMとの対戦が決定)。もちろん神戸には経験値の高い選手が多いですから、そこは理解している部分だと思います。Jリーグの戦いでしっかりと勝ち癖を付けながら、次のラウンドに向かっていってほしいですね。

【傑志×ヴィッセル神戸|ハイライト】

 

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