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【J2:第27節 仙台 vs 富山】レポート:圧倒的な流れで追加点を奪えず、一旦は同点に追いつかれた仙台。だが後半の2ゴールで、何とかユアスタでの勝利にこぎ着けた。(09.07.13)

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7月12日(日) 2009 J2リーグ戦 第27節
仙台 3 - 1 富山 (18:04/ユアスタ/13,569人)
得点者:1' 梁勇基(仙台)、34' 朝日大輔(富山)、51' 一柳夢吾(仙台)、63' 千葉直樹(仙台)
スカパー!再放送 Ch185 7/14(火)15:30〜(解説:鈴木武一、実況:松尾武、リポーター:村林いづみ)
勝敗予想ゲーム
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 後悔先に立たず、もしくは覆水盆に返らず…に仙台はなりかけた。7試合ぶりの先制点、0−5で大勝したアウェイ水戸戦(第18節)以来9試合ぶりの1試合3得点以上、そして内容でもほぼ圧倒。それにもかかわらず、試合終盤までなかなか落ち着いて見られない展開となってしまったのは、ひとえに仙台が久しぶりに見せた「悪癖」のせいだ。

 試合を振り返る前に、仙台の陣容について触れなくてはいけない。2日前の紅白戦ではメンバーから外れていた菅井直樹、そしてプレビューでも触れていたとおり、同日の練習でぎっくり腰を発症した関口訓充。欠場を想定して新布陣を試さざるを得ないほど、出場が危ぶまれていたはずの2人が、何事もなかったようにピッチに登場していた。疲労が理由でFWとボランチにメンバーの入れ替えはあったが、システムは変わらずに4−4−2である。

 負傷者をスタートからピッチに送り出している以上、できるだけ早い時間に試合を決めるだけのゴールを決めたい仙台は、開始1分という願ってもない時間に先制点を奪う。それも起点が、強行出場の2人だったというのだから、まさにしてやったりのゴールだった。右サイドで関口が持ち、その横を菅井がオーバーラップしていく。彼ら仙台の右サイドに対する富山の左サイド、川崎健太郎と舩津徹也の2人は守備において呼吸が合わなかったのか、2人ともが関口に対して曖昧なプレスを掛けに出てしまい、空けてしまった後方のスペースに関口からのスルーパスを受けて走り込んだ菅井はノーチェック。その菅井からのマイナスのセンタリングをゴール正面でトラップした梁勇基が、冷静にゴールに流し込んだ。

 そしてその後も仙台は、富山の守備布陣に見いだしたスペースを浸食して攻めに出る。富山は積極的に前からプレスをかけ、特に仙台のボランチのところにプレスで挑んできた。だがこのやり方は諸刃の剣。一旦そのプレスをかいくぐれば、富山のボランチと最終ラインの間には仙台のカウンターの起点となりえるスペースが広がった。さらにそれをケアしようとするあまりか、富山は川崎と朝日大輔の両サイドハーフも中央に絞り気味なポジションとなり、今度はサイドでもスペースを広げてしまう。そうしたスペースに関口や梁が入り込み、主導権は明らかに仙台が握ることになる。

 だが、その流れこそが、ある意味で仙台にとっては危険だった。崩しまでは見事な連動で進むのだが、フィニッシュとラストパスがことごとく精度を欠き、試合を決める追加点がなかなか入らない。中でも21分、ゴール真正面至近でフリーでこぼれ球を拾った中島のシュートを、GK中川雄二が驚異的な反応で止めたあたりから、雲行きは怪しくなる。打てども打てどもゴールは遠い。仙台が今季ときおり見せ、手倉森誠監督が最も嫌がる「いつでも点が取れると思いこみ、最後の仕事が雑になる」というまずい状態に、仙台は完全に陥っていた。

 そして34分、富山は千葉直樹から高い位置でボールを奪うとすかさずスルーパス。前に食いついた渡辺広大が触れずにボールがDFライン後方に流れると、守るのはエリゼウ1人に、富山の選手は3人という絵に描いたようなカウンターへ。中央から持ち込んだ石田英之が引きつけて右へ振り、それを受けた朝日がGK林卓人との1対1を決める。前半はこのゴールを含めてもシュートがたった2本だった富山にとってはしてやったりかもしれないが、仙台にとっては許し難い内容の前半となってしまった。ケガの選手を使っていたこと、点を取る機会はいくらでもあったことを思うと、リードで前半を折り返せなかったことは明らかな誤算。もし富山が後半は安全第一の守りに切り替え、前半にあったスペースを消してきたりしようものならば、時間が経つほどに仙台としては苦しくなる。

 しかしそんな仙台を救ったのは、意外な選手のゴールだった。やはりもたなかった菅井に代わり、後半からピッチには一柳夢吾が入ったのだが、51分、梁からの右CKに対し、ニアの中原貴之の背後に空いたスペースで合わせたのはその一柳だった。足下の高さのボールに体を投げ出してヘッドを試みた気合いのゴールで仙台は再び試合をリード。そして63分には、梁のセンタリングがDFに当たってゴール正面にこぼれたところ、詰めていた千葉が蹴り込んで、今度こそ試合を決める3点目を仙台は得る。

 その後仙台は、今度は左サイドバックの田村直也が負傷で退くというアクシデントに見舞われるが、控えにサイドバックの駒がなかった手倉森監督は急造の3バックにして対応(それにしても、この際左のウイングバックに回った関口の献身は、本当に負傷していた選手とはにわかに信じがたいものがあった)。チームも大きな混乱を見せることなく、富山の反撃を散発的なものに抑えて逃げ切った。

 富山は今節、これまで全試合出場のボランチ渡辺誠をケガで欠き、そこに景山健司が入った。その景山が今節では、前からの積極的なチェックで持ち味を発揮しようとし、楚輪博監督もこうした「挑戦」には肯定的な感想を述べている。しかし同時にこうした守備がスペースを生む要因となり、富山の売りであった堅守がほころびる原因となったのは否定できない。

 だが同点ゴールのように、奪えればチャンスが生まれるのも事実。こうした「トライ&エラー」を繰り返し、チームはさらに強くなっていくものである。
 もっとも「エラー」を糧にする必要があるのは、Jの先輩でもある仙台も同じ事。今回はセットプレーからの一柳の得点で救われたが、流れを得た中で点を取れずに勝てる試合はそう多くない。

 次節からは、ここ8試合で6勝2分で、第2クールでの勝点23はリーグトップの鳥栖、そして上位4強である湘南、甲府との3連戦が控えている。新加入のサーレスが次節から起用可能となるが、彼が攻めにおけるラストピースとなれるか。山場の2週間がやってくる。

以上
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