11月15日(土)J2第43節広島 - 鳥栖(15:00KICKOFF/広島ビ)
-リアルタイム速報はこちら-
「新潟や川崎がどうこうとか、周りの様々なことを気にしすぎて、頭の中に雑念が入ることが怖かった」と小野監督は語った。山形戦の感激の余韻が残る中、チームにそういう「甘え」が生じてしまえば、目の前の鳥栖に足元をすくわれる。
が、選手たちにそういう甘さの入る余地は、なかった。山形から帰ってきた選手たちを待っていたものは、サテライトチームの逆襲。紅白戦では厳しい当たりでレギュラーを吹き飛ばし、強烈なプレスでボールを奪い、積極的な攻撃を何度も仕掛ける。スペースをついて、J2最少失点のDFたちを窮地に追いやり、下田の守るゴールを襲い続けた。「俺たちもJ1復帰に貢献したいんだ」。そんな野望が、プレイの一つ一つに気迫となって表現されていた。
さらに、山形組を脅威にさらしたのは、負傷していた眞中靖夫と森崎浩司が復帰した事実だ。彼ら自身、欠場している間の広島の快進撃を目の当たりにして、危機感を募らせていた。そのため、練習では気持ちを前面におしだして、自分のいいプレイを少しでもアピールしようと躍起になっていた。実力者である2人のその気迫は、山形組から「劇的勝利」の余韻を完全に吹き飛ばしてしまった。
今日の前日練習に、ベンチ入りの16人が集結。どの顔にも、激烈なチーム内競争を勝ち抜いてきた自信がみなぎっていた。ここに来れなかった選手たちのためにも、という想いも共有していた。その想いは、「今のチームを支えているのは、そういう試合に出られない選手たちも含めた、チーム全体のJ1復帰への想いが、練習に思いきり表現されていることだ」という小野監督の言葉に、集約されるだろう。
さて、明日の試合に向けて、小野監督は少しメンバーを入れ替えてくる。森崎浩の復帰に伴い、ここ2戦で際立った活躍を見せているアタッカー陣の編成に変化があるか注目されていたが、結局そこはいじらず、右サイドに森崎浩を投入する機運が高まってきた。
森崎浩の本職はトップ下。しかし、彼は昨年の天皇杯では右サイドで先発し、横浜M戦では決勝点を導くクロスを入れている。また、右サイドから中に切れ込んで得意の左足から放つシュートも強烈で、天皇杯準決勝ではその形で素晴らしいミドルをたたき込んだ。今季も第11節・大宮、第12節・川崎で、右サイドを務めている。以前はサイドに出るとボールが回らず苛立っているシーンもあったが、昨年以来、自分でボールをもらいにいったり、中に切れ込んでトップ下のように振る舞ったりと、「サイドではあるけど、自分らしいプレイ」を心がけるようになった。また、そういう森崎浩のプレイを、井川や服部など、チーム全員がサポートしようという意識になっているのも、彼がいかに信頼を得ているか、の証拠だろう。「自分がうまくプレイすることで、カズや井川と右サイドの攻撃をつくりたい。試合したくて、うずうずしてますよ」と森崎浩は、自信を見せる。
鳥栖は広島から6点、1試合平均2点を奪っている。広島のミスにつけこみ、鋭いカウンターでゴールを陥れてきた。が、小野監督は言う。「確かにそうだが、カウンターや失点を怖れては大胆さやアグレッシブさがなくなってしまう。仮に1点をとられても2点・3点と奪い返すくらいの気持ちで、選手たちを送りだしたい。そして、苦しい時も我々を支えてくれたサポーターが、自然に手を握りしめ、声をあげてしまうような、そんな心を動かす試合がしたいですね」。
新潟・川崎の結果が気にならない、と言えば、それは嘘だろう。しかしそれよりも、明日の鳥栖戦に勝つことだけに集中しよう、という意志がチームで統一されている。迷いはない。試合に出られない選手のためにも、ここまで苦しい時期を支えてくれたサポーターのためにも、「明日は気持ちで圧倒する試合を見せる」(森崎和)しかない。
2003.11.14 Reported by 中野和也
以上
【Information】
・ナビスコカップニューヒーロー賞&MVP受賞、田中達也選手(浦和)J's GOAL独占インタビュー! -インタビュー映像はこちら-
・J1グランプリJ1 2nd第13節投票受付中
・SUPER GOAL!J1 2nd第12節&J2第42節投票受付中













