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【J1 2ndステージ 第14節 市原 vs 大分戦レポート】明暗分けた“勝ち点1”(03.11.24)

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市原 1 - 1 大分 (15:04:市原) 入場者数 4,218人


 負ければ優勝の可能性が消える市原と、勝てばJ1残留が決まる大分。「気持ちと気持ちの試合」(中西)は1-1の引き分けに終わり、形としては両者痛み分けとなったが、どちらがより“痛み”を感じたのかは、試合後の監督、選手の表情を見れば一目瞭然だった。

「個人的には失望した」。市原のオシム監督は試合後、ため息交じりに漏らした。この日はケガの羽生、ミリノビッチ、中西が復帰し、前節は出場停止だった村井もスタメンに名を連ね、ほぼベストの布陣。立ち上がりこそ大分の素早し出足にやや押し込まれたが、10分を過ぎたあたりからは市原がペースを掴む。

 だが、何かが違う。ボールを奪って素早くゴール前に運ぶべきところを、必要以上にパスをつなぎすぎ、その間に大分にがっちりとゴール前に壁を作られてしまう。確かに、堅守からカウンターを狙う大分が引いて守っており、そのゴールをこじ開けるのは決してたやすいことではない。両サイドからクロスを上げても、サンドロ、三木という強力なセンターバックコンビにことごとく弾き返されてしまうし、チェ・ヨンスと大柴の2トップの位置取りが悪く、起点を作ることができない。

 前半の市原のパフォーマンスには大分の堅守だけでは説明できない部分がある。それをオシム監督は「成功することへの恐怖を感じたのかもしれない」と表現した。選手たちはプレッシャーはなかったと話していたが、それでも“優勝”という2文字が無意識のうちに選手を慎重にさせてしまったのかもしれない。

「失うものがなくなって、選手たちは初めて大事な状況に置かれていることに気づいたのかもしれない」(オシム監督)。1点を追う後半に入り、市原はようやくアグレッシブな姿勢を取り戻した。大柴に代わって長身の巻が入って大分の最終ラインにプレッシャーをかけ、またトップ下の羽生が左サイドに流れることで、大分の右サイドの守備の連携が乱れ、そこから何度もクロスを上げていく。

 後半18分の同点ゴールも、左クロスから始まった。ディフェンスのクリアボールを拾った阿部がミドルシュート。キーパーがはじいてこぼれたボールをチェが左足で押し込んだ。ようやく追いついた市原だったが、ついには勝ち越し点を奪うことができず。可能性はゼロではないが、逆転優勝はほぼ絶望的となった。

 これに対して大分は、ほぼ理想どおりの展開で試合を進めた。セットプレーから先制点を挙げ、あとは自慢の堅守で守り抜く。後半に入って追いつかれはしたものの、次節、仙台との“直接対決”を引き分け以上で残留がほぼ決まるだけに、今日は勝ち点1でも決して悪い結果ではない。「選手たちがしっかり気持ちを持った戦いをできた」(小林監督)、「チーム全体として最後まで勝ちたい気持ちを出せたのは良かった」(吉田)と悲壮感はなかった。

 これはどの競技でも言えることだが、プレッシャーのかかったゲームで最終的に明暗を分けるのは、技術や戦術ではなくメンタルな部分だ。ほぼベストメンバーの市原が、主力をケガや出場停止で欠く満身創痍の大分に勝てなかったのは、佐藤勇の言葉を借りれば、「うちの優勝したいという気持ちより、大分の残留したいという気持ちの方が強かった」ということだ。

 市原はファーストステージは終盤に連敗し、自ら優勝の芽を摘み取ってしまったが、セカンドステージでも同じ過ちを繰り返してしまった。指揮官は「サッカーの賢さが足りない」と話した。そこが、例えば磐田などの強豪に追いつけない理由だろう。前日のゲームで、数的不利になりながらもG大阪に逆転勝ちした磐田のグラウは、試合後にこう言っていた。「(問題があっても)すべてを乗り越えてハートで勝つ。それがジュビロ」。オシム監督の言う「サッカーの賢さ」とはつまり、そういうメンタリティのことではないだろうか。市原にはまだ、「これがジェフだ」と言い切れるほどの“勝者のメンタリティ”を備えていなかったということだ。

2003.11.24 Reported By スポマガWORLD SOCCER

以上
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