鹿島 2 - 1 柏 (15:03:カシマ) 入場者数 19,315人
残り時間はあとわずか。スコアは1対1。首位の磐田が勝ち点を26に伸ばし、追う鹿島は21。引き分けでは優勝の可能性が消えてしまう。
予備審判がロスタイム3分を掲示した。
その直後、野沢がゴール前へ放り込んだボールを柏ディフェンダーがクリアし損ない、小笠原の前へこぼれる。キャプテンマークを巻いた背番号8が左足を豪快に振りぬいた。普段は冷静なポーカーフェイスが感情を爆発させる。試合終了直前に勝ち越し―――。
鹿島が柏を土壇場で退け、2位に踊り出るとともに、最終節での逆転優勝に望みをつなげた。
試合開始から主導権を握ったのは鹿島だった。13分に本山のパスを受けた平瀬が右足で流し込み先制する。
対する柏は突破口を見出そうと、エース・玉田の切れ味鋭いドリブルで鹿島ゴールに迫るも、センターバックの池内を中心とした守備陣が柏の攻撃を封じ込めた。
後半、柏のアウレリオ監督は右サイドバックの田ノ上を左アウトサイドに置き、中盤で数的優位を作り出す。55分には「逆サイドを常に意識しなさい」(同監督)との指示どおり、ワイドな展開から、玉田のパスを受けた田ノ上が左足で蹴り込み同点。鹿島のセレーゾ監督は「気をつけていたサイドチェンジからの失点だった」と、悔しさをのぞかせた。
同点に追いついた柏だが、73分に田ノ上が2枚目の警告で退場すると、数的不利から受け身に回り、鹿島の攻撃にさらされてしまう。
84分、小笠原のFKがゴールポストを叩く。試合終了間際の88分には、石川の上げたクロスを小笠原が左足で合わせる。だが、アウレリオ監督が「ひとり少ないなか、選手たちは勇敢に戦ってくれた」と称えたほど、体を張った柏ディフェンス陣の前に鹿島は沈黙を続けた。
それでも、鹿島はあきらめなかった。サポーターの大声援を受け、怒涛の攻撃を展開した。
そして、89分。小笠原の勝ち越しゴールが生まれた。
小笠原が試合後、「"勝ちたい"という気持ちが結果につながった」と、ファイティングスピリットを強調すれば、先制ゴールをあげた平瀬は「今日の試合で、鹿島がどれだけ強いかわかってもらえたと思う」と、常勝軍団の矜持をのぞかせた。彼らの言葉の根底に流れているのは、徹底的に勝ちにこだわる「鹿島イズム」であり、勝利を重ねてきたことで培われてきた自信にほかならない。
最終戦を残して、首位・磐田との勝ち点差は2。鹿島が優勝するためには、次戦で浦和に勝つことが絶対条件。そこで、磐田が負ければ決定だが、引き分けた場合は得失点差の争いになるという厳しい状況だ。
殊勲の小笠原は言った。「最後は勝って終りたい」。
鹿島はあきらめない。最終節の試合終了のホイッスルが鳴るまで、優勝を信じて突き進む。それが彼らのプライドでもある。
2003.11.24 Reported By スポマガWORLD SOCCER
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