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【U-23日本代表−U-23イラン代表戦レポート】最終予選突破に向けて、成長しつづける五輪代表(04.02.09)

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 18歳の大型ストライカー・平山相太(国見高)の能力は、やはり本物だった。

「キリンチャレンジカップ2004」・U-23日本代表対U-23イラン代表の一戦が8日、19時20分から埼玉スタジアム2002で行われ、1−1のドローに終わった。それでも190cmの高校生FW・平山が先制点を挙げ、今野泰幸(FC東京)らユース組と鈴木啓太(浦和)ら上の年代がうまく融合するなど、日本にとっては、最終予選に向け、大きな弾みをつけるゲームとなった。

 昨年末のワールドユース(UAE)でベスト8入りしたユース組が本格的に合流し、最初の公式戦となったこの試合。3月14日の最終予選・日本ラウンドの会場である埼玉スタジアムには、2万1414人のサポーターが詰めかけ、新生・ヤングジャパンの戦いぶりを見守った。

 3月の最終予選では、UAE・日本ラウンドともに、中1日で3試合を消化しなければならない。山本昌邦監督は6日の磐田ユース戦、U−23イラン戦、11日のロシア代表戦(静岡)を「シミュレーションの場」と設定した。特にこのイラン戦は「中東対策」として重要視。GK林卓人(広島)、DF田中マルクス闘莉王(中=浦和)、徳永悠平(右=早稲田大)、那須大亮(左=横浜)、ボランチ・鈴木、今野、右サイド・田中隼磨(横浜)、左サイド・森崎浩司(広島)、トップ下・山瀬功治(浦和)、FW・田中達也(浦和)、平山の3−5−2システムでの試合にのぞんだ。

 一方のイランも3−5−2。2002年アジア大会(釜山)優勝時のメンバーであるMFカベイ、FWカゼメヤンらもピッチに立った。

1月の宮崎・オーストラリア合宿、2月の静岡合宿を通じ、戦術を徹底してきた日本は、序盤からスムーズなサッカーを見せる。素早いパス回しからサイドをえぐり、中央へ展開するというコンセプトを選手たちは忠実に実践した。磐田ユース戦では動きが重なりがちだった鈴木と今野の両ボランチも、短期間で安定感を増していった。

 注目の平山も、初めての五輪代表ゲームに戸惑った様子はまるで感じさせなかった。イランの大柄なDFを背にしてバランスを崩しかける場面はあったが、ヘディングではほとんど競り勝った。190cmの高さと確かな足元の技術は五輪年代でも十分に通用していた。

 その平山が待望の先制点を奪う。前半19分だった。今野がインターセプトしたボールを受けた山瀬が、前線を走っていた田中達へ絶妙のスルーパス。田中達は得意のドリブルでペナルティエリア内をタテにえぐり、中央へ折り返した。ここに飛び込んだ平山がヘディングでゴール。スタンドからは「ヒラヤマ、ヒラヤマ」の大コール。2階級特進の高校生FWが派手な五輪代表デビューを飾った。
1−0のまま前半を終了。山本監督は後半開始とともに、ミスの目立った田中隼を下げ、ユース組の菊地直哉(磐田)を起用。徳永を右サイドに上げ、菊地を右DFに置いた。

 しかしイランが同点ゴールを狙って激しく攻めてきたことで、日本のリズムが悪くなった。前半は左サイドを起点に攻撃していたイランは、後半になって「右サイド重視」に切り替え、森崎浩と那須の間のスペースを積極的に突いた。日本はミスからたびたびカウンターを食らってしまった。

 迎えた16分。日本人として初めて日の丸を背負った闘莉王が、ペナルティエリアわずか外側で痛恨のハンドを冒してしまう。好位置でFKを得たイランは、キャプテン・モバリが6枚のカベを超える見事なキックを直接蹴り込み、同点ゴールを挙げた。

 ホームで何としても勝ちたい山本監督は、森崎和に代えて根本裕一(大分)、田中達に代えてワールドユース得点王の坂田大輔(横浜)、好調だった山瀬に代えて前田遼一(磐田)と、次々に攻撃カードを切った。坂田が相手DF裏にうまく飛び出すなど、1点に結びつきそうなプレーはいくつかあったが、なかなかゴールを割ることができない。

 最後のビッグチャンスは後半ロスタイム。右サイドの徳永からクロスに呼応した平山が、胸トラップから速い振りで右足シュートを放ったのだ。このシュートはワクに飛んだが、相手GKの鋭い反応に弾かれ、残念ながら勝ち越しならず。結局、1−1で引き分けた。

 勝利は得られなかった。が、明るい材料は数多くあった。最大の収穫はやはり平山だ。日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンが「ここまでやるとは…」と驚いたように、彼は明らかに五輪代表の中心選手になっていた。身体能力の高いイランDFと対峙しても、決して冷静さを失わず、確実にポストプレーをこなし、ゴールまで挙げたのだ。

 ワールドユースを現地視察した山本監督は、平山の<非凡な能力>に確かな自信を持っていたに違いない。エジプト戦で2人のDFをいとも簡単に抜き去って左足で豪快にゴールを奪い、優勝したブラジル相手に打点の高いヘッドを決める18歳の若者を目の当たりにすれば、五輪代表で使いたくなるのも当然だろう。そんな指揮官の高い評価に、彼は十分すぎるほど応えてみせたのだ。

 今野と鈴木のボランチ、闘莉王を軸としたディフェンスラインにメドが立ったことも明るい材料だ。彼らはイランに攻められながらも体を張って守り、ボールをはね返し続けた。後半に入ってややラインが下がり気味になることもあったが、全体的には及第点を与えられる出来だった。

 両アウトサイドの攻撃力不足、ボール回しパスミスなど、課題はまだあるものの、チームの成長はハッキリと見て取れた。鈴木啓太も「個人個人が国際舞台で戦えるようになってきた」とポジティブに話した。最終予選に向けて、彼らは大きな期待を感じさせてくれた。

2004.2.9 Reported by 元川悦子

以上

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