11日にロシアA代表との対戦を控えたU23日本代表チームは、この試合を最後に最終予選に向けた選手選考をひとまず終える。アテネ五輪最終予選UAEラウンドのメンバー発表は16日。ここでメンバーは20人にまで絞られることになっており、当落線上にいる選手はこのロシア戦が最後のアピールの場となる。
先日のイラン戦で五輪代表デビューした闘莉王だが、このチームでの実戦経験の少なさが代表選考上のハンディになる可能性は少ない。彼の能力をチームに還元すべく、少しでも長い時間を実戦で使い続け、チームへの融合を図りたい。イラン戦では水戸時代にも試みていた攻め上がりを時折見せていたが「闘莉王にはあのオーバーラップがある」ということをチームメイトが理解していれば、守備の破綻はそうそうおきるものではない。逆に言うと、オーバーラップのタイミングをつかむ意味でも、積極的にオーバーラップを仕掛けてほしい。
ボランチでは鈴木のパートナーの座を巡り森崎和が試合に挑むことになりそう。山本監督は、イラン戦では新しい力として今野を試しているが、そもそもこの年代では森崎和がコンスタントに招集されてきていた。すでに今野がイラン戦でソツのないプレーを見せており、森崎和にとって過去の実績に胡坐をかいていいという状態ではない。自分のポジションを脅かす下の世代の選手の台頭を前に、経験を武器にしたプレーが期待される。
イラン戦からの入れ替わりがあるとすれば、その多くは前線の選手になるのではないかと思われる。トップ下ではイラン戦で平山の得点を演出した山瀬に代わり、松井を試す可能性は高い。テクニックは一流だが、それ故に持ちすぎるきらいのある選手であり、タテに早いサッカーにどれくらい順応できるのか見極める必要がある。
FW陣は、平山の連続先発の可能性もあるが、もしこのポジションが入れ替わるとすれば、ケガから復帰の高松が濃厚だ。この二人のパートナーは、田中達と坂田によって争われるが、ケガで退場した田中達の足のことを考えると坂田に最後のチャンスが与えられる可能性が高い。
いずれにしても、このロシア戦は、ロシアにとってはフル代表の面子にかけて負けられない試合であり、日本代表にとっては格上の胸を借りる最後の代表選考の試合となる。フレンドリーマッチのレベルを超えた、厳しい試合を期待したい。
2004.2.10 Reported by 江藤高志
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