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【日本代表-オマーン戦プレビュー】7年ぶりのワールドカップ予選がついに始まる(04.02.17)

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 すべての記憶は美化されていくものであり、そういう意味で日本代表が97年に戦った最後のワールドカップ予選は美しい記憶だ。しかし、一つ一つの試合を振り返ると、そこには一筋縄ではいかない感情が込められているのも事実。

 たとえば97年9月28日の日韓戦では、ホーム・国立競技場での先制ゴールに喜びを爆発させたが、その後の2失点と、その結果の逆転負けにひどく落ち込んだ気持ちにさせられた。試合終盤から降り始めた雨に打たれながら、鬱屈とした感情に包まれたことを覚えている。同じように、ロスタイムに同点に追いつかれた10月4日のアウエイ・アルマトイでのカザフスタン戦の試合後は腑抜けた状態になり、そして絶望した。

 苦しい戦いが続く中、何度も落胆し悲観させられ続けたが、圧倒的不利という下馬評を覆して勝利した11月1日のソウルでの日韓戦は熱狂させられた。手探りの真っ暗闇の中で、一筋の光明を見出した気分になった。そして何よりも、自力でワールドカップ出場を決めたジョホールバルのイラン戦では感激の涙を流した。とにかくうれしかった。

 そもそも人間の気持ちを強く揺り動かすのは難しいことだが、それができるもののひとつがワールドカップ予選なのは間違いない。ワールドカップ本大会と同等か、人によってはそれ以上だとも言われるワールドカップ予選だが、日本にとっては7年ぶりに経験する舞台が明日から始まる。

 初戦の対戦相手は中東のオマーン代表。奇しくも97年のワールドカップ1次予選でも初戦の相手として対戦した相手だ。そのときはアウエイながら1-0で日本代表が勝利している。

 オマーン代表は先日、韓国・ウルサンで韓国代表と親善試合を行い0-5と大敗しているが、それが彼らの実力ではないのは同じ韓国代表と対戦した昨年の11月のアジアカップ予選を3-1で勝利していることからも伺える。

 中東のチーム全般に言えることだが、気をつけておきたいのはその鋭いカウンター攻撃。高い位置でボールを奪われる場面が出てくると非常に怖い状況が生まれるだろう。特に若き司令塔、フージ・バシルのパスセンスには要注意だ。イラク戦では守備におけるミスが散見されたが、この試合ではミスは徹底的に排除しなければならない。

 ヨーロッパ組が合流し、中盤から前にかけて新たな選手との組み合わせが試されるが、特にボランチは、これまで起用されてきた遠藤や山田卓、福西といった選手から稲本、中田英、小笠原といった組み合わせへと変更される可能性が高い。守備面においても、守備から攻撃への切り替えにおいて、もっとも重要なポジションだけに起用される選手とその働きがポイントとなる。

 また左サイドハーフで起用される可能性が高い中村俊輔にも注目しておきたい。イラク戦では投入後に攻撃のリズムを生み出し、三都主のゴールの基点となっている。ボールを奪ったあとの攻撃時にもたつく感じのある日本代表にとって、彼のパスセンスは貴重な能力だといえる。

 ジーコ監督の希望により、サッカー専用スタジアムである埼玉スタジアムで開催されるこの大事な初戦だが、スタジアムに足を運ぶサポーターの皆さんには2002年W杯初戦のベルギー戦のような熱い応援をお願いしたい。そして、当然のことながら日本代表の勝利を期待しようと思う。

2004.2.17 Reported by 江藤高志

以上
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