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【日本代表-オマーン戦プレビュー】好調ぶりを見せた中田、高原。早い時間帯に先制したいジーコジャパン(04.02.18)

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 ジーコ監督が最後の最後に決断したオマーン戦スタメンは、GK楢崎正剛(名古屋)、DF山田暢久、坪井慶介(ともに浦和)、宮本恒靖(G大阪)、三都主アレサンドロ(浦和)、MF稲本潤一(フラム)、遠藤保仁(G大阪)、中田英寿(ボローニャ)、中村俊輔(レッジーナ)、FW柳沢敦(サンプドリア)、高原直泰(ハンブルガーSV)のイレブンだった。

 2006年ドイツワールドカップへの第一歩となるアジア一次予選初戦のオマーン戦が18日、19時20分から埼玉スタジアム2002で行われる。3大会連続でワールドカップ本大会出場を目指すジーコジャパンにとって、非常に重要な戦いがいよいと始まる。

 大事なファーストマッチを控えた17日夕方、日本代表は公式練習にのぞんだ。帰国したばかりの中田、高原、鈴木も合流。ようやく最強メンバーが揃った。トレーニング開始前にはベンチ入りの18人も決定。GK都築龍太(浦和)、DF加地亮、茂庭照幸(FC東京)、MF福西崇史(磐田)、本山雅志(鹿島)の5人がメンバーから外れることになった。が、彼らも練習に参加し、全員でチームを盛り上げた。

 ウォーミングアップの後、ジーコ監督は選手たちを2組に分け、紅白戦形式の練習を行った。まずはレギュラー組のCK、FKからスタートし、相手にボールを奪われたら、カウンターに備えていち早く守りに入るというパターンを徹底。その後は、控え組のセットプレーから始め、こぼれ球を拾って前線に飛び出した中田や高原にボールをつないでカウンターを狙う形が確認された。

 オマーンは守備に多くの人数を割き、ボールを奪ったら少ないボールタッチで一気に前線までボールを運んでくる。つまり「速いカウンターに定評のあるチーム」なのだ。日本代表の後、同じ会場で行われた公式練習でも、チェコ人のマチャラ監督のもと、攻守の切り替え、シュートなどを徹底していた。ジーコ監督はそんな不気味な相手を警戒したのか「スピーディーなサッカーの重要性」を改めて確認した。さらに、セットプレーの守備、攻撃にも多くの時間を使っていた。

 前日の紅白戦では、浦和ユースの選手にゴールを許し、控え組に敗れたレギュラー組だったが、中田が合流したこの日はモチベーションと緊張感が全く違った。中田は三都主のポジショニングを修正し、遠藤に「速く前へ上がれ」と指示を出すなど、チームに闘争心を植えつけた。ボローニャに移籍してからの活躍が自信になっているのか、動きも軽快だった。そんなキャプテンの姿勢にすぐさま呼応したのが高原。HSVでコンスタントに試合に出ていることもあり、体のキレがよく、積極的にゴールを狙っていた。彼ら2人はオマーン戦の<攻撃の切り札>になりそうだ。高原とコンビを組んだ柳沢も持ち味である動き出しの速さを随所に見せていた。

 一方で、やや動きが悪かったのは中村と稲本。中村はボールに触る回数が少なく、思うようにリズムに乗れなかった。そんなパフォーマンスを不満に感じたのか、全体練習の後には居残り練習を志願。最後までFKやシュート練習をみっちり行っていた。稲本もフラムで公式戦から遠ざかっているせいか、出足の遅れが目立ち、持ち前の展開力やシュート力が陰を潜めた。しかし稲本は大舞台になると、恐ろしいほどの強さを発揮する。ここ埼玉で行われた2002年ワールドカップ初戦・ベルギー戦でも、目の覚めるようなゴールをゲットしている。その強運は大いに期待できそうだ。

 イラク戦やオマーン戦直前の紅白戦で不安定な一面を露呈した守備陣は、宮本中心に課題を修正しつつある。「ボールを奪われた時の切り替えが一番のポイント。速い展開についていけるような判断力が必要」と気持ちを新たにしていた。2度目のワールドカップ予選を迎える楢崎も「最終ラインと相手が数的同数にならないようにカバーリングをしっかりしたい。それとセットプレーで失点しないように。どんなに攻めていても、1本でやられてしまったらどうにもならないから」と、厳しい戦いを勝ち抜く術を口にした。

 オマーンは平均年齢20.8歳と若い。しかし若さゆえ、気力・体力に満ち溢れている。しかもシュートがうまい。この日の練習を見ても、ゴール前の決定力は日本よりオマーンの方が優れていた。危険なポジションでフリーにしたら、彼らは確実に得点を取ってくるだろう。

 そういう最悪の事態を防ぐためにも、明日は早い時間帯に先制点がほしい。攻撃陣がいい形を作って確実にゴールに結びつけ、守備陣が90分通じてノーミスで戦えば、「勝ち点3」はモノにできる。特別な気負いせず、選手個々がやるべきことをしっかりやれば、必ずや、結果はついてくるのだ。

2004.2.17 Reported by 元川悦子
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