8月14日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第1節
市原 2 - 1 広島 (18:30/市原/5,467人)
得点者:'3 森崎和幸(広島)、'11 マルキーニョス(市原)、'60 マルキーニョス(市原)
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●オシム監督(市原):
「今日の試合で頭が痛くなりました。頑張って勝ったのは確かですが、自分たちにとってもサポーターにとっても苦しい試合をしたと思います。この暑さの中でしっかり戦って走るということはとても大変なことです。それによって苦しい試合になったと思います。今日のほかのチームの結果を見てみると、やはり日本のリーグはしっかりプロ化してきたと思います。どのチームも簡単に勝利を与えてくれません。そういう意味で、今日のような苦しい試合の中でうちが初戦で勝ったということは、とてもいいことだと思います。経験のあるうちの選手がディフェンスであのようなパニックになった試合を立ち上がり始めてしまったことがとても残念です。確かに相手はアグレッシブにプレーしていましたが。
長い間、このホームで勝てなかった中でサポーターも市原が勝つということを忘れていたのかもしれませんが、今回は勝つことができました。実際、ドイツやイギリスやフランスのリーグを見た中で、やはり第1節というのはものすごく難しいのです。そういう結果が出ていると思います。そういうなかでやはりうちがこの暑さの中で、厳しい試合の中で勝てたというのは大きいことです。ここでドイツの話をしても関係ないといわれるかもしれませんが、サッカーはサッカーですから」
Q:こういう暑い中でオシム監督は昨年は「クレバーに走れ」といわれましたが、クレバーの意味を教えてください。
「こういう暑さの中で賢くやるときの賢くという意味は、できるだけ経済的なプレーをすることです。自分勝手なプレーをせずに、自分勝手なドリブルをせずに、できるだけシンプルに全員でプレーするということです。多かれ少なかれ賢い選手は日本にもいるのですが、賢さの内容というのは先が読めるということです。例えばもう少ししっかり見て先を読むことができれば、40メートルのダッシュをせずにすんだかもしれません。そのプレーが何が起こるかを5秒先に予測していれば、余分な走りをせずに済むのです。それは力をたくわえるためです」
Q:今回のヨーロッパ選手権、アジアカップを含めてどんどん各国の差が縮まっています。一番の要因はなんでしょうか。
「不利だと思われているチームがしっかりサッカーを学んできているからです。そういう意味では日本もそのような形になってきています。すごく大事なことです。日本人も知っていると思いますが、そういう意味ではいい方向に向かっています。選手一人一人はそんなに力がなくても一つのチームとしていいプレーが、できるということがとても大事だと思います。特に日本代表がアジアカップで優勝したことはとても大事だと思います。そういうテーマで見て、Jリーグのすべてのチームがそういうプレーができることはいいことだと思います。今回の日本代表はジーコ監督が主要な6、7人の選手をほとんど変えずにずっと使いました。負けそうな試合でも耐えて使って結果が出たことはすごくよかったことだと思います。これは次のワールドカップ予選に対してすごくいい経験だったし、ここが最後にはまた絶対に重要になってくるポイントだと思います。でも、うちはうちなりにやるだけです。頑張れる選手もいるし、そういった点で少し落ちる選手もいますが」
Q:オシム監督は前々から初戦を警戒されていたと思いますが、今日勝った要因は何でしょうか。
「結局、市原は勝つには勝ちましたが、2-1でした。これがもしも相手がもっといいチームだったら、絶対最後に市原に追いついていたでしょう。実際には市原はまだ完全にいいプレーはできているわけではありません。市原というチームは誰か一人が抜けるだけで大変なチームなんです。そのなかで阿部や羽生が抜けていた。だから、ものすごく厳しい状態だったんです。彼らに代わって出る若い選手がいるのですが、まだレギュラーとして出るには程遠い位置にあります。皆さんはたぶんどんな相手に対しても、市原に対しても横浜FMに大しても名古屋や鹿島に対しても同じような質問をすると思いますが、全然違うチームですよ。特に市原がどういうクラブか考えてもらったときに、やはりシチュエーションは違うものですし、答えも違うと思います。そういう意味で、たとえば記者の皆さん、サポーターの皆さんは市原は優勝を目指しますというだけならいえるかもしれませんが、正直、私は今は言えません。まあ、世界中にいろいろな人がいて、いろいろなことを言うと思いますが、ここで大きなことを言うわけにはいきません。ただ、夢を見ることはいいことですけど」
Q:レアルマドリード戦では、セカンドステージに向けて選手たちには何を得てきましたか?
「レアル戦で一番選手に感じてほしかったことは、まず彼らがあれだけ見事なチームで、ものすごく給料をもらっていて、あれだけ有名で、あれほどの選手なのに、ちゃんとした人間の振る舞いをしたいたことです。試合が終われば、しっかりユニホームを交換したり、プロの振る舞いをして、うぬぼれていないということです。そしてもうひとつ、よく見てもらいたいのは、あれだけ才能のある選手たちなのに、どれだけ走っていたか。ラウールもベッカムもロべルト・カルロスもしっかり走っていました。そこを見てほしいんです。日本の才能ある選手は、逆にあまり走らない。才能のない選手が走っています。あの選手たちは才能がありながら、最大の努力をしています。そこを一番見るべきだと思います。彼らは自分たちが何をすべきか知っているからだと思います。そして、あれだけのテクニックを持った選手がシンプルにプレーしているんです」
Q:市原のチームに何か影響は見えますか。
「それはこれからわかると思います。ある選手はそれを理解できないでしょうし、ある選手はそれを理解しても実践できないかもしれません。ジダンがどういうプレーをするか理解できたとしても、ジダンになりきることはできません。市原にもいい選手は実際にいますし、日本の中にもいい選手はいるんですが、やはり少し注目されてメディアに騒ぎ立てられた選手はどんどん練習しなくなっています」
Q:いま、オシム監督がいわれたようなタレントが数人日本代表にいますが、うまい選手は走らない。どうやって走らせますか?
「実際は才能あるいくらかの選手はそれでも走ります。走らない選手は走りません。ただ、実際、それができないということは、才能があるとはいえないんじゃないでしょうか。一番注目を浴びる選手は、一番メディアが騒いでいる選手です。だから、そういう選手はメディアが騒ぎ立てることで作っているのかもしれません。逆にそういう選手を監督がベンチに入れてしまうと、また、なぜ出さないんだと騒ぎ立てるんです。私が逆にあなたにいいたいのは、日本はアジアカップで優勝しました。ものすごくいいプレーをしたと思います。でも、坪井も中田英寿も久保もいなかった。ここでジーコ監督がその3人を出さずに、これからもまた試合を続けたとしたら、メディアはなんと言うでしょうね。稲本も小野もいない。どうなるんでしょうね。負けたらまた入れるということになるかもしれませんが。皆さんは最後はメディアが正しいということに持っていくのかもしれません。私は私の努力をやっていきますが、最後はメディアが自分たちのいいように持っていくんじゃないですか。(最後に)市原は(いまの質問をした)彼が仕切っているようです」
以上
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