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【J2:第28節 大宮 vs 横浜FC レポート】お互いに「勝てた」と感じた消耗戦。前後半でまったく違う試合展開の中で両チームの課題が浮き彫りに。(04.08.15)

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8月14日(土) 2004 J2リーグ戦 第28節
大宮 1 - 1 横浜FC (18:30/大宮/5,100人)
得点者:'25 森田浩史(大宮)、'70 眞中靖夫(横浜FC)
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気温29.8℃、蒸し暑さが充満した大宮公園サッカー場。両チームとも勝ち点3が欲しい試合は、前後半で試合内容を一変させる展開の末、ドローで終えた。

大宮は前節・水戸戦でスタメンから外れた氏家が復帰。FWには前節、途中出場ながらも同点ゴールを生み出した森田を起用し、縦への速さが魅力のトゥットと2トップを形成。対するアウェーの横浜FCは前節同様FWに大久保を起用。攻撃の起点となるポストプレーが期待された。試合開始直後は横浜FCの左サイドバック中島が再三、大宮陣内に侵入。何度か決定的なチャンスも作り出すがゴールには至らない。しかし中島の攻撃も15分過ぎからは対面の安藤にスペースを消され始め、それとともに徐々にペースは大宮へ傾いていく。その中で生まれたのが大宮の先制点、25分左サイドのコーナーキックから島田がピンポイントで森田に合わせる。森田の2試合連続ゴールで大宮が先制したことで一気に試合の流れが速くなるかと思われたが、大宮の攻めがそれ以上活発になることもなく、また横浜FCも必要以上にラインを下げ過ぎてしまい中盤からの繋ぎでミスを連発、全体的に低調な前半となってしまう。

後半に入ると流れが一変。横浜FC・リトバルスキー監督は後半開始からFWに城、眞中(靖)を投入。この選手交代で横浜FCは前半の内容が嘘のように中盤から前線へボールが回り始める。その流れの中で大宮の三浦監督は62分、先制点を挙げた森田に替えてDF登録の斉藤を投入し早くも守備を固める。この交代によって、守る大宮、攻める横浜FCの構図が作り出される。そしてひたむきに攻め続ける横浜FCに、待望の同点ゴールが生まれる。70分、中央からのフリーキックをトゥイードが競り勝つとゴール前にはGKと1対1になった眞中(靖)が。これを眞中(幹)が落ちついて決め、試合は振り出しに。守備を固める戦術の大宮はこの同点ゴールの直後、すぐに攻撃的な選手であるチーム得点王のバレーを投入(71分)。トゥットとともに素早いカウンターから勝ち越し点を狙うシステムへ急遽変更を余儀なくされる。

これで残り20分間はボールポゼッションから攻める横浜FCに対し、カウンターでゴールを襲う大宮の形が鮮明に。お互いに連戦の疲れからか足が止まる選手も出始めてはいたが、前半の乏しい内容から一変してスリリングな攻防が繰り返された試合はそのままドローで終了。お互いに「勝てたのでは」と思わせるシーンがあっただけに、試合後のミックスゾーンで笑顔の選手は少なかったが、それぞれの課題が見えた試合ともなった。その課題とは、大宮は失点のシーンがそうであったように集中力が切れたシーンが何度となく見られたこと。横浜FCは相変わらずの得点力不足がこの日も解消されなかったこと。両チームともこの課題が解消されない限り、今以上の順位へ到達することは厳しくなってくるであろう。

前後半でまったく違う顔を見せたこのゲーム。前半から何度も熱い攻防を見せたトゥット(大宮)とトゥイード(横浜FC)のマッチアップなど見所が多い試合ともなった。その中でも最も印象的なシーンはチーム加入後7試合目にして待望の初ゴールを挙げた眞中(靖)がゴールの直後、ベンチ横でアップをする兄・眞中(幹)に抱きついたシーン。それぞれ数チームを渡り歩いて苦労を重ねた35歳と33歳のサッカー人が「生まれて初めて抱き合った(靖夫)」シーンは感動的なものであった。

以上

2004.08.14 Reported by 小島耕
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