9月11日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第4節
横浜FM 3 - 0 磐田 (16:03/国立/28,713人)
得点者:'15 奥大介(横浜FM)、'31 坂田大輔(横浜FM)、'61 安貞桓(横浜FM)
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試合後、磐田のFW中山とMF藤田はなかなか報道陣の前に姿を現さなかった。他の選手がミックスゾーンでの取材対応を終え、バスに乗り込んでから20分は経った頃だろうか。ようやくロッカールームから出てきた藤田がしぼり出すように口にした言葉は「完敗の一言です」。続けて姿を見せた中山は「情けない結果」と顔を歪めた。
ゲームは試合開始直後に、リーグ初先発となった磐田FWカレン ロバート(この日は右サイドのMF)がシュートを放ち、磐田の9試合ぶりの「先制点」に対する並々ならぬ気持ちを感じさせる幕開けとなった。しかしその1分後には横浜FMのFW坂田の惜しいシュートシーンが生まれ、その後しばらくは両チームほぼ互角の展開。
ここまで未勝利と2ndステージの不調が取り沙汰されている磐田も、攻守の切り替えも良く横浜FMへのプレスも効いており、決して悪い試合の入り方ではなかった。しかし、その磐田が喉から手が出るほど欲しかった先制点をあっさりと横浜FMに献上したのは15分。右サイド田中(横浜)からのボールを、FW坂田がペナルティエリア内でバランスを崩しながらも中央で待っていたMF奥に折り返し、これを奥が右足でゴール。「先制されて、また負けちゃうのかという雰囲気になった」と磐田DF田中が振り返ったように、ここからゲームは横浜FMの一方的な展開となる。
追加点は31分。磐田の中盤のチェックが甘く、自由にプレーできる場面が多くなっていたMF奥からボールを受けたFW安がFW坂田にスルーパス。抜け出した坂田は、すがりつく磐田DF田中を尻目に落ち着いて左足で決め、これで2-0。この後もすべての面で後手後手に回る磐田に対し、横浜FMの追加点のチャンスが続いたが決めきれず、このまま前半は終了した。
磐田は後半開始からDF田中に替えてFW中山を投入し反撃を試みる。が、少し攻撃のリズムができたものの決定的な場面は作れず、逆に後半に入ってさらに運動量の落ちた中盤でのプレスが効かず危ないシーンが目立つように。
そして後半16分、横浜FMが待望の3点目を手に入れる。MFドゥトラとのワンツーで抜け出したMF奥が左サイドから中央に放り込んだボールを、FW安が頭で叩き込み勝負を決定付けた。この時すでにベンチのMF森下とMF成岡を用意していた磐田・桑原監督はそのまま2人を投入し、3トップ気味の布陣で1点を取りに行くが、状況が好転することなく、結局磐田の選手がゴールネットを揺らすことは一度もないまま試合終了となった。
「力の差を見せ付けられた」と磐田・桑原監督は会見で完敗を認めた。確かにこの日の横浜FMの守備は素晴らしく、その守備がいい形の攻撃を生み出していた。高い位置でボールを奪い、速攻に繋げる。いったん下げても、相手を引き付けてから攻撃へと転じる余裕もあった。中、外とボールを散らし、人が動き続ける。
すべての得点に絡んだMF奥は「誰が良かったとかじゃなく、全員がMVP」と胸を張った。
ただ、横浜FMがいいサッカーをしたのは事実としても「磐田からはプレッシャーを感じなかった。怖さ? なかった」と横浜FMの田中がコメントしたように、横浜FMの選手が今の磐田に「あの磐田に完勝した」と喜ぶ気持ちは持てないだろう。
「スピードにも付いていけないし、パスミスも多い」と話した磐田・桑原監督をはじめ、「点の取られ方も悪いし、攻撃の時の連動もない」(MF服部)、「勢いも運動量も向こうが上」(MF藤田)、「チーム全体が動けていない」(MF菊地)など、試合後の選手たちから聞こえてきた反省の弁を挙げればきりがなく、今後への前向きな言葉を探すのは難しかった。
最後までFW中山と共にロッカールームに残っていたMF藤田は、「何を話したってわけじゃないんだけど…なんでこうなっちゃったのかって。いや、それも口に出したわけじゃないんだけどね」と2人の時間を説明した。次々と人がいなくなるロッカールームの中、磐田の黄金期を支えてきた2人のベテランはどんな気持ちでいたのだろうか。
Jリーグの看板カードであったはずの「横浜FM vs 磐田」。今日の試合を見た人々は、少なくともJリーグの勢力図の変化をはっきりと確認することはできたのかもしれない。
以上
2004.09.12 Reported by 高木聖佳
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