9月11日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第4節
F東京 3 - 1 神戸 (19:04/味スタ/16,591人)
得点者:'2 ケリー(F東京)、'13 播戸竜二(神戸)、'23 ケリー(F東京)、'80 阿部吉朗(F東京)
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ともにここまで1勝2敗と滑り出しでつまずいたF東京と神戸の一戦。結果は3-1でF東京の勝利に終わった。いきなりのPK、そして退場劇とリズムが崩れやすい難しい試合となったが、両チームとも反省点と好材料が浮かび上がったという意味で好ゲームとなった。
相次ぐ主力の故障で苦しい陣容のF東京は1トップに近藤を起用。「どのくらいできるか」と原監督はピッチに送り出したが、この試みはうまくいき、近藤は縦への強烈な突破力や強いフィジカルを活かしたポストを見せて攻撃の起点となっていた。対する神戸はチームがまだ固まっておらず、右サイドバックにコンバートしたばかりの小島をこの試合では左サイドで使い、左サイドバックのホージェルとのコンビを試してきた。こちらの起用もいい方向に作用し、小島はどこで働いても機能する万能ぶりを発揮していた。
試合は開始早々動きを見せる。ペナルティエリア内でケリーの落としを受けようとした近藤と、それを防ぎにいった北本が接触。微妙な判定だったが、結果は北本のイエロー。F東京にいきなりチャンスが転がり込み、ケリーが冷静にPKを決めた。これで良くも悪くも流れが変わってしまった。開始直後からサイドで鋭い出足を見せていたF東京はこれで心に隙間が生じたのか、動き出しが鈍くなり、「嫌な予感はしていた」という原監督の予感が的中。選手たちから口々に反省の弁が出たように、サイドの仕掛けが減ってしまい、ピリッとしないまま神戸に同点弾を浴びる。21分には、またも近藤に対するファウルで北本が2枚目のイエローで退場。このPKもケリーが決めて1点リード、そして数的有利と序盤にして圧倒的な優位に立つのだが、この試合でも相手に合わせてしまうというF東京の悪癖が顔を出す。ファーストステージの市原戦では2点先行、数的優位という展開から引き分けに持ち込まれた前科があり、なぜか弱っている相手に襲いかかれない『優しさ』を見せてしまう。
そんな流れを代えたのが、スーパーサブ・阿部。57分に投入されると、果敢に勝負を仕掛けて味方に刺激を与える。今の阿部は投入されることで、原監督の「前へ行け」という強烈なチームへの意思表示となり、また選手たちもそのメッセージを敏感に感じ取ることのできる、大きな存在感を見せ付けている。80分には馬場の右サイド突破からダメ押しの3点目を決めたのも阿部で、結果を出すことでさらに信頼感を勝ち取っており、ますます貴重な切り札となっている。そして宮沢の投入も然り、選手たちは監督の暗黙の指示をしっかりと受け取り、代名詞のサイドアタックを取り戻し、最後は神戸を押し込んで勝ち切った。内容自体は決して良い出来だったとは言えないが、チームが同方向のベクトルで動けることを覗かせたということでは好ゲームだった。
一方、いきなりのPKで苦しい戦いとなった神戸。まだまだチームとしての完成度は望むべくもないが、ホルヴィを起点とした組み立てには可能性を感じさせた。13分の同点ゴールのシーンは見事なもので、そのホルヴィのフィードを播戸がヘッドでサイドに流し、朴康造が右を突破してクロス。これを播戸が押し込むという流れだったが、今後の参考になる形を示せていた。北本の退場でゲームプランは崩れてしまい、その後は前へ放り込むだけの傾向になってしまったが、それでもある程度の攻撃に繋がるのだから、このチームの潜在能力は決して低くはない。エムボマの高さとキープ力、播戸の突破力、ホルヴィのパス精度、そして地味ながらも機能していた小島の攻守に渡るつなぎ。個々人は随所に光るところを見せていた。あとは、ちょっとしたこと、例えばひとつのパスワークだったり、決定機だったり、ゴールだったり、そして勝利だったり。うまく化学反応が起きさえすれば好転しそうな何かを秘めている、そんな印象を与えた。
以上
2004.09.12 Reported by スポマガ WORLD SOCCER
J’s GOALニュース
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