11月28日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第15節
市原 2 - 1 磐田 (13:02/市原/12,734人)
得点者:'40 グラウ(磐田)、'41 佐藤勇人(市原)、'50 要田勇一(市原)
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試合後のセレモニーでは市原の淀川隆博社長に続いて、キャプテンのMF阿部勇樹が挨拶をした。「今日は勝ちました!」とスタンドに向かって大きな声で叫んで始まった挨拶だったが、「天皇杯では負けてしまったので、今日の最終節はなんとしても勝ちたかった。こんなにたくさんのお客さんが来てくれて…」と話したところで、突然、阿部の声が途切れた。感極まったのか涙ぐんでいたのだ。少しの間があってから、阿部は「うれしいです。ありがとうございます」と言葉を続けた。今日の観客数は公式記録によると12,734人。磐田サポーターも数多く訪れてくれていたとはいえ、市原臨海競技場では1stステージ第4節鹿島戦(10,559人)以来の1万人超えだった。そして、その観客の前で市原は今シーズン最後の公式戦をしっかりと勝利で飾った。
市原は負傷箇所が回復したDF茶野隆行がDF水本裕貴に代わった以外は、前節と同じスタメン。対する磐田は「疲労があったので休ませた」(山本昌邦監督)と、MF藤田俊哉を帯同しなかった。そして、前節はボランチだったMF名波浩がトップ下に入り、MF福西崇史と組むボランチには前節はDFだったMF服部年宏、そして前節はサブだったDF山西尊裕がスタメンに復帰し、GKは前節の岩丸史也に代わって松井謙弥が起用された。
試合開始から主導権を握ったのは、前節とは出場メンバーや選手のポジションを変えた磐田のほうだった。中盤での素早いパス回しでどんどん市原を押し込んでいく。だが、前半12分のFWグラウの決定的なヘディングシュートがゴールポスト横に外れると、それまで劣勢だった市原が中盤でのボールカットから反撃を仕掛けるようになった。
試合が動いたのは前半39分。磐田が右サイドから仕掛け、グラウがペナルティエリア内に突破。「自分とクシ(GK櫛野亮)の間でミスがあった」(茶野)ことから、櫛野がグラウを倒してしまい、PKの判定となる。これをグラウがきっちりと決めて、前半40分に磐田が先制した。ところがそのわずか1分後、市原に同点ゴールが生まれる。右サイドからのMF水野晃樹のロングスローから、ゴール前にいたMF佐藤勇人がオーバーヘッドのような見事なシュートを決めたのだ。試合後、磐田の選手たちはロングスローを警戒するよう指示されていたが、それはFW巻誠一郎をターゲットにしたものだったことを明かした。しかし、市原はその裏をかくかのように、練習していたという佐藤をターゲットにしたパターンを成功させて、前半のうちに同点に追いついた。
磐田にとって誤算だったのはロングスローのパターンだけではなかった。試合後に服部が「パスをつないで走ってくる、これまでの市原と違ってロングパスが多かった」と振り返ったように、オシム監督が指示した攻撃に対しては磐田の中盤のプレスが思うように効かず、逆にスタジアムのピッチの状態が万全でないためパスワークに乱れが出るところを市原の選手に狙われてしまったのだ。そして、市原の2得点目はまさにオシム監督の指示通りだった。後半5分、直接FKで櫛野が蹴ったボールを巻がヘッドで落とし、それを受けたFW要田勇一がシュートしたものだった。
前節はF東京の猛攻に屈して同点に追いつかれた市原だったが、この日は磐田の反撃に粘り強く対応した。磐田は後半11分にFW前田遼一に代えて入れた俊足のFW川口信男を左ウイングバックにして、左ウイングバックのMF西紀寛をFWに、後半22分には名波に代えて入れたMF河村崇大をボランチに置いて、福西をトップ下に上げるなどして得点を狙った。しかし、市原もまた後半27分に要田に代えてMF工藤浩平を入れて中盤の運動量を増やし、水野とMF坂本將貴のポジションを変えるなどして対処した。シュートミスにも助けられた面はあったが、後半は磐田の得点を許さず、市原が2−1で勝利を収めた。磐田は11本ものシュートを放って攻勢だった前半に1点しか奪えなかったことが響いた。
セレモニーが終わってから、場内を一周した選手たちがロッカールームに戻ったのは15時45分ごろ。試合が終わってから1時間が経過するほどの長い時間、選手たちはスタンドに残っていたサポーターに感謝を捧げるように手を振り、サイン入りグッズを投げ入れた。来シーズンこそは、この選手とサポーターの交流が初タイトル獲得後のウイニングランになることを祈りたい。
以上
2004.11.28 Reported by 赤沼圭子
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