12月12日(日)19:10キックオフ/横浜国際総合競技場
第25回トヨタ ヨーロッパ/サウスアメリカ カップ
FCポルト(ポルトガル) 0(PK8-7)0 オンセ・カルダス(コロンビア)
MVP:マニシェ(FCポルト)
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シュート数は23対4。しかも、オンセ・カルダスの4はすべてMFのビアファラが放ったものだった。決定的なチャンスはたった一度だけしか作れなかった。そして試合の途中からは攻撃を放棄する始末。延長戦が終わり、PK戦突入が決まった瞬間に、肩を落とすポルトの選手とは対照的に、オンセ・カルダスの選手はガッツポーズを見せる者もいたほどだ。PKに持ち込んだところまでは狙いどおり。コパ・リベルタドーレスでもPK戦で2回勝利し、絶対の自信を持っていた。
だが、ポルトの4人目のマニシェがPKを外し、5人目ファブロが決めれば勝ちという状況でチャンスを逃した。攻めることを放棄したオンセ・カルダスを神様が見捨てたとしか言いようがない。皮肉なことに、攻撃面で光るプレーをを見せていたファブロとガルシアがPKを外し、ポルトの史上2度目となるトヨタカップ制覇が決まったのだ。
前半からオンセ・カルダス陣内でゲームが展開された。ジエゴが中盤でボールを持つと、何度も厳しいディフェンスに倒されてFKを得る。それをまたジエゴが正確なキックでゴール前のチャンスを生み出すが、オンセ・カルダスのディフェンスとGKのエナオが確実に跳ね返して得点機は生まれない。
最大のチャンスは38分だった。左からのFKがゴール前を抜けてエナオも反応が遅れてしまう。だがボールはポストをたたき、跳ね返りをDFがクリア。だがクリアが小さくなり、そこにマッカーシーが飛び込むが、ボールはゴールのはるか上空に飛んでいってしまった。
その後にオンセ・カルダスがこの試合で作り出した唯一のチャンスがやってくる。速攻から最後はファブロのスルーパスにビアファラが走り込む。だが、シュートが足のアウトにかかってしまい枠を捕らえられなかった。
前半のオンセ・カルダスは10人が自陣で守っていたが、後半途中からは全員が自陣に引きこもってしまった。ボールを奪ってもクリアするだけで、攻撃する意思が感じられない。ポルトは69分にカルロス・アウベルト、79分にクラレスマを投入するが、密集するゴール前はどうしてもこじ開けられない。マッカーシーが放った強烈なロングシュートはエナオを抜くが、惜しくもバーをたたいて外れてしまう。
延長の前半はお互いに見せ場を作れず、時間だけが過ぎていった。すると、13分にアクシデントが起こる。ボールを受けたジョルジ・コスタが後ろを振り返り、ビトル・バイアの意思を確かめるとボールをピッチの外に大きく蹴り出した。ビトル・バイアは持っていた水を頭からかけながらピッチに仰向けに倒れ込んだのだ。その後、けいれんを起こしたためすぐに病院へ運ばれた。幸運にも、まだ交代枠を一つだけ残していたポルトは、まったくアップをしていないヌノを代わりに投入する。そして、ビトル・バイアも無事にホテルへ戻ったという。
延長後半もポルトは形を作る。クアレスマが放ったループは枠を外れ、カルロス・アルベルトがサイドから入れたクロスもゴール前わずかに合わなかった。
PK戦でも珍しいシーンが見られた。PKを蹴る前からエナオに挑発的な言葉を発していたジエゴが、PKを決めるとエナオの元に駆け寄って罵声を浴びせた。そこに主審が近寄りジエゴにレッドカードを提示する。PK戦でレッドカードが出るという、前代未聞の事件が起きてしまったのだ。
しかし、このジエゴの行為には背景があったのだ。今回のトヨタカップの予選となるコパ・リベルタドーレスで、サントス(ブラジル)の一員として出場していたのだ。そしてオンセ・カルダスに敗れていた。ポルトに移り、そのときのリベンジを果たすチャンスが巡ってきたが、120分の間にゴールを決められず、試合を決定付けるような仕事もさせてもらえなかった。しかも、執ようなマークにあって、イライラも募っていたのだろう。そのイラ立ちがジエゴの愚かな行為につながってしまったようだ。その後は平和にPK戦が進んで行き、最後はオンセ・カルダスの9人目のガルシアが外し、ポルトのペドロ・エマヌエルが決めて決着がついた。
この日、スタジアムを埋めた観衆は45,748人。レアルやミランのスター選手の試合なら高価なチケットを手に入れてでも、日本のサッカーファンはスタジアムに足を運ぶ。しかし、ただ海外のトップチームがやって来るだけでは、もう日本のスタジアムは埋まらなくなってきたのだ。
また最近は南米とヨーロッパの力の差が開き過ぎてしまっている。南米のチームは決まってディフェンシブな戦術で勝利だけを追い求める。その結果、まったく面白みのないゲームになってしまう。徐々に目の肥えてきて日本のサッカーファンも、本当に見たい試合にしか足を運ばなくなった。ただでさえ1万円以上もするような、高価なチケットなのに、出場する選手がまったく知らないのでは、スタジアムから足が遠ざかるのは当然である。
最後のトヨタカップとしては物足りない内容だった。しかし、逆にこの大会の意義が薄れ、南米対ヨーロッパの対決という方式を変えるタイミングとしてはベストではないだろうか。同じ延長戦なら、前日のチャンピオンシップの方を楽しんだサッカーファンの方が圧倒的に多かったことだろう。
以上
2004.12.13 Reported by 増田拓弥
J’s GOALニュース
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