2004年12月26日(日)13:00 Kick Off/長居スタジアム
鹿島ユース 0(3 PK 1)0 広島ユース
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タフなゲーム。この試合を見た人なら、皆が似たような表現でこの試合を形容をするだろう。立ち上がりから激しいぶつかり合いがピッチ上のそこかしこで展開され、「殴り合い」が展開された。「フラットにならないようにした」という鹿島DF野本泰崇(3年)の言葉どおり、常にCBのどちらかがカバーリングポジションを取る鹿島が、深くて激しい守備網で広島の攻撃を絡め取り続けた。
前半、どちらかといえば、優勢だったのは広島である。しかし、「なめていた」わけではないだろうが、ゴールが遠い。鹿島の早い寄せの前に桑田と3トップがいい形でボールを持つことができず、つぶされるシーンが頻出。広島の決定機は23分、鹿島DFのクリアミスから平繁が放った右足のシュートがバーを直撃したシーン以外は、セットプレーのみ。鹿島守備陣を「崩す」というシーンを見ることはほとんどできなかった。「やられる気はしなかった」という野本やDF鈴木寿毅(3年)の回想は率直なところだろう。対する鹿島もまったくチャンスらしいチャンスはなかったが、ハーフタイムに河崎監督が「ゲームプラン通り」と語ったように、広島の攻撃を「殺す」ことに成功した時点でこれは鹿島のペースだった。
後半から勝負に出たい広島だったが、田嶋・吉澤のダブルボランチが中盤の底を完全にケアし、両SBが1対1で粘り強く守りつづける鹿島の守りを突破するのは容易ではなかった。69分からMF田中祐樹(3年)を投入し、ボランチにいた高柳一誠(3年)をトップ下に移して、攻勢を狙うがこれは奏功せず。逆に速攻からFW大道広幸(2年)、MF山本拓弥(3年)が効果的に絡む鹿島にいい形も生まれるようになっていく。しかし、DF藤井大輔(3年)を中心に守る広島守備陣も最後の最後で体を張って鹿島の攻撃をブロック。72分、大道が放った決定的なシュートもGK佐藤昭大(3年)に阻まれてしまった。足が止まり始める時間帯になっても球際の「激しさ」と「強さ」を緩めようとしない両チーム。試合は完全な一進一退。決定機が生まれかけたときは決まってどちらかのチームの「誰か」が身を投げ出してそれを防いでいた。
延長に入ってもこの流れに大きな変化はない。110分間に及ぶ死闘は勝者を決定できないままに延長戦も終了を迎えた。続くPK戦は「守りきった」という感触があった鹿島に分があったのだろう。この大会に入ってから正GKの座を奪還した鹿島の杉原一貴が、広島の2番手から4番手までの3人のキッカーの眼前に立ちはだかり、Jユースカップの12代目の王者がどこなのかを決定させた。
鹿島の見事な勝利だった。実に6年ぶりとなる優勝の栄誉。この勝利は鹿島がジュニア年代から地道に選手を発掘し、育成して積み上げて来たもののひとつの結実だったといえるだろう。12年前に「鹿島アントラーズ」がその活動を本格化させた時に、5、6歳だった選手たちが鹿島の歴史に小さな「冠」を加えてみせた。
以上
2004.12.27 Reported by 川端暁彦
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