5月4日（水） 2005 J1リーグ戦 第10節
千葉 1 - 1 広島　（16:02／市原／9,398人）
得点者：'18 佐藤寿人（広島）、'57 阿部勇樹（千葉）
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●オシム監督（千葉）：

「前半の悪いプレーを考えたら、まあまあの結果に終わったと思います。後半は相手の陣内でずっとプレーしていて、やるべきことをやったのですが、効率のいいプレーができなかったと思います。もちろん選手はやれることをやろうとしたわけですが、問題はそれがどこまでできるということです。

広島のほうは先制点を取ったということで引いて守って、疲労を減少させるようなプレーをしていたわけで、うちはやはりリスクをかけざるを得なくて、前のほうから攻めていきました。うちがこんなに簡単にゴールを入れられないチームだったら、こういう試合は落としていません。やはりあのようにゴールを入れられたら勝てません。後半に関してはあまり言うことはありません。しっかりプレッシャーをかけて、前に攻めに行った。ただ一つ、クロスボールを何度も上げたが、中で競る選手がいなかった。それならば別の方法を考えるべきだったのかもしれません。うちに足りないのは、選手個々の質です。

あるシチュエーションにおいてはチームメートが助けるのではなくて、一人で打開せざるを得ない部分もあると思っています。それは事実です。

結果的にはしっかりやったと思いますし、対戦相手もしっかりやったと思います。」

Ｑ：今日はチャンスを作ったが決まらなかった。オシム監督にとって決定力とは？
「決定力とはシュートを打って枠に入れることじゃないですか。必要な場所から点を取るということです。それには勇気が必要ですし、あとはダイレクトにゴールに向かっていくということも大事です。うちの選手はゴール前で横に横にパスをつないで、あたかもハンドボールのようです。でも、相手の守備陣は体がごついが、うちの中盤の選手はほとんど全員が体が軽い。そういう選手がゴールに向かってまっすぐ突き進むことは難しいんです。うちの選手も日本の歴史の中から神風を学ばないとダメではないですか。いわば、必要な場所に特攻していくというのも必要ではないでしょうか。今のサッカーではそういうプレーが必要ではないですか。

エレガントにやるだけでゴールを取るというのは難しいと思います。どこかでリスクを冒さないとなりません。両チームにとって、今日点を取った場面はリスクを冒した場面だと思っています。記者の皆さんのほとんどはどこかのチームを応援しているわけではなくて中立の立場にいると思いますが、私は千葉というクラブを個人的に自分がいる場所として見た時に、やはり正直に言って選手が全員ケガをせずに集まればもう少し何かできるチームだと思います。

しかし、今の状態からして客観的に見れば、これが限界だと思っています。そうであれば、上位に食い込むよりは、Jリーグの中で何か別の役割をやるべきだと思っています。毎回、私は試合が終わるとここに来て、今の現状でなぜ負けたか説明しますが、なぜ負けたかというと相手のほうがいい選手がいるからです。

私の戦術面のミスだというふうに受け取ってもらってもいいですが、実際に客観的に見れば、これがこのチームの現状で、このチームの質がこの状態だと思っています。そういうことを認めることも大事だと思っています。

そういうことを知ることが選手にとっても大事だと思っています。試合に勝って何度も何度もインタビューを受けて、それで自分たちは強いんだと思ってしまう。普通の人間が普通のことをやっているだけで、負けた時には全然インタビューなんて来ませんよ。選手はそれを受け止めるべきです。

普通に考えて、試合が終わって１週間経った。その１週間ですごいチームができるわけがありませんよね。勝ったり負けたりしても、実際はチームは一つのシーズンを通して成長したり、何か変わっていくわけで、１週間で何かが変わったりするわけではありません。全ての監督が上を目指していますが、上といっても上はそんなにスペースはありませんよ。そういうふうに私は思っているのですが、私のミスだといわれれば私のミスでいいです。ただ、選手を批判したりはしていません。」

以上