5月8日(日) 2005 J1リーグ戦 第11節
浦和 0 - 0 千葉 (14:05/埼玉/50,643人)
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タイムアップの笛が鳴った瞬間、真っ赤に染まったゴール裏が奇妙な静寂に包まれた。3連勝を期待したサポーターたちは攻めあぐねる浦和の戦いぶりに落胆したのだろう。選手たちが挨拶にやってきた時にはブーイングも聞こえたほどだ。それでも試合後、田中達也は「負けなかったことが次につながる」と前向きに言い切った。確かに浦和にとっては幸運な、逆に千葉にとっては不運なスコアレスドローだった。中位脱出を目論んだ両軍だったが、残念ながら順位を1つずつ下げる結果となってしまった。
2005年J1第11節・浦和対千葉の一戦がゴールデンウイーク最終日の8日、14時から埼玉スタジアム2002で行われた。気温が低く、時折小雨の降るあいにくのお天気だったが、今回も5万人を超える大観衆が押し寄せた。
5月に入って連勝中のホーム浦和。義父の葬儀のため急きょドイツへ帰国したブッフバルト監督も戻り、3連勝への臨戦態勢は整った。この日のスタメンはGK都築、DF(右から)坪井慶介、田中マルクス闘莉王、内舘秀樹、右サイド・山田暢久、左サイド・三都主アレサンドロ、ボランチ・鈴木啓太、長谷部誠、トップ下・永井雄一郎、FWエメルソン、田中達也。ここ2試合と同じ3-4-1-2だ。千葉も同じシステムで、GK櫛野亮、DF斎藤大輔、ストヤノフ、水本裕貴、右サイド・水野晃樹、左サイド・坂本将貴、ボランチ・佐藤勇人、阿部勇樹、トップ下・羽生直剛、FW巻誠一郎、ハースが先発した。
オシム監督が「今、浦和と当たるのはタイミングが悪い」と話した通り、勢いでは浦和に分があると見られたこの試合。実際に序盤は浦和ペースだった。開始32秒に鈴木からのスルーパスを受けた田中が鋭いシュートを放ち、11分にはエメルソンのシュートがゴール横をかすめるなど、自慢の攻撃力がいつ爆発してもおかしくない雰囲気だった。
けれども千葉の堅守にも凄まじい迫力があった。斎藤が田中、若き水本がエメルソンをマンマーク。J屈指の強力2トップを1対1で次々と止めた。キャプテン阿部勇樹も永井雄一郎を消し、佐藤が長谷部を密着マークする。その手堅い守りで浦和のリズムを崩し、じわじわと主導権を握る。そして36分には水野のクロスに合わせて抜け出した巻がファーサイドで左足ボレーを放った。タイミング的にはドンピシャリだったが、残念ながらシュートはワクの外。前半終了間際にも巻がフリーでヘッドに行くが、これも得点には結びつかなかった。
0-0のまま迎えた後半。千葉の「人とボールが動くサッカー」が一段と機能し始める。だが、阿部のミドルシュートが2度もポストに当たり、羽生のヘディングシュートがGK都築に弾かれるなど、ゴールの女神はなかなか微笑んでくれない。「今日は今季初めて失点ゼロにできたし、勝てた試合だったけど、肝心のシュートが入らなかった。こういう試合をしていると苦しくなる」と水野も反省しきりだった。
一方の浦和も連戦の疲れに加え、個人個人がドリブル突破に頼りすぎて攻撃の形が作れなくなった。組織力で戦う千葉とはまさに対照的。「もっとパス交換をしながら攻めたかったが、今日はかみ合わなかった。オフ・ザ・ボールの動きも悪かった」とブッフバルト監督も認めざるを得なかった。山田、三都主の両サイド攻撃も不発。そこでブッフバルトは早い時間帯に三都主と永井を諦め、平川忠亮と岡野雅行をほぼ同じタイミングで投入。山田をトップ下に上げて局面打開を試みるが、うまくいかない。逆に中盤でボールを失ってカウンターを食らうケースもあり、彼らは「オシムサッカー」の術中にはまってしまった。終盤にはエメルソンがフリーでシュートを打ったが、これもクロスバーの上。1週間前の名古屋戦で見せた「強い浦和」の再現はならなかった。
それでも浦和はラッキーな勝ち点1は手に入れた。GK都築のスーパーセーブ、守備陣の無失点など前向きな部分もあった。あとは攻撃面だ。中断前最後のゲームとなる14日の横浜FM戦までに連携を修正しなければならないだろう。
内容的には完全に勝った千葉も、勝ち切れないままでは上位進出など夢のまた夢だ。今の組織的かつアグレッシブなサッカーを維持しつつ、結果を追求するしかない。
以上
2005.05.08 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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