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【AFCチャンピオンズリーグ2005:山東魯能秦山(中国) vs 横浜FM】那須の先制ゴールも実らず。山東に敵地で敗れ、ACLグループリーグ敗退が決まった横浜FM(05.05.12)

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○AFCチャンピオンズリーグ2005 予選リーグ グループF
5月11日(水)19:30キックオフ(現地時間)/済南
山東魯能秦山(中国) 2-1 横浜FM
得点者:7' 那須大亮(横浜FM)、39'・90+4' Zheng Zhi (山東)
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1万人以上の警察官がスタジアムをグルリと取り囲み、スタンドも警備関係者が半数以上を占めるという異様なほどの超厳戒態勢下で行われた山東魯能泰山 対 横浜F・マリノス戦。その物々しさを象徴するかのように、イエローカード5枚が乱れ飛び、タンカを運ぶ救護隊員と河合竜二、ハーフナーGKコーチが退席処分を食らうなど試合は荒れに荒れた。
この乱戦を制したのは、地元・山東だった。横浜FMは那須大亮の先制ゴールで幸先のいいスタートを切りながら逃げ切れず、「アジア制覇」という夢を叶えることはできなかった。

 アジアチャンピオンリーグ(ACL)グループFの第5戦・山東対横浜FMの頂上対決が11日19時30分から済南の山東スポーツセンターで行われ、山東が2-1で横浜FMを下して1次リーグ突破を決めた。
 反日ムードの高まる中、行われたこの試合。横浜FM側が「安全を保障しなければ中国には遠征しない」と主張したこともあって、スタジアム周辺は凄まじい警備体制が敷かれた。スタンドには約3万人のサポーター、警察関係者が陣取ったが、横浜FMにとってはまさにアウェー。「ボールボーイから全ての観客までが『自分たちのチームを勝たせるんだ』という気持ちを出していた」と中澤佑二も指摘する。

 そんな状況下でも、2点差以上の勝利を挙げなければ、横浜FMはグループ首位に浮上することができない。岡田武史監督が送り出したスタメンはGK榎本哲也、DF(右から)中澤、松田直樹、河合、右サイド・田中隼磨、左サイド・ドゥトラ、ボランチ・奥大介、那須、トップ下・大橋正博、FW安貞桓、大島秀夫の3-4-1-2。発熱のため前日練習を欠席したドゥトラ、スポーツヘルニアを訴えた那須も何とかピッチに立った。対する山東は予想通りの4-4-2。GK・Yang Cheng、DF・Shu Chang、Jiao Zhe、Predrag Pazin、Wang Chao、ボランチ・Gao Yao、右MF・Li Xiaopeng、左MF・Cui Peng、トップ下・Zheng Zhi、FW・Ionel Danciulescu、Li Jinyuだ。
 曇り時々雨という天気予報が外れ、穏やかな快晴に恵まれる中、始まったこの試合。勝利しかない横浜FMは立ち上がりから果敢に攻めた。そして開始7分、大橋の左サイドからのFKに合わせて那須がヘディングシュート。これが見事にゴールをとらえ、横浜FMが願ってもない先制点を挙げた。

 だが、この1点が相手の猛攻に火をつけてしまう。山東はロングパスを多用し、横浜FMの最終ラインを下げさせ、中盤に広いスペースを作ってボールをコントロール。ポジションチェンジを繰り返しながら横浜FM守備陣を翻弄。サイドをえぐってクロスという形も頻繁に試みた。病み上がりのドゥトラは体が重く、対面のLi Xiaopengに立て続けに突破を許す。田中隼磨の方も相手の左サイドに主導権を握られた。横浜FM守備陣はこの猛攻をじっと耐えていたが、前半38分とうとう失点してしまう。右サイドから中央に飛び込んだZheng Zhiにパス。Zheng Zhiは迷わず右足ボレーで1点を奪った。
「1点を守り抜いて勝つ」という横浜FMの勝ちパターンは崩れたが、同点弾の後は山東の攻撃の勢いがやや低下した。彼らがあのまま攻め続けていたら、横浜FMは苦境に追い詰められていただろう。それほど山東の1対1、フィジカルコンタクト、球際は強かった。

 1-1のまま後半に突入。10分にはタンカを運ぶ救護隊員に文句をつけられた安貞桓が冷静に対処しようとした瞬間、Predrag Pazinに顔を叩かれ乱闘寸前となるなど、試合は荒々しさを増していった。内容自体は両者拮抗していたが、横浜FMもビッグチャンスを何度か作る。が、29分の中澤の左足シュートはワクを超えた。絶体絶命の岡田監督は32分、満を持して久保竜彦を投入。最終ラインを4枚、前線を3トップにして点を取りに行った。
 迎えた42分、最大の決定機が訪れる。左コーナーを安貞桓がドリブルで突破し、中央へ折り返した瞬間、久保が強烈なシュートを放った。これは相手DFに阻まれたが、さらに田中がシュート。これもセーブされてしまった。しかし横浜FMの選手たちは「ゴールを割ったのではないか」「ハンドだ」とレフリーに激しい抗議。主審はベンチに下がっていた河合を退席処分にし、無情にも「ノーゴール」という判定を下した。

 前代未聞の7分というロスタイムが表示された後も、横浜FMは諦めず、命がけで1点を取りに行った。が、一瞬のスキを突かれてカウンターを繰り出される。結果、Zheng Zhiに抜け出されて2点目を奪われ、万事休す。横浜FMのアジアチャンピオンへの挑戦は終わりを告げた。

 那須が号泣し、田中がガックリと肩を落とす傍らで、岡田監督も顔を引きつらせた。勝てたかもしれない試合を落としたのはあまりに痛かった。けれども「ホームの山東戦を含めチャンスはあった。それを決め切れなかったことがこの結果を招いた」と中澤も言うように、この試合だけが全ての原因ではない。1つ1つの積み重ねの重要性を彼らは再認識したはずだ。だからこそ再びACLにチャレンジしなければならない。「今年もう1回、Jリーグでタイトルを取ってこの場に戻って来たい」という奥の言葉を信じたい。


以上

2005.05.12 Reported by 元川悦子
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