5月21日(土) 2005 J2リーグ戦 第13節
鳥栖 1 - 0 仙台 (14:01/鳥栖/8,324人)
得点者:'19 高林佑樹(鳥栖)
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前節、首位京都に初黒星をつけた勢いそのままにホームに凱旋した鳥栖。前節までに打たれたシュートは146本。J2リーグで2番目に多い数字である。(最多は湘南の147本)しかも打ったシュートは、101本でリーグ最少である。が、しかし、12試合を消化して無失点試合が7試合(リーグ最多)である。この失点の少ないことが上位につける鳥栖の要因となっている。
今節は、好調仙台をホームに迎え撃った。対する仙台は、前対戦ではホームで完敗を喫しているだけに積極的に試合開始から鳥栖ゴールに襲いかかった。
前半、風上に立った仙台は、開始の笛と同時にシュウェンクがDFの裏を狙い、大柴が所せましと走り回った。清水は積極的に右サイドを駆け上がり、財前はボールを左右に散らす。立て続けにCKを得るがフィニッシュまでには至らない。鳥栖の早いチェックに自慢のボール回しができずに次第にバランスが崩れだしていく。奪われたボールを追い込んで行くと鳥栖は逆サイドに展開して仙台に付け入る隙を与えない。この相手選手を引きつけたあとのつなぐ意識が、鳥栖の勝利を呼び込む要因となる。仙台のオフサイドや無用なファールも流れを鳥栖に傾いて行く要因なっただけに前半の戦い方は悔やまれる結果となった。
この流れを今節初スタメンとなった高林が先制点に結びつける。19分に左サイドでボールを受けた高橋が、裏へ回りこんだ飯尾へパスを通した。飯尾に詰めた仙台の中盤が中央に位置している高林をフリーにしてしまう。ボールを受けた高林はワントラップ後30m.先のゴールに先制点となるシュートを放った。ボールを受けて一瞬の判断でゴールコースを見切った技ありのロングシュートだった。先制点は鳥栖の勢いを増した。新居・鈴木・高橋らが積極的にゴールを狙うが追加点までには至らない。仙台も流れを引き戻そうと大柴と財前が積極的にポジションチェンジを繰り返すが、一度崩したバランスを前半のうちの修正することはできなかった。
後半に入り、仙台は高さのあるバロンやスピードのある大久保を入れて積極的に鳥栖のゴールを狙わせるが、決定的なチャンスは作れずじまいだった。シュートを一方的に放つも、後半22分の大柴のシュートだけが鳥栖のサポータの悲鳴を誘ったものだった。このシュートもGKシュナイダー潤之介の美技でネットを揺らすことはなかった。流れは仙台にあるように見えたが、今季の鳥栖の戦い方を振り返ってみると“鳥栖ペース”だったのかもしれない。
今節を終了して鳥栖は6勝を上げた。この6勝は幸運だけでは済まされない事実が潜んでいる。
1勝目の札幌戦は鈴木のリーグ初ゴール。2勝目となった仙台戦では長谷川の2試合続けてのゴール(前節のゴールがリーグ初ゴール)。3勝目の草津戦では八田・奈良崎のリーグ初ゴール。4勝目の水戸戦では新居の移籍後初ゴール。5勝目の京都戦では阿部のリーグ初出場。そして今節仙台戦の高林のリーグ初ゴール・・・。
勝ちゲームだけではない。開幕戦では矢野のリーグ初ゴールで福岡に引き分けた。4節の徳島戦では、わずかなところで勝ちを逃したが、宮原の移籍後初ゴールが生まれている。これだけの初物が生まれたチームが下位に甘んじるわけが無い。長いシーズン、日替わりでヒーローが生まれたチームには好結果がついてくる。
今節スタジアムに集まった8324人のサポータは、新たなヒーローの出現を目の当たりにしただけでなく、鳥栖史上初の2位と言う結果の証人になった。次節では誰がヒーローになるのだろうか。どんなストーリーを見せてくれてくれるのだろうか。ファンならずとも期待させてしまう“鳥栖らしさ”のゲームだった。
以上
2005.05.21 Reported by サカクラ ゲン
J’s GOALニュース
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