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【2006FIFAワールドカップドイツ大会 アジア地区最終予選 日本代表 vs バーレーン代表 プレビュー】最終予選の天王山のバーレーン戦。小野の離脱を精神的支柱の中田英と好調の柳沢でカバーする!(05.06.04)

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2006FIFAワールドカップドイツ大会 アジア地区最終予選
6月3日(金)25:35キックオフ(日本時間)
バーレーン代表 vs 日本代表(バーレーン)
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 すでにこのバーレーン戦の重要性については語り尽くされている感があるが、選手もその意識は共有している。例えば加地亮はバーレーン戦に向けて徐々にテンションが上がりつつあると口にしながら「この試合に勝てばかなりの確率で(W杯出場を)決定できる」とその重要性をはっきりと認識している。

 勝ち点で2しか差のないチーム同士の直接対決ということで、この試合の勝ち点3の行方が最終予選の結果に直結することになる。
 そんな大事な一戦を控え、日本代表チームが貴重な戦力を失ってしまった。すでに各種メディアでも報道されているとおり小野伸二が右足甲を疲労骨折。バーレーン戦出場が絶望的となってしまった。小野といえばそのテクニックがよく知られているが、本当に痛いのは31日と1日の紅白戦で見せていた的確で安心感のあるコーチングがなくなることである。例えば31日の紅白戦では「ヒデ待って!!」と前に出て行こうとする中田英寿に対して大きく声をかける姿があった。また1日の紅白戦でも三都主アレサンドロに対して相手選手に突っかかっていかないよう指示を出すなどその声が日本に力を与えるのは確実に思えた。それだけに、その貴重な戦力を失ってしまったのはなんとも残念である。

 ただ、この小野の離脱を悲観的にのみとらえる必要はないのかもしれない。小野が退いた後、ジーコ監督は中田英をボランチのポジションに下げている。そもそも議論の対象となる1トップシステムは、中田英と中村俊輔(そして小野)を共存させるために急遽採用しようとしたシステムだった。それが、日本にとって不幸な形ではあるが、小野の離脱によって中田英のためのポジションが一つ空くことになったのである。

 1日の紅白戦でジーコ監督は、1トップの先発として鈴木隆行ではなく柳沢敦を起用した。当日のスタメンがどのようになるのかはまだわからないが、その柳沢は31日のUAE合宿での紅白戦の前半をサブ組としてプレー。大黒将志との切れの良いコンビネーションを見せ主力組を脅かした。その働きが認められたのか、主力組でプレーした後半は中田英、中村と共に素早いカウンターをやって見せている。つまり柳沢はUAE合宿で2トップではもちろん、1トップをもそつなくこなせる器用さを持つ選手だということを証明しているのである。ジーコ監督とすれば小野の離脱という事件が発生してしまったが、バーレーン戦までの時間の中で、1トップにするにせよ、2トップに戻すにせよ、それを実現できる選手として柳沢というカードを手にしているのはプラスだといえる。

 気になるのはテヘラン合宿に引き続き、ピッチ上で中田英と福西崇史が守備の方針を巡って議論をかわした点。その議論が、すでに結束したチームの方針を再度考え直させる方向で行われたのか、それとも中田英が日本の守備網に空いた穴を見つけたという事を意味しているのかは選手のコメントからは判断がつかない。

 さて、国民の期待を一身に背負い、ホームで日本を迎えるバーレーンだが、前回埼玉で対戦した時の3バックではなく、4バックで試合をスタートさせることが予想されている。というのも先日行われたサウジアラビアとの親善試合で4バックの形を試しており、日本戦に向けての準備だったと考えられるためだ。1対1のドローに終わったサウジアラビア戦を踏まえ、彼らは非公開練習で日本対策を推し進めているところだ。

 加地亮はその4枚の守備陣に対して「後ろはそんなに強くない」との感想を持っているという。ただし、相手の枚数が増えるサイドからの攻撃に関しては危機感を持っており、その点はチームとして認識しているようだ。

 ちなみにバーレーンは、日本戦で左ストッパーのM・フセインとボランチのババが出場停止処分を受けており守備の立て直しの必要性があった。それが最終ラインを4枚に変更する理由の一つだったと考えられる。また負傷したA・フバイルが間に合わなかったのも日本にとってはプラス材料になるだろう。

 その一方で、前回対戦時に出場停止を受けていた左サイドハーフのジャラルとFWユースフが復帰。攻撃力がアップするのは間違いない。また前回の日本戦で決勝点となるオウンゴールを入れたサルミーンは雪辱に燃えているはずだ。そうした諸々の状況を考えると、まずはホームのバーレーンが主導権を握り日本陣内に攻め込むような試合展開が予想される。試合開始からは我慢が続く立ち上がりを覚悟した方がいいだろう。

 バーレーンはライバルを直接叩ける最後のチャンスであり、その可能性にかけているはずだ。気持ちが前にかかっている相手をどのようにいなせるのか。落ちついた試合運びが何よりも必要になってくるだろう。勝ち点3を手にできれば最高だが、最悪でも勝ち点1がほしい試合である。


以上

2005.06.02 Reported by 江藤高志
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