6月4日（土）ヤマザキナビスコカップ 第5節 Ｆ東京 vs 柏（15:00KICK OFF/味スタ）
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4月10日の磐田戦（リーグ戦）以来勝利から遠のいていたＦ東京は、前節大分との対戦で10試合ぶりの勝利を手にし「ここから新しいFC東京がスタートする」と、試合後の会見で原監督が語った。「ほっとするのではなく、あの勝利をスタートラインにして苦しかった経験すべてをいい方向に、次につなげるためにもこの柏戦は勝たなくてはいけない」。そこから数日後の原監督は更に表情を引き締めていた。

今シーズン3度目の顔合わせとなるこの対戦（リーグ戦で1回、ナビスコカップで1回）。結果は柏の2勝。「同じチームに3度負けるわけにはいかない」と語るのはＤＦ茂庭選手。「3度目の正直だね・・・。ここまで2度やった印象は『柏は強い』って思いました。ここ最近（柏が）勝てていないのもうちが勝てなかったのと同じように、勝利がどっちに転ぶか紙一重みたいな感じだと思う。だから数少ないチャンスをモノにしたほうが勝つ。絶対に勝ちたいです」と静かに闘志を燃やしている。

Ｆ東京で注目に挙げたいのは、前節の大分戦でもツートップの一角を担った戸田選手だ。「自分の本来のポジションでやれることは、すごくうれしい。5年のブランクはあるけどね」と笑顔を見せ「相手に合わせてやるんじゃなくて、後で振り返って後悔する事のないように、自分たちのサッカーを思いっきりやって勝ちたい」と意欲をみせた。

一方の柏は4月28日（リーグ戦）、前回のＦ東京戦以来、6試合勝利から遠のいている上、前節の千葉戦では5−1という大量失点を喫している。その大量失点後の今週のトレーニングの中で、「ＤＦ面はプレーの中で準備不足のところを、もう一度基本から何をするか確認した。何が起こるか予測が立たないリスタートの時などに足が止まっていたりとか、予測を怠らないようにということ（早野監督）」をポイントにしてきた。前日の練習の中でもＤＦの4人（近藤、中澤、薩川、波戸）とボランチの明神選手に対し、監督がワンプレーごとに入念に指示を与える様子が見られた。

「特に中盤の守備をしっかりして、周りをしっかり動かしていきたい。Ｆ東京は縦に速いチームなので、いかにそのスピードを止めるか。それとセンタリングをいかにあげさせないかがポイント」とした明神選手が、左足の内転筋痛から3試合ぶりに復帰するのは柏にとって明るい話題だ。

そして柏で注目にあげたいのは、特別に闘志を燃やしているＦＷ李忠成選手だ。
今シーズンＦ東京から柏に移籍してきた李選手は、途中からの投入が期待されるが「絶対に点をとりたいし、（Ｆ東京相手で）特別な思いはあります。決められる気がします。結果を出して成長したところも見てもらいたいです」と質問に対しても即答。迷いのなくゴールへ向かうプレーが期待できそうだ。

Ｆ東京は負ければ、この段階で予選リーグ敗退が決定。昨年の優勝チームとして意地でも負けるわけにはいかないだろう。一方の柏は、この試合に勝つことで決勝トーナメント進出の可能性も見えてくる。そして7試合ぶりの勝利をどうしても手にしたいところだろう。「勝利」という結果で、この「苦しい状況」から脱したい同士の対戦。激しい意地と意地のぶつかりあいが見られることだろう。

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2005.06.03 Reported by 日々野真理