6月18日(土) 2005 J2リーグ戦 第17節
仙台 1 - 0 水戸 (19:00/仙台/17,023人)
得点者:'86 バロン(仙台)
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水戸のスタメンには、2つの驚きがあった。1つは出場停止が明けたはずのデルリスが、スタメンはおろかメンバーにも入っていなかったこと。聞けば負傷があったとのことだが、代わりに入るのは、前節同様ルーキーの岩舘。
もう1つは、ボランチの位置に、これまでは攻撃的MFとして起用されていた永井を配していたこと。この意図は、時間が経つにつれて明らかになる。
霧の立ち込める中で行なわれた、仙台スタジアムで今季初のナイトマッチ。大サポーターの後押しを受けた仙台と、引き気味に戦う水戸が対峙すれば、自ずと試合展開は想像がつく。6:4、ともすれば7:3にもなろうかというボール支配率を見せる仙台が、あの手この手で守備陣を崩そうと動くが、水戸は例によって自陣に深い守備布陣を敷き、簡単には隊列に隙を作らない。
そしてこの日の水戸には、2連勝と好調の仙台をよく研究した様子が見て取れた。まず守備の局面では、仙台の前線で本来のポテンシャルを発揮し始めたバロンに対して、センターバックの深津が密着マーク。マークを嫌ったバロンがポストプレーのためボランチ付近の位置まで降りてきても、しっかりとそこまで食らいついてくる深津。それが仙台の攻めのリズムを微妙に狂わせた。
そしていざボールを奪うと、ここで「ボランチ永井」が活きる。プレスをかけられてもしっかりボールをキープして前を向けるテクニックと、中、長距離のパス能力を駆使し、浅い位置からカウンターの起点として機能する姿があった。折りしもこの日の仙台は、気負いからか危険なパスミスを連発したため、実際にこうした水戸の攻撃に決定的なピンチを迎えることも。
ところが、後半に入り、2つのターニングポイントを境に、水戸はいよいよ守備オンリーに近い状況を強いられることになる。
後半22分にシルビーニョが投入され、彼がセンターで確実なキープ力を見せることで、水戸の守備陣はどうしても中央へ吸い寄せられる。そこからサイドに展開することで、仙台は前半よりも、サイドの深い位置で勝負する局面を多く得られた。
そこにきてこの試合終盤、水戸守備陣に蓄積された疲労の度合いが無視できない段階に突入していた。ここまで執念でボールに食らいつき、伸ばした足先や投げ出した体に、仙台のシュートやセンタリングをかろうじて当てていた水戸守備陣、その出足が徐々に遅れていく。
そして後半41分、ついに仙台がバロンのヘディングでゴールをこじ開ける。右サイド深い位置でボールを受けた大柴が、疲れの見える水戸・大和田をスピードでかわしてゴールライン間際からセンタリング。大和田もほんの少し触ったそうだが、弾道はニアに走り込んだバロンの頭を完璧に捉えた。その時バロンのマークについていた深津は出遅れてしまっていた。1つの流れのなかで、大和田と深津というこの日奮闘を見せていた2人が同時にほころんでしまったことが、水戸にとっては致命傷となった。
逆に仙台は、こうした苦しい試合でも、最後まで得点の意志を捨てなかったのが実った形だ。「最後まで良いボールを信じて待ち続けた」というバロンの思いに、古くからの戦友である大柴が見事に応えてのゴールだった。
仙台はこれで今季初の3連勝。だが次節(6/25)の山形戦は、最近の好調を呼び込んだ熊谷が累積警告で出場停止となる。みちのくダービーという大一番だが、選手起用も含めて注目が集まる。
一方の水戸は次節(6/24)、ホームで福岡を迎えての一戦。残り4分で叶わなかった勝ち点ゲットを新布陣で果たし、自信を掴みたい。
以上
2005.06.19 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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