6月18日(土) 2005 J2リーグ戦 第17節
湘南 4 - 3 鳥栖 (14:01/平塚/4,280人)
得点者:'14 鈴木孝明(鳥栖)、'17 柿本倫明(湘南)、'33 新居辰基(鳥栖)、'36 柿本倫明(湘南)、'56 加藤望(湘南)、'67 鈴木孝明(鳥栖)、'86 佐藤悠介(湘南)
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壁を越えたフリーキックがGKの手をかすめゴールに吸い込まれた瞬間、平塚競技場は歓喜に爆発した。追いつ追われつの展開に終止符を打つ後半41分の勝ち越し弾、そしてチームやサポーターら誰もが待ち望んだ佐藤悠介の今シーズン初ゴールだった。
スタジアムがどよめき揺れるなか、佐藤は真っ先に上田栄治監督のもとに駆け寄った。「ひとつ決めるまでが大変。本人もホッとしていると思います」決勝点を叩き込んだ左足に、指揮官も目を細める。そう、勝利を決するゴールという結果を欲しがったのは、だれより佐藤自身だったかもしれない。日頃は寡黙なレフティがピッチ上で見せた笑顔が、それを物語っていた。
梅雨の隙をかいくぐって晴れ渡った空のもと行なわれた鳥栖と湘南の一戦は、夏の到来を告げる太陽の陽射しに共振するかのように序盤から激しい攻防となった。
先に流れを掴んだのはアウェイの鳥栖である。ボールへのプレッシャー、とくに自陣に攻め込まれたときの寄せが速い。パスを繋ぎたい湘南は素早い鳥栖の守備に幾度もマイボールを失い、柿本倫明と梅田直哉の2トップにもなかなかボールが収まらなかった。逆に鳥栖は前半14分、ハーフウェーライン付近から送られたスルーパスに新居辰基が反応し、鈴木孝明に1タッチで落とす。手薄だった湘南ゴール前で、鈴木はすかさず横にずれてマークをかわし、シュートをゴール右隅へと突き刺した。
「点を取ってから失点するまでの時間が短すぎる」松本監督が嘆いた鳥栖の最初の失点は、その3分後だった。加藤望からのふわりと浮いたパスを受けた鈴木良和が、右サイドから低いクロスを入れる。中央に控える梅田の飛び込みは一歩及ばなかったが、「原点に戻って強引に狙った」柿本が、ファーサイドに走り込み左足で押し込んだ。
試合を振り出しに戻した柿本の同点弾は同時に、シーソーゲームの口火となる。中盤でのボールの奪い合いは激しさを増し、互いに譲らない。33分、鳥栖が井手口純による右サイドからのクロスを高橋義希が繋いで新居がゴールネットを揺らし均衡を破れば、また3分後、湘南も加藤のフリーキックをふたたび柿本がヘッドで合わせ、この日2度目の同点ゴールを決める。その後も一進一退の攻防が続き、勝負は残り45分に委ねられた。
両者ともにボールを回しながら敵の隙を窺った後半、マイボールを先にゴールに結びつけたのは湘南だった。11分、左サイドでボールを奪った鈴木良が中央へ送り、梅田が右サイドを上がってきた村山祐介へとはたく。村山は間髪入れずにクロスを蹴り込み、DFラインの裏へ飛び出した加藤がヘディングシュートをねじ込んだ。
初めてリードを許した鳥栖だが、しかし湘南同様に引き下がらない。22分、飯尾和也のクロスをペナルティエリア右で受けた鈴木がシュートを放ち、3度目の同点劇を演出した。
3-3と追いつかれた直後、うつむきかけたチームメイトに向かい手を叩き、鼓舞したのが佐藤だった。決勝弾を決めたのは、その約20分後のことだ。「選手たちが諦めずによくやった」と試合後、湘南・上田監督は振り返っている。佐藤をはじめ選手たちが最後まで勝利への執念を切らさなかった結果、掴んだ勝ち点3だった。
「3点は取れたので、4失点を受け止めて次に臨みたい」不用意なファウルによって相手にチャンスを与えた若さゆえの不甲斐なさを、鳥栖・松本監督は口にした。引き分けを挟んで5連勝と快進撃を続けたが、今季2度目の連敗に、指揮官は守備の建て直しを期する。
接戦を制した上田監督も、「4得点はよい傾向だが、3失点は改善しなければならない」と、次を見据えて課題を挙げる。両チームともに、局面での守備の見直しを迫られる試合となった。
「受身になると今日のように失点する。ひとつのゲームのなかでそういうことを繰り返していたら上位には勝てない。自分たちでゲームを決める力をつけないといけない」決勝点を叩き込んだ佐藤は試合後、ふたたび表情を引き締めた。白星を手にしても満足することはない。だが梅田の加入で柿本の負担が減って前線にボールが収まるようになり、グラウンダーのパスを繋いでサイドから崩していくなど、狙いとするサッカーは構築されてきた。得点力不足から一転、2試合で6得点という結果が進化を示す。シーズン序盤に好発進を遂げた湘南が生みの苦しみを脱し、ふたたび波に乗ろうとしている。
以上
2005.06.19 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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