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【J2:第19節 札幌 vs 山形 レポート】積み上げてきたものが違う。このカード、昨年から山形の6連勝(05.07.02)

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7月2日(土) 2005 J2リーグ戦 第19節
札幌 0 - 2 山形 (14:03/札幌厚別/8,497人)
得点者:'54 内山俊彦(山形)、'76 根本亮助(山形)
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 今季3試合目となる厚別での試合。入場者数は1試合目(第12節・札幌対水戸戦)6,807人、2試合目(第14節・札幌対草津戦)7,693人ときて、この日は8,497人と徐々に上げてきている。山形と札幌の勝点差も、山形が最大8(第11節終了時)上回っていた状態から、この試合前の時点では逆に札幌が勝点1上回っている状態と、ホーム・札幌がじわじわ上向きだったが・・・。

 山形はDF臼井とMF佐々木が先発復帰し、中盤は右から佐々木、永井、本橋、高橋。その佐々木に対峙する札幌の左サイドには、右足付け根痛の和波に大事をとらせて、西嶋が2試合連続先発で立った。この西嶋のところで佐々木を捕まえられず、山形がまず右から主導を得る。さらに前半の半ば過ぎからは左の高橋も活発な動きを見せ、左・内山、右・臼井の両SBも前にせり出してくるようになった。そして中央の本橋や永井の冷静な球さばきが山形の主導を継続させる。

 札幌は両サイドから来る山形の攻撃を3バックの左・池内、右・西澤が奥できっちり抑えてペナルティエリア侵入を許さず、細かいパスワークで反撃に挑む。中央で田畑と砂川がボールをとらえて前を向いての展開や、右サイドでの砂川と岡田のコンビネーションなどが目立った。だが前線が弱い。FW相川がパスをつなぐ意識が強すぎて、せっかく前を向いても意欲的なドリブル、シュートを選択せず周囲を探して時間をロスするシーンもあり、札幌のチャンスは散発的になる。それでも、札幌としては守ることでリズムを作ってきているか、という感もあったが、後半、セットプレー崩れから選手が棒立ち気味になっていたところをやられてしまう。後半9分、山形CKのクリアボールがもう一度永井、佐々木とつながり、右の佐々木からのクロスを走りこんできた内山が右足を振り抜き、先制。

 先制点を取れば強いが、取られた時に盛り返して勝てたのは一度だけ(第3節・草津戦)の札幌は、挽回に向け、左サイドで食い止めのポイントになっていない西嶋に代え、三原投入。FK・CK時のキッカー役、そして一発でビッグチャンスになるパスに期待がかかった三原だが、パスを出すにも受けるにも周囲との連係が合わないシーンが数度あり、切り札にはなれず。砂川を中心とした素早いパスワークも時々はあったが、そうしたチャンスは途切れ途切れにしか作れなかった。

 そして山形がさらに押し込む。後半29分には永井が池内をかわしてペナルティエリアに侵入しシュート。そして後半31分にはレオナルドからの浮き球を受けた根本がループシュート。GK林の頭上を越えたボールは、ゴールネットに吸い込まれ、2点目となった。山形は1点、2点と取った後もチーム全体の運動量、パススピードが最後まで落ちず、札幌につけいるスキを与えなかった。札幌は今ひとつ力を出し切れない上里に代えて清野を投入し、相川を2列目に下げて清野と中山の2トップにし、右サイドで岡田と徐の交換といったベンチワークを施したが、反撃に挑むどころか、だんだん意気消沈。結局、山形の完勝、札幌の完敗に終わった。

 前半での山形の明らかなパスミスはほんの2、3回ほどだったかと思う。山形の中盤陣の早い展開はこの札幌戦でも健在だった。札幌・田畑は、「相手にボールを回されても、無理に行かないでおこうとしていた。回されるぶんには問題ないと思っていた」と、中盤では山形のパスワークをある程度許してもやむなし、というプランを語っていた。即ち、山形の攻めは札幌が事前に警戒していたレベルに達していたといえる。それでも山形・鈴木監督は、「前半はいいゲームの運び方ではなかった。ペースをなかなか握れなかった」と振り返り、選手も同様のことを語っていたように、山形にはほんの些細なミスもよしとしない、自らに厳しい、高い意識が共有されていた。

 札幌も成長の道を歩んでいる途中だが、さらにその数歩先を山形がゆくという様相。日々積み重ねてきたことの差が依然としてある。それが昨年からのこの対戦カードの、山形の6連勝という結果に表れている。

以上

2005.07.02 Reported by 永井謙一郎
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