7月6日（水）J1 第14節 柏 vs 大分（19:00KICK OFF/柏）
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　自動降格圏内（17位以下）に低迷する柏レイソルだが、前節のサンフレッチェ広島戦では今後に希望を持たせる戦いを見せている。まずは3枚に変更した守備。波戸康広をセンターバックに据える驚きの布陣だったが、佐藤寿人のすばらしいミドルシュートを除けば、広島の攻撃を抑えて見せた。局面で数的優位を作り、相手を囲い込んで危険なゾーンへの侵入を防いでいた。
　そんな及第点の守備に対し、攻撃面では課題が残った。守備の意識が強いためか攻撃時に枚数が足りていない場面が多く、深いエリアからドリブルによる崩しが多い傾向があった。パスワークによる崩しに比べればドリブルは相手が対処しやすい攻撃だということもあり、なかなか有効な攻めとはならなかった。サポートの枚数や攻撃参加のタイミングの問題だが、これは守備が安定することでバリエーションを増やせる領域でもある。3バックが安定感を見せれば、今後の改善が期待できる。

　攻撃面では一つの大きな収穫があった。今季ここまで無得点の玉田圭司がようやく初ゴールを決め、笑顔を見せている。日本代表でもノーゴールが長く続いてきただけに、このゴールで玉田が昨年のキレを取り戻せれば、今後の柏にとって大きな意味があるゴールになるだろう。ただ、試合終盤の決定機を決め切れないなど、まだまだ本来の力を発揮できていないのも事実。コンスタントにゴールを積み上げられるのか。チームの浮上のきっかけを作る意味でも、今節のゴールに期待が集まる。

　対する大分トリニータだが、前節の横浜F・マリノス戦では善戦しながらも結果は0-2の完敗。複数の選手たちが決定力について口にするなど、課題ははっきりしている。ただし強豪チームを相手に善戦できた事実は選手たちを勇気づけているはず。13位に付けてはいるが、柏とは勝ち点で5差しかないことを考えると、最低でも引き分けておきたい試合だといえる。2失点の前節を振り返り、守備を重視した戦いをしたいところだ。
　守備でいえば、前節リーグ戦デビューしたＧＫ西川周作にとって、今節の試合が行われる日立柏サッカー場はナビスコカップ予選リーグ第3節でプロデビューし、1-0で完封した思い出の地。柏にも、いい印象を持っているはずだ。その弾丸系のFKを披露する機会があるのかという部分も含めて、注目しておきたい選手だ。また前節、初スタメンとは思えない落ち着きで中盤を安定させた川田和宏の長短を織り交ぜたパスも見所の一つだと言えるだろう。

　柏は2試合続けてのホームゲームであり、順位的にも接近した相手・大分にどうしても勝ちたい試合となる。そういう意味で、引き分けでもOKの大分をいかに攻略するのかがこの試合のポイントといえるだろう。


以上

2005.07.05 Reported by 江藤高志