7月6日(水)J1 第14節 広島 vs G大阪(19:00KICK OFF/広島ビ)
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緑の中に白い砂が見え、ボールを蹴るたびに土煙があがる。芝が大きくはげて、つぎはぎだらけになったピッチは、助けを求めて涙を流しているようだ。明日、J1の2位・3位対決を迎える広島ビッグアーチのピッチ状況は最悪といっていい。
ショートパスをダイレクトで回していくスタイルをとる広島は、ピッチ状況がそのままサッカーのクオリティに影響してしまう。イレギュラーバウンドが頻繁に起こるこんな状況では、ダイレクトでのつなぎは難しい。つまり、ホームチームが練習してきた戦術を存分に発揮できないピッチ状態に、今のビッグアーチはあるわけだ。広島は試合を前にして、早くも苦境に立たされてしまった。
一方のG大阪にしても「芝が泣いている」ようなピッチでは、遠藤を中心としたパス回しは難しい。しかし、前節で3得点4アシストと爆発したアラウージョの場合、ピッチ状況を苦にしない技術と瞬間のスピードを持っている。荒れたピッチはブラジルで慣れているだろうし、細かなドリブルが難しいとなれば、スペースで勝負をしかけることも彼はできる。そのアラウージョと大黒を中心として、流動的に動いてチャンスをつくりだすG大阪にとって、ピッチの状態の悪さがそのまま得点力低下にはつながるまい。
ただ、G大阪にとっては、ピッチよりもむしろ、怪我人の状況が心配だろう。特に守備の要であるシジクレイがいないとなれば、高さの面で不安が残るはず。
広島は前節、途中出場ながら負傷から復帰したガウボンを先発で起用する可能性があるが、そうなれば「高さではかなりの確率でウチが優位にたてると思う」(佐藤寿)。もし広島が制空権を握れば、現在ナビスコカップも含めて公式戦3試合連連続得点中とコンディション良好な佐藤寿や大木、ベットといった攻撃陣がDFの裏をとれる公算が大きい。
「DFラインやサイドの裏は狙っていきたい。そしてしっかりとボールを動かしていけば、相手はバランスを崩してくる」と、佐藤寿も自信を見せる。G大阪の破壊力満点の攻撃陣を考えても、広島はまず先手をとって試合を優位に運びたい。ピッチ状態を考えれば、明日は「ガウボン」という高さのカードを最初から切ってくる可能性は十分にある。そしてそのガウボンに、今年のG大阪は、何度も煮え湯をのまされてきたのだ。練習試合で2得点、ナビスコカップでは2アシスト。高さと柔らかさの同居したこのストライカーを相手に、シジクレイという絶対のコマを欠いたG大阪がいかに立ち向かうか。そこも、明日の試合の大きなみどころだろう。
大黒・アラウージョを中心に、1試合平均3得点に近い得点数を記録しているG大阪と、失点数わずか9とJナンバー1の失点数を誇る広島の対決ということで、おそらく「G大阪の攻撃」対「広島の守備」、という図式を描く方が多いはず。しかし、ナビスコカップやキャンプでの練習試合を見ていると、G大阪は広島の運動量豊富な攻撃を間違いなく苦手としている。
特に、広島がこだわっているワイドな展開から人がどんどん湧いて出てくるサッカーを仕掛けられると、G大阪守備陣は非常に苦しくなる。つまり「広島の攻撃」で「G大阪の守備」が先手をとられてしまうと、いかに破壊力抜群のG大阪の攻撃陣でも相応の苦境に陥ることは間違いない。「攻撃のG大阪vs守備の広島」などと単純化はできないのだ。
「G大阪は、ウチのようなサッカーを苦手にしている」と小野監督は言い切った。前節の7得点というG大阪の破壊力を見ていると、「もしかしたら今のG大阪は無敵か」と思いがちだが、大量得点の後は意外とリズムを保つのは難しいものだ。
いずれにしても、明日のこのカードは、J1首位を独走する鹿島への挑戦権確保のために、互いに絶対に勝利が必要。「引き分けじゃだめ。勝てば、大きな自信になる。ウチの真価を見定められる試合」と、広島の新エースとなりつつある佐藤寿人は口にした。
以上
2005.07.05 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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